カリスマ保育士てぃ先生をご存知でしょうか?
現役の男性保育士で、SNS上でさまざまな子育ての悩みに真摯にアドバイス。的確かつ温かいアドバイスが、イマドキのパパ・ママに大人気で、なんとTwitterのフォロワーは51万人、YouTubeチャンネル登録は31万人!
そのてぃ先生の子育てアドバイスが一冊にまとまったのが、今回ご紹介する『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』。
読み終えたいま思うこと…「もっと早く読めばよかった!!」
※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。
本書では、「したく」「片づけ」「食事」といったテーマごとの全10章で構成。
1ページに1技ずつ紹介されていて、合間にかわいいイラストもあり、2日もあれば読み切れるほど内容は簡潔。
では、てぃ先生のアドバイスがどんなものなのかを一部ご紹介します。
家だと手洗いをしたがらない
→大人が子どもの後ろに立つだけで解決!
早く何かをさせたい
→まずはスキンシップ。それからやってほしいことを言えばOK!
買い物中にお菓子を欲しがって聞かない
→「素敵なお菓子だね~」と認めるだけで、満足する場合も!
…と、どれも「えっ!これだけ??」と拍子抜けするほどの簡単さ。しかも、てぃ先生の経験上どれも即効性があるというのです。「本当かな?」と、にわかに信じがたくもありますが…
たとえば、子どもが手洗いを家でしたがらないのは、家庭用の洗面台は大人用の設計のため、子どもが台の上でゴシゴシすると体が揺れて不安定になり怖いという、「実は」の理由があると言います。
だからパパやママが後ろに立ってくれれば、安心して保育園のように手洗いができるそう。
てぃ先生は、これらすべての技は共通して「子どもが自分から動いてくれるようにする」ためのものだと言っています。
そして、これらの技を知ってもらうことで、親に自信を持ってほしいと願っています。
大人とは違う、子どもの心と体。
そしてその違いをわかっているようでわかっていない、私たち親。
本書の中では、その違いに大人自身がちゃんと気づくよう、「子どもはこう思っているから、●●しない」「まだ■■ができないから、こうなる」といった解説があります。
即効性がある理由は、これゆえ。
だからこの本は、「親がラクできるネタ帳」ではなく、「親が子どもを知り、子どものために働きかけられる“生きた育児書”」なんです。
読みやすくてどんどんページをめくっていけますが、1ページに詰まっている「ためになる情報」は非常に濃い!
たとえば、食事を「あとひとくち食べて!」というお悩みには、「子どもが大人に言われる『あとひとくち』はとんでもなく重い」と解説。
だからこそ、それは子どものためなのか、大人の自己満足なのか、しっかり確認を、と言っています。
そして、「子どもの食事でいちばん大切なのは、楽しむこと」とも。
偏食の娘に日々手を焼いているわが家にとっては、ドスンと胸に響くアドバイスでした。
「これも食べて!」
「早く食べようよ」
…ばかり言っていたことを、反省!
これからは「よくここまで食べたね!すごい!」とほめてあげようと思います。
これだけでも子育て上手になれた気がします…!
本書は、前半では「子どもができないこと」へのアドバイスですが、後半になると「親自身が子育てにおいてうまくできないこと」へのアドバイスになります。
たとえば、「叱ってばかり」「ほかの子とくらべてしまう」といった内容についても、てぃ先生は真摯に回答してくれています。
一般的な育児書には「こうすべき」といった正攻法が書かれていて、「だからそれが難しいのよ…」と途中で本を投げ出してしまうこともありますが、てぃ先生は子どもだけではなく親にも温かな目線でアドバイスしてくれています。
「たまにはズルしたっていい」
「子どものことより、自分のことを優先していいときだってある」
―そんな誰かに言ってもらいたかった言葉に、読みながら癒されますよ。
育児に仕事に家事に…とヨレヨレになっているママとパパを救ってくれる一冊です。ぜひ、スキマ時間で手に取って、自信をつけていってください!
『子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!』
著者:てぃ先生
発行:ダイヤモンド社
定価:1,320円(税込)/Kindle(電子書籍)1,069円(税込)
【わたし的評価】
満足度 ★★★★★
実践度 ★★★★☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★★☆
ライター 河瀬 みこと
大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。