子育てのよくない例として挙がる「過干渉」という言葉。
何でも子どもの意見を無視して親が行動を決めてしまうようなケースを指しますが、過干渉に育てられた子どもにはどのような影響があるのでしょうか。
過干渉になっていないか、過干渉をやめるためにはどうしたらいいか、保育士経験を持つライターが解説します!
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子育てにおける過干渉とは、文字通り親が子どもに必要以上に干渉しすぎている状態を指します。おやこ関係においては、子どもの行動を制限したり無理やり決めたりすることが過干渉の代表的な例です。
子どものためにと思っていたことが知らぬ間に過干渉となっているケースも多いので、意識的に注意したいですね。
特に、同性であるママと娘の関係において、過度に心配して自分の思いを押し付けてしまう傾向が強いようです。過干渉な関わりの例は以下のようなものがあります。
過干渉と似た言葉に、「過保護」があります。両者の違いはいったい何でしょうか。
子どもの自立が遅れる原因となる点は共通していますが、大きな違いは子どもの主張が尊重されるか否かにあります。
過干渉は、子どもの成長にさまざまな影響を与えます。過干渉によって見られる子どもの特徴について解説します。
自分ではなく親が物事を決めることに慣れてしまうと、自分の意見を持てなくなってしまいます。
否定されることが怖くてはじめから意見を持たなかったり、判断を親任せにしたりすることも。過干渉は、子どもが自分の意見を持ち決断する機会を奪っていると言えるでしょう。
過干渉の状態にある子どもは、常に親が求める「正解」を選ぶために必死です。否定されたり叱られたりする恐怖心から、いつも親の顔色をうかがうようになるでしょう。何事にも「〇〇していい?」と親に許可を求めることもあります。
次第に周囲の空気や顔色にも敏感に反応し始め、知らぬ間に多くのストレスを抱え込んでしまいます。
園生活や学校生活で発表会の役決めや話し合いの場で、自分の意見が通らないと悲しんだり反発したりするのは、本来の子どもらしい姿です。
でも過干渉に育てられた子どもは、意見を否定されることに慣れています。そのため、集団生活で自分の意見が通らなくてもまったく動じない傾向にあります。
過干渉な環境で育った子どもは、発達面や知能面における明確な理由がないにもかかわらず、学力が低い水準にとどまってしまう可能性があります。
学びの基本は、考える・やってみる・結果を得る、の3ステップ。過干渉で育つ子どもは、自分で考える経験が乏しく、学力にまで影響してしまうことがあります。
過干渉な親のもとで育った子どもにとって、失敗は親に叱られる原因そのもの。親に否定されないようにするために、失敗を避ける傾向にあります。
失敗は本来、その後の行動に生かすために必要なプロセスです。親自身が失敗にネガティブな思いを抱いていることも、子どものチャレンジ精神を奪う要因になります。
親の意見と異なることはすべて「間違い」とされる過干渉な環境で育った子どもは、自分の意見に自信が持てないことがあります。
褒められる経験も少なく「自分の考えは間違っている」と思い込むようになり、自分の意見を持つことにいつも不安を抱いてしまいます。
過干渉な親のもとでは怯えたような暗い表情の子どもでも、園などの親のいない集団生活では明るく無邪気に遊ぶ姿を見せることがあります。
親がいる場面では自分の気持ちを押し殺さなければならないので、無意識に表情が変わるのでしょう。
文部科学省による「家庭の教育力等に関する各種調査」では、約7割の親が家庭の教育力低下を実感していることが分かっています。
理由として、過保護・過干渉な親の増加を挙げるものが多い点にも着目したいですね。
少子化が進むと、少ない子どもに対して大人がたくさん手をかけやすくなります。少子化に伴い、過干渉傾向にあるおやこ関係が増加するのは必然とも言えるでしょう。
過干渉は「子どものため」という親心からくるものも多く、親としては無自覚なのが、難しいところ。もしかしたら私も過干渉かも?と感じたママ・パパは、ぜひ以下のチェックリストを参考にふだんの子育てを振り返ってみましょう。
チェックリストはあくまで目安です。当てはまったからといって過干渉と言い切れるものではなく、当てはまらないから安心とも限りません。
子どもの意見に耳を傾けているかどうか、日頃から意識することが大切です。
過干渉から抜け出すためには、子どもは1人の人間であることを意識することが有効です。
対等な人間どうしなら、行動をコントロールしたり、自分の意見ばかりを優先したりすることはないですよね。叱る機会は減り、褒める機会もおのずと増えるはずです。
物事を決めるときは子どもと相談し、意見を持つ練習ができるようにしましょう。子どもの意見を優先する意識を持てると良いですね。たとえ失敗しても、立派な学びとなります。
また、過干渉気味の親は子育てに一生懸命になっている場合が多いでしょう。肩の力を抜き、親自身のことに目を向けたり趣味を持ったりする方法もおすすめです。
過干渉に悩んだとき、ぜひ手に取っていただきたい本をご紹介します。もちろんどんな本でも、すべてを書かれている通りにすることは難しく、完璧にする必要もありません。
親も子どもも穏やかな気持ちで過ごすためのヒントとして、活用してみてください。
学習指導要領の改定、大学入試制度改革などの日本の教育の大きな転換期において、子ども主体の教育の大切さが語られるようになりました。
本書に登場するのは、「校則をなくした中学校」の元校長・名門男子中高一貫校の理事長・子育てやいじめ問題に詳しい教育評論家の3名。
立場の異なる3名が、子どもの才能を伸ばす方法を紹介した1冊です。
子育てに一生懸命であればあるほど難しくなる子離れについて書かれた1冊。パパとは異なる、ママならではの子離れの難しさについて語られている点が特徴的です。
5分で読めるミニ書籍シリーズで、紙の書籍では10ページ程度に相当するボリューム。子育て中の慌ただしい日々に、さまざまな場面でサクッと読めるのも魅力的です。
過干渉気味な状態から抜け出すためには、子どもの意見に耳を傾けることが必要です。改めて、「聴き方」について考えてみてはいかがでしょうか。
具体的な聴き方をやさしく教えるマンガ付きなので、気負わずに読めますよ。
すてきな失敗の仕方を学べる、おやこで読みたい絵本です。世界一のエンジニアを目指し失敗を繰り返すロージーから、失敗との向き合い方を考えさせられます。
「こうでなければならない」「失敗してはいけない」と強く思い込みがちな過干渉から抜け出すために、ぜひ手に取りたい1冊です。
過干渉で苦しんでいるのは子どもだけではありません。親自身も知らぬ間に苦しみの中にいるものです。
わが子のことを思うあまり一生懸命になりすぎて、行動を制限し、叱ってばかりいるのではないでしょうか。親自身の肩の力を抜くヒントが紹介された1冊です。
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子どものためを思い過ぎることで陥りやすい過干渉。もしかして過干渉気味かも?と感じた場合は、少しずつ子どもの声に耳を傾けるようにしましょう。
過干渉の例や抜け出す方法を参考にしながら、親も子どもも対等な人間として過ごしてみてくださいね。
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ライター・保育士 Akari
0・1歳の子どもたちと笑い合い、3・4・5歳の子どもたちと語り合ってきた保育士経験を持つWebライター。おやこ生活に役立つ記事を発信していきたいと思います。コスメライターの資格取得を機に執筆を始めたので、美容Webサイトを中心に執筆中。
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