「大好き」と言われて育った子どもは、自己肯定感が高い傾向にあります。自己肯定感とは、自分でありのままの自分を認められる感覚のこと。
たっぷりの愛情を注ぐ大切さや、ただ愛するだけでなく愛情が「伝わる」伝え方について、乳幼児の保育経験を持つ保育士ライターが解説します。
「大好き」と伝えることで、子どもの自己肯定感は高まると言われています。自己肯定感とは、自分で自分のことを無条件に認められる感覚のことです。
得意なことも苦手なことも、自分にあるものもないものも、すべて受け止めて自分を大切に思えるのはとても大切なこと。
自己肯定感が高いと、どんな時も何が起きても自分を受け入れられます。一方で、自己肯定感が低いと、自分のことを認めるためには条件に頼らなければなりません。
運動ができることで自分に価値を感じていれば、自分より速く走れる人に出会った途端に自分を受け入れられなくなるでしょう。条件下の価値は簡単に崩れてしまいがち。
どんな条件下でも自分で自分を大切に思える力は、揺るぎない生きる力だと言えます。とくに乳幼少期は、周りの人からの関わりで自分の存在を知り、自分の価値を決める時期です。
乳幼児期に無条件に愛され、受け入れられる経験を積み重ねることで自己肯定感は高まります。「あなたは大切にされるべき人だよ」と伝えることが、いかに大切か分かります。
「大好き」と日常的に言われて育ち、自己肯定感高く育った子どもには、一般的に以下のような特徴があります。
自己肯定感が高い子どもは、たとえ失敗しても自分の価値が失われるわけではないと知っています。失敗を恐れすぎないので、挑戦にも前向きです。
大人の顔色をうかがい、周りからの評価を気にする必要もないので、自分に自信があるのも特徴。感情の波が穏やかで、安心して素直な気持ちを表現できる傾向にあります。
また、自分自身が大切に扱われてきた経験から、周りを大切にする方法も心得ていることが多いです。
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愛されている子どもの特徴
一方、自己肯定感が低い子どもの特徴も紹介します。
自己肯定感が低いと、自分のことを一定の条件のもとでしか受け入れられません。条件のもとで考えることは、同時に周りと比較できる状態として捉えることでもあります。
比較することで自分を保っている状態は、裏を返せば、比較することで自分が保てなくなることも意味します。
自己肯定感が低いと、常に周りとの位置関係や周りからの目を意識するようになるでしょう。失敗を極端に嫌うので、挑戦にも消極的です。
周りより劣っている自分には価値がないのでは?と不安に駆られることも多く、感情の波が激しくなる傾向もあります。
ただし、これらの特徴が当てはまるからといって必ずしも育て方に原因があるとは限りません。このような傾向があるのだと、目安程度の参考にしてみてください。
子どもへの「大好き」を伝えるためには、伝え方に工夫も必要です。どんなに深い愛情を抱いていても、子供がわかるように伝えなければ子どもの心には届きません。
子どもへの愛情がより伝わりやすい方法を、具体的に紹介します。どれも難しいことではないので、少しの意識でたっぷりの愛情を伝えていきましょう。
何かが達成できたから大好きなのではなく、賞をもらえたから大好きなのではなく、あなたがあなただから大好きだと伝えましょう。
特別なことがあったときだけでなく、日常的に「大好きだよ」と伝えることが大切です。言葉で伝えるのはもちろん、行動でも示せるといいですね。
「無事に帰ってきてくれてうれしい」と笑顔で迎えたり、子どもの好きなごはんを用意したりすることも、「あなたが大好き」という立派なメッセージになります。
日常的にハグをしたり、読み聞かせをするときには抱っこで行ったりと、肌と肌が触れ合うタイミングを意識的に取り入れましょう。
スキンシップには、「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの分泌を促す効果があります。オキシトシンは、信頼関係を築いたり、幸福感を高めたりするホルモンです。
大好きなママやパパとのスキンシップで安心感を得ることは、自己肯定感を高めることにもつながると考えられています。
周りより苦手なことがあっても、周りより優れていることがあっても、わが子はわが子。周りとの違いとは無関係に大切に扱われるのは、子どもにとって何より深い愛情です。
「大好き」は、評価ではなく主観的な言葉。だれも否定する余地がない言葉だからこそ、子どもの心にはしっかりと響きます。
「あなたが大好き」「あなたの味方だよ」「あなたは大切な宝物だよ」という言葉なら、ほかとの比較ではない愛情をきちんと伝えることができますよ。
人は「〇〇して」「〇〇しないで」と言われてばかりで対話がなければ、大切に扱われているとは到底思えませんよね。大人でも子どもでも同じです。
話を聞いてもらえないことは、自分よりほかのことが優先されたことを意味します。しかし、タイミングによっては難しいこともあるでしょう。
「ごはんが出来上がってからでもいい?」などとたずねて、子どもの話をゆっくり聞ける場を設けられるといいですね。
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大好きと言われて育った子どもは、自己肯定感が高い傾向にあります。愛情の伝え方も、ちょっとした工夫で届きやすくなるのでぜひ参考にしてみてください。
自己肯定感の高さという生きる力をプレゼントする気持ちで、日ごろからたくさん「大好き」と伝えてみてはいかがでしょうか。
ライター・保育士 Akari
0・1歳の子どもたちと笑い合い、3・4・5歳の子どもたちと語り合ってきた保育士経験を持つWebライター。おやこ生活に役立つ記事を発信していきたいと思います。コスメライターの資格取得を機に執筆を始めたので、美容Webサイトを中心に執筆中。
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