【小1の壁】子どもにとっての「壁」はどんなこと?入学後の3ヶ月間をまず乗り切るために準備しておきたいこと

【小1の壁】子どもにとっての「壁」はどんなこと?入学後の3ヶ月間をまず乗り切るために準備しておきたいこと
春から小学校入学を控えているママ・パパ注目!大人がいなくても通学できるのか、勉強や宿題ができるのか…期待と同じくらい不安も尽きませんが、今のうちにやっておくべきことはあるのでしょうか?入学前に知っておきたいことを解説します!
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あっという間にわが子も小学生!子どもの成長に一喜一憂しながらも春の入学を心待ちにしているママ・パパは多いのではないでしょうか?

編集部員Aも春から小学生になる息子を子育て中ですが、楽しみな反面、不安もいっぱい。帰りがかなり早いし仕事との両立はできるのか…。子どもは授業を集中して受けることができるのか…。などなど。

こうした入学を機に発生するさまざまな悩みは「小1の壁」といわれていますが、今のうちに対策できることはあるのでしょうか?

今回は横浜市で学童保育をしている認定NPO法人あっとほーむの代表理事・小栗ショウコさんに、小1に上がる前にやっておいたほうがいいこと、また、考え方について伺いました。

親自身が子どもにとって壁になってしまうことも

よく相談される「小1の壁」にはどんなものがありますか?

おやこのくふう編集部 編集部

よく「小1の壁」という言葉を聞きますが、その内容をママ・パパに詳しく確認してみると、聞こえてくるのは、親から見た壁ばかりです。

具体的には仕事との両立、準備する学校の道具が多い、夏休みどうしよう…などなど。なぜならこれらは親にとってイメージしやすいから。でも、子どもにとっての壁もたくさんあるんです。

たとえば、子どもにとって入学後すぐ直面するのが体力面での壁。 保育園や幼稚園ではこれまで自分が年長だったのに対して、小学校は6年生まで自分より大きい子どもたちがたくさん!さらに授業を受けたりと新しい経験をすれば、帰る頃にはヘトヘトになっています。 そんな状態のまま習い事に行ったり、学童やおうちで気持ちを切り替えて宿題に取りかかったりすれば体力的にもしんどいことは間違いありません。

また「保育園の年長の時は穏やかだったのに、小学校になると子どもがキレやすくなった」という声をよくママ・パパから聞きますが、先にお伝えしたとおり、子どもはとても疲れています。そんな時に保護者の「宿題はやった?」といった何気ない一言に子どもがキレてしまうというパターンもあるようです。 冷静に考えたらついこの前まで幼稚園や保育園で過ごしていた子どもに対して、求められることのハードルが上がりすぎているんですね。

この時期気をつけるべきは「自己肯定感」

小1の時にあらゆる面での成長を期待するのではなく、大人になるまで何年もかけて少しずつ社会性などを身につけていくものだと考えましょう。

その上で、小学校に入りたての子どもにとって気をつけておきたいのは「自己肯定感」の低下です。 この時期にしっかり自己肯定感を高めておけばその後の勉強や学校生活がより良いものになります。

しかし、親としてはついつい「まだ宿題やってないの?」「小学生になったんだから」「他の子はできているのに」などの言葉を投げかけたり気にしたりしがち。 まずは、子どもがとても疲れていることを理解すること。その上で、子どもの姿を見守りながら、ちゃんと頑張っている姿をほめてあげましょう。

また、親としてやってしまいがちなのが、他人の前で子どもの話をする時のこと。 「うちの子はまだまだ全然できてないんです〜」などとつい謙遜してしまいがちですが、子ども自身は親が謙遜しているかどうかを理解することなんてできません。

場合によっては言葉をストレートに受け止めて傷ついてしまうことも。ママ友の前で過剰にほめる必要はありませんが、親族の集まりなどではしっかりと子どものことをほめてあげるようにしましょう。

学校生活への5つの不安はこうやって対策すべし!

学校生活を送る上で、今からやっておくべきことはありますか?

