幼児期の「吃音」への向き合い方｜専門家と連携した適切なサポート

幼児期に見られる「吃音」に戸惑いを感じているママやパパも多いのではないでしょうか。 吃音は、適切なサポートによって十分に改善が見込まれる課題です。

大切なのは、吃音の特徴を理解し、子どもの気持ちに寄り添いながら、専門家と連携してアプローチすること。 保育の現場で吃音のある子どもたちと向き合ってきた経験をもとに、サポートの在り方をお伝えしましょう。

一人ひとりのペースを大切に、子どもの健やかな成長を後押ししていく一助となれば幸いです。

1. 吃音の特徴を理解する

まずは、吃音の特徴を正しく理解することが大切です。

吃音は、言葉の繰り返しや引き伸ばし、言葉が出ない等の症状として現れます。 幼児期は、言葉の発達の個人差が大きい時期。 吃音のような症状が一時的に見られることも少なくありません。

園では、子ども一人ひとりの言葉の発達を丁寧に見守りながら、吃音の可能性にも目を配るようにしています。 ご家庭でも、言葉のつまずきを過度に心配せず、子どもの特性として受け止める視点を大切にしたいですね。

2. 子どもの気持ちに寄り添う

吃音のある子どもへの向き合い方で何より大切なのは、子どもの気持ちに寄り添うこと。

言葉がスムーズに出ないもどかしさ、周りの反応が気になる不安な思い。 子どもなりの葛藤に気づいてあげることが何より重要です。

園では、子どもの言葉を最後まで丁寧に聞き、言葉以外の表現も受け止めるよう心がけています。 「ゆっくり話してごらん」と優しく促したり、「上手に伝えてくれたね」と努力を認めたり。

子どもが安心して言葉に向き合えるよう、あたたかなまなざしを送り続けることが肝心です。

3. 専門家と連携する

吃音のサポートには、専門家との連携が欠かせません。

医療機関の受診を含め、言語聴覚士などの専門家からアドバイスを受けることをおすすめします。 園でも、気になる子どもの言葉の様子を記録し、保護者の方々と情報を共有するようにしています。

必要に応じて、専門機関を紹介することもあります。 専門家の助言を受けながら、園と家庭が連携してサポートの方針を立てていくことが大切。

子どもの症状に合わせた適切なアプローチを、みんなで模索していきましょう。

4. 日常の関わりを工夫する

吃音のある子どもへの日常の関わりも、とても大切なポイントです。

ゆったりとした雰囲気で会話する、子どもの話に耳を傾ける、ゆっくり丁寧な言葉づかいを心がけるなど、ちょっとした工夫が子どもの言葉への自信につながります。

園では、絵本の読み聞かせや歌遊びを通して、言葉の抑揚やリズムに親しむ経験を大切にしています。 ご家庭でも楽しみながら言葉に触れる時間を作ってみてくださいね。

子どもの言葉への興味関心を育む関わりが、吃音の改善への第一歩となるはずです。

5. 子どもの可能性を信じて見守る

何より大切なのは、吃音のある子どもの可能性を信じて、温かく見守ることです。

吃音は、適切なサポートと成長に伴って、十分に改善が見込まれる課題です。 焦らずに、子どものペースに合わせてサポートしていくことが肝心です。

園では、吃音の有無に関わらず、一人ひとりのありのままを認め、その子らしさを伸ばすことを大切にしています。 ご家庭でも、子どもの小さな成長を喜び合える関係性を育んでいってくださいね。

ゆっくりでも着実に、子どもは言葉の力を身につけていけるはず。 今できることを大切に積み重ねていく営みを、いつも子どもの味方でいられますように。

まとめ

幼児期の吃音は、子どもの言葉の発達の個人差と捉え、ありのままを受け止めることから始まります。 子どもの気持ちに寄り添いながら、専門家と連携して適切なサポートを行うこと。

日常の関わりを工夫しながら、子どもの言葉への興味関心を育むこと。 そして何より、子どもの可能性を信じて、温かく見守り続けること。

その積み重ねが、吃音のある子どもの健やかな成長を後押ししていくのです。

ライター/監修：でん吉(保育士)