なぜ筆算にものさしを使わないといけないの?意味のないようなルールに隠れたたくさんのメリット

なぜ筆算にものさしを使わないといけないの?意味のないようなルールに隠れたたくさんのメリット
元・小学校教員の、かなです。子どもが学校で受けた指導に納得いかず、SNSなどにアップされる方がいらっしゃいます。算数で習った筆算をかくときに、ものさしを使わず減点されたという話題についてまとめました。
目次

筆算で計算するのにものさしは必要?

筆算の線を引くのに、大人はものさしを使いませんよね。

計算ができればよいのですから、子どもが筆算の宿題をするときにものさしを使わなくても、なんとも思わないでしょう。 初めて筆算を習う2年生にとって、ものさしでいちいち線を引くのは時間のかかる作業です。 線に時間をかけるよりは、たくさん問題を解いたほうがよいのではという考え方もできます。

それではなぜ、ものさしを使わないと筆算が減点されてしまうのでしょうか。

筆算にものさしを使わせるメリット

筆算でものさしを使う分かりやすいメリットは、ノートがきれいに見やすくなることですよね。 位がずれることによる計算ミスもふせぐことができます。

意外と知られていない隠れたメリットは、ものさしを使うことによって作図が上手になることです。 2年生の算数ではものさしを習いますが、直線を引くのは子どもにとってとても難しいこと。 筆算のときにものさしを使っていると、引きたいところに正確な長さで直線が引けるようになってきます。 はじめは時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると一瞬で引けるようになってくるので、筆算が遅くなることもありません。

小学校では、一つのことをさせることで、その他の力もつけようと指導をすることがよくあります。 「タイムパフォーマンス」重視とでもいいましょうか。 先生の細かな指導が実は別の力も伸ばすものだったということはよくあるのです。 筆算でものさしを使う理由を小学校教員にきけば、作図だけでなく手先の巧緻性、集中力や注意力など、ここに書き切れない意図が出てくると思います。

なぜ減点までして線を引かせるのか

だからといってプリントやテストで減点までしなくても、と思う方もいらっしゃるでしょう。

めんどうなことは「やりましょう」といってもやらないのが大部分の小学生。 「やらなくてもいいや」と思う子も、やり直しから逃げられないとわかるとがんばれるのです。 やり直しをさせたり直っているか確認したりするのは、担任にとって実は手間がかかります。 それでも何年後かに、今の努力が役に立つだろうと信じて指導しているので、親御さんが理解をしてくださると助かるのです。 意味がなさそうなことでも、子どもを伸ばすために大切なことだとわかると、わが子にはちゃんとやってほしいと思いますよね。

※もちろん計算をする力は線を引く力とは別に評価されているはずです。

おわりに

教員のSNSでも、全ての筆算でものさしを使わせることには否定的な方もいます。しかし低学年では、ものさしを使わないと減点されるくらい徹底しないと筆算もものさしも上手になりません。お子さんの先生の指導が細かすぎると感じたときには、どんなメリットがあるのか質問をされるといいですよ。

ライター/監修:かなせんせい (・小学校教諭専修免許状・幼稚園教諭第一種免許状・中学校教諭第一種免許状(理科)・高等学校教諭第一種免許状(理科)・図書館司書教諭)

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監修者

・小学校教諭専修免許状/幼稚園・中学校(理科)・高等学校(理科)教諭第一種免許状/図書館司書教諭免許状資格 かなせんせい

小学校に15年勤務し、教員として子どもや親御さんとかかわってきました。教え方や自分の子育ての経験を保護者に伝えたときに喜んでもらえた経験から、退職してからもライターとして活動しています。

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