「生きる力」って何？新しい教育指針をわかりやすく解説

新教育指導要領の公示

文部科学省は2020年3月、約10年ぶりに学習指導要領を更新しました。

この変更は、急速に進化する技術やグローバル化に伴う社会構造の変化に対応し、子どもたちがこれからの時代を生き抜くための「生きる力」を養うことを目的としています。

教科書選定から授業の進め方に至るまで、学校教育の指針となる重要なものです。

「生きる力」という言葉が盛り込まれたこの新しい学習指導要領では、知識や技能だけでなく、思考力、判断力、表現力といった能力を総合的に育成することが強調されています。

具体的には「知・徳・体」という三つの柱を兼ね備え、バランスの取れた力を有することを指します。

これは、一人の人間として、そして社会の一員として、豊かな人間性を培い、多様な状況に適応し、判断し、行動できる能力のことを言います。

この新指導要領のもと、各教科における教育内容はどう変わったのでしょうか。

特筆すべきは、言語力や理数系の能力をさらに育むこと、外国語教育の充実、伝統や文化に関する教育への注力、体験活動などの充実にあります。

また、小学校からのプログラミング教育の必修化など、時代に即した教育改革が具体的に行われています。

学校教育だけで「生きる力」を育むことは不十分です。

家庭での関わりや教育も非常に重要です。

日常生活の中で、子ども自身に自立心を育て、心身共に健康でバランスの取れた人間性を養う環境を整える必要があります。

例えば、規則正しい生活習慣の確立、家事への参加、テレビやゲームの時間を管理するなど、生活全般にわたるさまざまな取り組みが挙げられます。

「生きる力」を育むためには、学校、家庭、また社会全体としての支えが必要です。

今回の学習指導要領の改訂は、子どもたちが未来を生き抜くための大切な一歩です。

教育の場だけでなく、日々の生活の中で子どもたちが多様な経験を積み、自ら考え、行動できるよう支援していくことが大切です。

（おやこのへや編集部）