保育士がアップデートし続けている「子どもの性の発達」の基礎知識

保育士がアップデートし続けている「子どもの性の発達」の基礎知識
「これって普通のこと︖」子どもの性に関する行動に戸惑ったことはありませんか︖ 実は、性の発達には一定の段階があり、それぞれの時期の特徴を理解することが大切なのです。保育現場で子どもの成長に向き合う中で得た、性の発達についての基礎知識をわかりやすくお伝えします。親子で学び、ともに育っていくヒントになれば幸いです。
目次

「うちの子、最近、自分の性器を触るようになって…」「お友だちと『ママごっこ』をして、赤ちゃんのお世話をしているみたい」

子育ての中で、こんな子どもの性に関する行動に戸惑うことはありませんか︖ 実は、子どもの性の発達には一定の段階があり、それぞれの時期に見られる特徴があるのです。保育現場で子どもの成長に向き合う中で、性の発達についての理解を深め続けている保育士の視点から、その基礎知識をお伝えします。

1. 子どもの性の発達段階とその特徴

子どもの性の発達は、大きく分けて以下のような段階を経ると言われています。

  • 乳児期(0〜2歳)︓自分の性器に興味を持ち始める
  • 幼児期前期(2〜4歳)︓自分と他者の性の違いに気づく
  • 幼児期後期(4〜6歳)︓性役割に関心を持ち、ごっこ遊びで表現する

それぞれの段階で、子どもなりの性への関心が表れるのです。大切なのは、それらを自然な発達の一環として捉え、温かく見守ることです。無理に制止するのではなく、子どもの興味関心に寄り添いながら、適切な理解へと導いていくことが重要です。

2. 性教育の重要性と保護者の役割

子どもの性の発達を支える上で、性教育の果たす役割は大きいと言えるでしょう。単に生物学的な知識を教えるだけでなく、自分や他者の心と体を大切にする態度を育むことが性教育の目的です。そのためには、保護者が子どもの発達段階に合わせて、性について正しく伝えていくことが欠かせません。恥ずかしがらずに、子どもの疑問に真摯に向き合う姿勢を大切にしたいですね。

3. 子どもの性に関する行動への対応

子どもが性器を触る、性的な言葉を口にするなど、性に関する行動を目にすると、保護者は戸惑うこともあるでしょう。でも、そこであわてて叱るのは避けたいもの。「そういうことには興味があるんだね」と受け止めつつ「人前でするのはマナー違反だよ」など、状況に合わせた伝え方を心がけましょう。子どもの好奇心を大切にしながら、社会のルールを教えていくことが大切です。

4. 子どもを取り巻く環境への配慮

昨今、メディアの発達によって、子どもが性的な情報に触れる機会も増えています。保護者は、子どもを取り巻く環境にも目を配り、適切なメディアリテラシー教育を進めることが求められます。また、子どもの性の発達を支える上で、保育士との連携も欠かせません。日頃から保育園での子どもの様子を聞き、性の発達についても情報を共有していくことが大切ですね。

5. 性の多様性への理解を深める

子どもの性の発達を考える上で、性の多様性への理解も重要なテーマです。性自認や性的指向は人それぞれ。そうした多様性を尊重し、一人ひとりの個性を大切にする態度を育んでいくことが、これからの性教育には求められています。保護者も、性の多様性について学び、偏見のない見方を子どもに示していけるよう努めたいですね。

まとめ

子どもの性の発達は、乳児期から段階を経て進んでいくもの。それぞれの時期に見られる行動の特徴を理解し、子どもの成長を温かく見守ることが何より大切です。そのためには、保護者自身が性教育の重要性を認識し、子どもの疑問に真摯に向き合う姿勢を持つこと。そして、保育士をはじめとする専門家とも連携しながら、子どもの健やかな発達を支えていくことが求められるでしょう。

保育現場で子どもと向き合う私たち保育士も、性の発達についての理解を深め続けることが必要不可欠なのです。子どもたちの成長に寄り添いながら、保護者の方々とも手を携えて、より良い性教育の在り方を模索していきたいと思います。一人ひとりの子どもが、自分らしく、のびのびと成長できる社会を目指して…。

ライター/監修:でん吉 (保育士資格)

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執筆者

保育士 でん吉

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