保育園や幼稚園に通うたくさんの子どもたち。
子どもがすこやかに成長するためには、愛されている安心感を持つことが大切です。
愛情いっぱいに育てられた子どもや愛情不足気味の子どもは、それぞれ傾向があるのでしょうか。
愛されて育った子どもの特徴や、子どもに愛情を伝えるポイントについて保育士ライターが解説します。
そもそも、愛されて育った子どもにはどのような特徴があるでしょうか。具体的な姿について紹介します。ただし、あくまで保育士目線でこのような「傾向がある」というものです。特徴に当てはまらないからといって、必ずしも愛情が不足しているとは言い切れません。
自己肯定感は、愛情いっぱいに育てられた子どもの姿として、もっとも大きな特徴です。
自分の存在を認めてくれる大人の存在が身近な子どもは、自分でも自身の価値を認める力が高い傾向にあります。
自分で自分を認められるので、卑屈になったり自慢したりする必要もなく、周りと円滑な関係が築けるでしょう。
基本的に褒められる経験が充実しているので、物事を前向きにとらえることができます。
否定される経験ばかりしていたら、「また怒られるんじゃないか」「間違いではないか」と悲観的になってしまいますよね。
物事を前向きに考えられるのは、愛され、認められる経験が豊富だからこそと言えるでしょう。
愛情深く育てられた子どもは、挑戦の結果にかかわらず過程から頑張りを認められた経験がたくさんあります。
そのため、たとえ結果がうまく出せなくても失敗との向き合い方が上手なので、「失敗したらどうしよう」とネガティブになることは少ないでしょう。
愛されているのは、上手くいかなくても戻ってこれる場所があるということ。愛してくれる人の存在が、心理学で「安全基地」とも呼ばれる心のよりどころとなります。
愛されていることは、考えを受け入れ尊重されていることでもあります。愛情をそそがれた子どもは幼い頃から自分で考え選択する機会を与えられているので、決断の経験も豊富。
注意したいのは、ママやパパがすべて決めて子どもに決断させないのは愛情ではないということ。思いや考えを尊重されることで、子どもは愛されている実感が得られるでしょう。
自分に自信があり間違いや失敗を過度に恐れないことも、決断がはやい理由のひとつです。
愛情深く育てられた子どもは、周りからの愛情を試したり疑ったりする必要がありません。結果として、素直で明るい性格に育つことが多い傾向にあります。
認められない苦しさから相手を茶化したり、愛してほしい感情を押し殺す必要もないので、素直に自分の気持ちを表現できるでしょう。
子どもは愛されている実感がないと、不安定な気持ちになりがち。自分は認められていないのではないかという不安から、イライラしたり感情の波が激しくなったりします。
一方で愛情たっぷりに育てられた子どもは、安定した気持ちで過ごせるのが特徴的。穏やかに過ごすことが多く、突然苛立ったり泣いたりすることも少ないでしょう。
愛情に満ちた子どもには、相手の嫌がることを行うという考えがまずありません。
そもそも幼児期の友だちへの嫌がらせは、嫉妬や自分への注目を集めたい気持ちによるものがほとんど。満たされている子どもにとって、わざわざ嫌がらせをする必要はないのです。
たっぷりの愛情をかけられ幸福を感じる経験が多いほど、心に余裕が生まれてまわりに優しくなれる傾向にあります。もちろん、愛情をかけてくれる家族のことも大切にするでしょう。
心に余裕がある子どもは、物を分け与えることにも寛容になりやすいでしょう。ママやパパが優しく接してくれる経験から、周りにも優しく接する方法を知っています。
愛情による心の充足感があり物に対する不足感が少ないことも、前向きに分かち合える理由のひとつと言えるでしょう。
自分の意見を受け入れ肯定される経験が多い子どもは、自己主張も臆せずできることが多いでしょう。
ママやパパの顔色を伺うことなく、自分の気持ちに素直に従って主張できることは大切な生きる力。
たとえママやパパと考えが異なっていたとしても、頭ごなしに否定されることはないという信頼が自己主張できる力を伸ばします。
愛情たっぷりに育てられた子どもは、自己肯定感が高く精神的な成長がはやいとも言われています。
心身ともに成長するためには、さまざまな経験をすることが必要です。子どもにとって、あらゆる経験は人生で初めての挑戦ばかり。
