ふだん生活する中で、おやつの時間や分量、食べさせる種類など、子どもについてしっかり管理しているママ・パパは多いかもしれません。
けれども年末年始やお盆に帰省すると、気づいたら祖父母が勝手に子どもにおやつを食べさせていたり、おもちゃを買い与えていたりしてびっくり…!なんてこと、よくありませんか?
「祖父母が子どもにあれこれ与えるから、帰省が憂鬱になる」そんな声も多く聞きます。ママ・パパは子どもの将来を考えてしつけているのに、帰省のたびに頭を悩ませる困った祖父母の行動。ママ・パパはどうすれば上手に付き合えるのでしょう?
「孫育て」に長年携わってきた、NPO法人孫育て・ニッポン 理事長のぼうだあきこさんに、詳しくお話を伺いました。
<調査概要>
回答者数:325名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年11月17日〜11月18日
回答者数:325名
「おやこのくふう」では3歳から6歳の子どもをもつママたち325名に「子どもと祖父母の関係で困っていること」ついてのアンケートを実施。
約3割は「困っていることはとくにない」という一方、6割以上のママが子どもと祖父母との関係に、何かしらの悩みを抱えていました。
困っていることの1位に挙がったのは、「祖父母が子どもにお菓子など間食させすぎること」。さらに「なんでも食べさせてしまう」「甘やかしすぎる」「おもちゃなどを買い与えすぎる」といった悩みが続きました。
祖父母がおやつを孫に与えるのは、「孫を泣かせたくない」気持ちが大きいからです。かわいい孫の笑顔を見たい、泣いたらかわいそうと、つい何でも与えてしまいます。
特に子どもを預けてママ・パパが出掛けると、祖父母は大変!祖父母がどんなに孫をかわいがってお世話したとしても、「ママがいい!」とグズられてしまうことがあります。そんなとき、孫をどうにか笑顔にしようとして、おやつが登場します。
ママ・パパがよその子を預かったときの状況を想像してみてください。おやつがほしいと言われたとき、わが子だったら「おやつの時間まで待とうね」などと言えますよね。けれども、よその子におやつをせがまれたら、つい与えてしまうこともあるでしょう。
いくらママ・パパがふだんから気をつけている点であっても、自分の子でなければ難しい点がいろいろあることを理解してほしいですね。
いくら子どもの笑顔のためとはいえ、やはり何でも与えてしまうのは困ります。祖父母にどう言えばママ・パパの気持ちをわかってもらえるでしょう…?
祖母はともかく、祖父は子育てせずにバリバリ仕事だけをしていた世代。いくら孫とはいえ、多くの「じいじ」はどうやって一緒に遊んであげたらいいか知りません。そのためどうにか孫を喜ばせようと、おやつに頼ってしまいがちになるんですね。
そんなときは、ママ・パパがサポートしてあげることで解決することもありますよ。例えば
これらのように、おやつを与える前にできることを、あらかじめ祖父母に教えてあげてください。子どもが時間についてある程度理解できているなら、「おやつは◯時」とおやこで決めておくのもいいですね。
また3~6歳というと、子どもも体力が付いて元気いっぱいに動き回るころ。祖父母は子どもに合わせて行動するのが、体力的にキツくなっていきます。
元気いっぱいの子どもと一緒でも祖父母が楽しく過ごせるよう、ママ・パパが少し事前準備して気遣ってあげてください。
おもちゃを買い与えすぎるのも気になります。いくら帰省中とはいえあまり買い与えてほしくないのですが…。
祖父母がおもちゃを孫に買い与える理由も、おやつと同じ。孫の笑顔が見たいからです。孫の喜ぶ顔が見たくて、ついおもちゃを買ってしまうんですね。
また祖父母の中には、孫のおもちゃをあれこれ選ぶのが楽しく、「せっかく帰省しているのだから」とついついおもちゃを買ってしまう人もいます。
買ってくれるのをいいことに、商品を指定するのも考えもの。「大まかにこんな感じのおもちゃを」と、ジャンルや金額にある程度幅を持たせてリクエストするのがベターです。
そもそも子どもが2~3歳ころのおもちゃといえば、子どもよりもむしろママ・パパがほしいものではないでしょうか?祖父母もそうと知りつつ買ってくれるのですから、ありがたいもの。なるべく選ぶ楽しさを残してあげたいですね。
また、おもちゃのリクエストを含め、祖父母に何か伝えたいとき、主語を「子ども」にするとやり取りがスムーズですよ。
「今子どもは車のおもちゃにハマっているから」「お人形遊びが好きで」など、おもちゃをリクエストするときも、子どもを主体にしてみてください。祖父母も「孫が好きなら」と、すんなり受け入れてくれるでしょう。
祖父母が孫にあれこれしてくれることに関し、余計なこと・おせっかいなどと感じてしまうママ・パパもいるでしょう。けれども帰省中などあくまで一時的なことなら、ある程度大目に見るのがうまくいくコツ。
もしどうしても我慢できないことがあったら、自分たちの考えを冷静に伝えてみましょう。そしてほどほどでいいので祖父母と付き合いを続け、子どもが大きくなったら1人で祖父母の家に遊びに行かせればいいのです。
祖父母が孫に何かしてくれることは、幸せなこと。祖父母がいない家庭もありますし、祖父母が自分たちの暮らしに精一杯だったり、体力的に孫と関われなかったり、ママ・パパが祖父母を介護しなくてはいけなかったりする人も中にはいます。
祖父母世代はいつ亡くなってしまうかわかりません。子どもを思いっきりかわいがってくれる状況はいつまでも続かないことを、ママ・パパは頭の片隅においておくといいですね。
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祖父母が子どもにあれこれ与えるのは、とにかく孫の笑顔を見たいがゆえ!
祖父母が子どもを思いっきり甘やかせるのも今のうち。そう思えばママ・パパも気持ちにゆとりが持てるのではないでしょうか。
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NPO法人孫育て・ニッポン 理事長 ぼうだあきこ
母親だけが子育てを抱え込むのではなく、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんなど家族のつながり、そして、地域の中で子育てができる社会になるよう活動中。父親の育児参加を促すNPO法人ファザーリング・ジャパンにも設立当初から関わり、理事を務めています。
ライター Ayako.O
学校ではしっかり者、家では甘えんぼな姉と、最近料理に目覚めつつある弟、2人の小学生を持つママです。子どもたちの成長はうれしい反面、小学生ならではの悩みも新たに生まれて、まだまだ子育てに模索する毎日です。
アンケート結果からもわかるとおり、祖父母が子どもにおやつを何でも与えてしまうと悩むママ・パパが多くいます。祖父母が子どもに何でも与えてしまう理由とは、一体何なのでしょう?