つい、「ちゃんとしなさい」って言ってない?子どもの自己肯定感を高める「魔法のことば」とは!?
食事が遅い、着替えてくれない、いたずらばかりする…育児をしていると子どもを注意してしまいたくなる瞬間は山ほどありますよね。
でもそんなとき、頭ごなしに叱ったり強い言葉をかけてしまったりしていませんか?
「こんな叱り方はしてはいけない」と、なんとなく分かっていても、「じゃあどんなふうに接すればいいか?」となれば、すぐに答えが出る人は少ないのではないでしょうか。
困ったときは経験豊富な専門家の言葉を参考にしてみましょう。
今回は子どもの困った行動に対する声かけや対応のしかたについて解説した育児書を紹介します。
ふだんから子どもに言ってしまいがちな「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「勉強しなさい」などの言葉。
「明るい子になってほしい」「勉強ができる子になってほしい」と子どもを思う気持ちから出るこれらの言葉が、実は子どもの自己肯定感を下げてしまっている…!?と聞くと、ちょっとドキッとしますよね。
『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』(集英社刊)によると、子どもはこれらの言葉を浴びせられると「なんだか嫌だなぁ」「今やろうと思ったのに!」と後ろ向きな気持ちになってしまうのだとか。
そこで教育評論家でもある著者の石田勝紀さんがおすすめしているのが「マイナスワードを減らすために、プラスワードを使う」こと。シンプルに、より早く子どもの自己肯定感を高められるプラスワードがこの本で紹介されている「魔法のことば」なのです。
「魔法」というからにはスペシャルな言葉なのかと思いきや、紹介されている「10の魔法のことば」はたとえば「いいね」「うれしい」など、どれも短く、シンプルでよく耳にする言葉ばかり。
だからこそとっさの場面で親も躊躇なく、さっと使うことができて、確実に子どもの心に届き、高い効果が期待できるのだそうです。
魔法のことばを使うときには「軽く、明るく、さりげなく」言うのがコツなんだそう。 ぜひ試してみてくださいね♪
こんな口ぐせ、使っていませんか?
「何回も言ったよね?」
「こっちにしたら?」
「ちょっと待って」
『子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ』(マキノ出版刊)の帯に書かれているこの文章に、ドキッ!
毎日のようにわが子に言っているけれど、これってダメなの…?
自身も子育ての経験がある著者の白崎あゆみさんは、元アナウンサーで、言葉の重要性にもともと意識が高かったそう。それでも、子どもへの声かけに関しては「時間を巻き戻してやり直したい」ほどの失敗経験があるといいます。
白崎さんが実体験を通して学んだことは、
ということ!
子どもは親からのコミュニケーションを通して、自己肯定感を築いていきます。だからこそ、まずは親自身に自己肯定感を持ってほしいと白崎さんは語ります。
そのためにも、親の思い込みでネガティブなニュアンスになる口ぐせを、子どもに前向きな思いが伝わり行動を変えさせる「天使の口ぐせ」にすることが大切なんだとか。
本書の中では、ほめる・怒る・励ます・促す・止めるという5つのシーン別の体験談で、つい使ってしまいがちな口ぐせの例と、それを言い換えた「天使の口ぐせ」を紹介しています。
たとえば、
●促すときの口ぐせ例
- NGな口ぐせ:こっちにしたら?
(親の都合がいいものを勧める→「自分の意見は聞いてもらえない」)
- 天使の口ぐせ:それが欲しいんだね
(子どもの気持ちをまずは受け止める)
●止めるときの口ぐせ例
- NGな口ぐせ:ダメだよ!
(一方的に禁止する)
- 天使の口ぐせ:どうなると思う?
(子ども自身に、今やっている行動について自覚を促す)
など、つい言ってしまいがちな言葉を一度受け止めて子どもの行動を促す言葉に変換する例がたくさん!
この一冊で、自分の子どもへの声かけの点検ができますよ♪
子どもの「食べない」についイライラしてしまう親におすすめなのが『食べない子が変わる魔法の言葉』(山口健太著/辰巳出版刊)。
自分自身も「食べない子」だったという著者の山口さんが最初に力説していること、それは「食べない子」が「楽しく食べられる子」に変わるためには「コミュニケーション」が一番大切、調理の工夫はその次である、ということ。
本書が教えてくれるのは「食べない」から「食べる」に変わるためには、子どもだけががんばるのではなく、まずは親の意識改革が重要だということ。
親の方が「食べてくれるはず」と期待を持ちすぎていて、その結果食べないとガッカリしてしまい、「なんで食べないの!?」と余計イライラしてしまう…。
そしてそんなときに効く、お母さんへの魔法の言葉は「そうきたか!」。
「なんで!?」と怒る前に、「そうきたか!」と心の中で唱えれば、感情にブレーキをきかせられるとのこと。
この本の前半は、「親の意識改革」のための、子どもが「食べない理由」を解説。そのうえで後半、「食べない子が変わる魔法の言葉10」を紹介しています。
例えば、「見た目」で食べられないときは、「同じものだよ!」と声をかけてあげて、など。
だましだまし食べさせるための口上ではなく、あくまでも子ども自身が食べることに前向きになるためのコミュニケーションとして声かけ例が挙げられています。
逆に、がんばって一口食べたあとのNGワードは「じゃあ、もう一口!」。これを言うことで、親への信頼関係が崩れてしまうそう…。
本書にはつい使ってしがちな言葉や効果的な言葉を他にもたくさん収録しています。子どもの食べ進みが悪いなと思った時はぜひ試してみてくださいね!
Amazonの売れ筋ランキング「児童心理本」ジャンルで1位(2021年11月時点)を獲得している『楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』(あさ出版)は、三兄妹を育てる大場美鈴さんの著書。
子育て中の家庭で言いがちな言葉を「伝わる言葉」に変換した事例がなんと166個も掲載されています!
たとえば、
などなど。
何度言っても伝わらないなぁと思うことが育児をしているとたくさんありますが、166の声かけ例には「元の言い方だと、なぜ子どもに伝わらないのか」「伝わるためにどう見方を変えるか」という解説が一つひとつ丁寧にあります。
こちらの書籍には言葉の言い換えだけでなく毎日がんばっている親に向けても「がんばりすぎないで」「見方を変えてみて」「妥協も必要ですよ」といったメッセージが詰まっています。
タイトルに「発達障害&グレーゾーン子育て」とありますが、本の中ではとくに線引きはなく、どんな子どもにも伝わりやすい方法が紹介されています。
本書内のコラムでは実際に発達障害もしくはグレーゾーンの子どもに関するQ&Aも多く、著者自身の経験に基づく回答例は非常に参考になりますよ!
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育児をしているとつい使ってしまいがちな強めの言葉。でもその言葉をちょっと変えるだけで子どもの対応はガラッと変わるかもしれません。
今回紹介した本に掲載されているのは特別な言葉はなく、親のちょっとした意識の変化で対応できるものばかり。
そして、そうした意識の変化が育児のストレスやプレッシャーを和らげてくれることにもつながります。
子どもへの声かけで悩んでいるママパパはぜひ参考にしてみてくださいね♪