不安がつきものの挑戦には、心のよりどころが大切です。心のよりどころが充実しているほど、大きな壁も乗り越えやすくなると言われています。
子どもにとっては、たとえ上手くいかなくても自分を認めてくれる人がいる事実こそが心のよりどころ。
心のよりどころが安定しているからこそ、愛されて育った子どもの成長は結果的にはやい傾向にあると言えるでしょう。
愛情深く育てられた子どもは過程を含めて頑張りを認められるので、失敗をポジティブにとらえる力が育ちやすいことも理由のひとつです。
反対に、愛情不足で育った子どもにはどのような特徴があるでしょうか。一般的に、愛情が不足していると言われる子どもによく見られる姿を紹介します。
あくまでも傾向なので、必ずしも以下のような姿が愛情不足によるものとは限りません。過剰に反応せず、目安程度の参考にしてください。
愛されている実感が少ないと、自分が価値のある存在だと思えなくなるのは当然のこと。
自分に自信が持てず、いつも周りの顔色を伺うようにもなるでしょう。前向きな考え方や、新しいことに挑戦することが苦手な傾向もあります。
自分のことを見てほしいという思いが、赤ちゃん返りとして表れることもあります。本人も気付かないうちに、指しゃぶりをしたり幼い行動を取ったりすることも…。
もっと愛情が欲しいという気持ちから見られる、愛情不足の子どもに多い行動です。
愛情不足の子どもの根底にあるのは、愛されたいという気持ち。
愛を感じられない不安やいら立ちから攻撃的になったかと思うと、ふと我に返り「もう愛されないのではないか」と急に甘えだすことがあります。
自分は愛されない存在だと思い込んでいれば、優しくされると戸惑いから攻撃的になることもあるでしょう。
大切なわが子だからこそ、愛情不足になっていないか心配にもなりますよね。大丈夫かな?と気になったときには、子どもが出すサインを気にかけてみるのもひとつの手です。
愛情深く育てられた子どもには心の余裕があるので、情緒が安定している特徴があります。周りへの優しさや、前向きな姿が見られるでしょう。
赤ちゃん返りのような行動は、代表的な愛情不足のサインといわれています。
いたずらのように「それでも自分を愛してくれるか」と試すような行動をしたり、ママやパパ以外の大人に愛情を求めたりすることもあります。
愛される経験が充実し、心が満たされている子どもは反抗期も穏やかな傾向にあります。健全な成長の証として、親離れして自立しようとする姿も見られるでしょう。
愛されている実感が少ないと、周りからの関心を引くために目立つ行動を取りがちです。
自分は受け入れてもらえない、誰にも分かってもらえないという気持ちから、学校や親を敬遠する姿も見られることがあります。
誰しもわが子を愛しているものですが、大切なのは愛情を表現して伝えること。子ども自身が、自分は愛されていると感じることが必要です。
子どもが愛情を実感するためには、伝え方にコツがあります。愛情を十分伝えるために心掛けたいポイントを紹介します。
肌と肌でふれあったり「大好きだよ」と言葉にして伝えたりすることは意外と忘れがちではないでしょうか。伝えているつもりでは伝わらないこともあります。
子どものためを思ってアドバイスするときには、頭ごなしに否定するのではなく「あなたが大切だから」と理由を説明するだけでもまったく違いますよね。
親として頑張りすぎることも要注意。いつのまにか自分や周りに厳しくなり、子どもは「これができないと認められない」と条件付きの愛情しか実感できなくなる可能性があるので注意しましょう。
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子どもは愛されている実感が得られるだけで、心の育ちに大きな影響があります。愛されていると実感するためには、わが子を大切に思う気持ちを持っているだけでなく伝えることが大切です。
ぜひ接し方のポイントを参考にして、子どもにたっぷりの愛情を伝えてみてくださいね。
ライター・保育士 Akari
0・1歳の子どもたちと笑い合い、3・4・5歳の子どもたちと語り合ってきた保育士経験を持つWebライター。おやこ生活に役立つ記事を発信していきたいと思います。コスメライターの資格取得を機に執筆を始めたので、美容Webサイトを中心に執筆中。
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