おやこのくふう編集部 編集部

まずは具体的な学校生活の中で出てくる不安な要素について解説していきます! 特に入学から夏休みまでの約4ヶ月間にむけて、今からすぐに実践できることをご紹介しますね。

1.通学路は一緒に散歩しよう

生活の変化についての不安の中で、特に大きいのが子どもだけの通学について。 これまで常に大人と共に行動をしていたのに、小学校からは重たいランドセルを背負って子どもだけで移動することになります。

事故にあわないか、道に迷わないか…とヒヤヒヤしながら送り出すことになりそうですが、ぜひ入学前に通学路を歩く練習をしてみてください。 荷物を持ってお散歩すれば体力がつき、ランドセルを背負って移動する再現になります。 また、一緒に道を観察しながら歩けば通学路は入学前の時点で「子どもにとって知っている場所」になります。

ただ歩くだけでなく、“​​こども110番の家”のステッカーを住宅街で見かけたら、「何か困ったことがあったらここの家の人に声をかけるんだよ」など、通学路の中で知っておくといい知識なども一緒に教えてあげると良いでしょう。

2.寝坊させない起床の習慣を作るには?

保育園であれば予定より時間が過ぎていても怒られることはあまりありませんが、小学校ではきちんと時間で管理されます。 朝が弱い子には早起きする習慣を身につけさせましょう。

おすすめは、明日から毎日1分ずつ早く起きる方法!目覚まし時計の設定を毎日1分ずつ前倒しすることで無理なく早起きの習慣をつけられますよ。

3.時間感覚の身に付けかた

小学校からは時間割があり、これまで以上に時間に合わせて行動していく必要が出てきます。 意外と知られていませんが、入学予定の小学校のホームページを見れば、時間割や年間スケジュールを確認できることがあります。

もし時間割が見れたら、その通りに家でも過ごすようにしてみましょう。 9時ごろになったら、「今から授業が始まるねー」と声をかけたり、お昼の時間に合わせてごはんを用意してみたりすることで、子ども自身も学校生活のリズムをイメージしやすくなります。

4.学習・読書する習慣は親も一緒に

すでに保育園・幼稚園のころからひらがなや数字の学習をしている子も多いと思いますが、小学校に上がっても自然に学習する習慣をつけるには親が一緒に勉強をするのがコツです。 「お母さんは隣でお仕事を頑張るから、●●●くんも一緒に足し算の練習してみようか」と、何をするか決めて5分だけでもいいので取り組んでみましょう。 家族で何かに取り組む時間を決めると、子どもも一緒に集中してやってくれますよ。

また、これは経験則ですが読書の習慣がある子は勉強で成績が伸びる子が多い印象があります。 ぜひ、子どもが見えるところで親が本を読むようにしましょう。親が楽しそうに読んでいれば、子どもはそれに興味が湧き読みだしますよ。 最初は漫画でもなんでも構いません。文字を読む癖をつけてあげれば十分です♪

最大の難関!「夏休み」の過ごし方

最初の4ヶ月をクリアできたら、次の難関はママ・パパが1年を通して最も恐れている「夏休み」ではないでしょうか。 毎日お昼ご飯を作ってあげて、仕事をしながらどうやって面倒をみようかと悩む方も多いと思いますが、結論からいうと「小学生は親が無理に一緒に過ごさなくていい」です!

夏休みともなれば、学童のイベントでキャンプや合宿などのイベントが行われていたりすることがあるので、ぜひそういったイベントにどんどん参加させましょう。親も楽になりますし、子どもにとっても非日常のとても良い体験になりますよ。

お泊まり会をしてみる

まだコロナの影響でどうなるかはわかりませんが、お友だちを招待してのお泊まり会はおすすめです。 夏休みは1ヶ月ほど。入学してせっかく仲良くなったのに、すぐに1ヶ月間会えずに過ごすのは子どもにとってはかわいそうですよね。 入学後に仲良くなった子とお泊まり会を開催してあげれば、より仲が深まり、夏休み明けに学校に行く不安もなくなりますよ。

祖父母のいる実家に預けっぱなしにしない

夏休みといえば、祖父母に会いに行くという家族も多いでしょう。しかし、長期間の預けっぱなしは禁物。どうしても孫相手だと甘やかし過ぎてしまいますし、夏休み後に体重が大幅増加しているなんてことも…。

力を入れ過ぎないこと、気にし過ぎないこと

入学前は説明会のほか、準備しなきゃいけないものがたくさんあったり、プリントの説明も細かすぎてわかりにくかったりと、親としては気が張り詰めることが多いでしょう。

それもこれも「小1の壁」を意識しすぎるあまり、なんでもしっかりしないと!とつい考えてしまうからなのかもしれませんが、そこまで気にしすぎる必要はありません。 むしろ、「小1の壁」が話題に上がりやすいのは以前に比べて完璧主義の親が増えてきているからかもしれません。

意外と子どもはしっかりしていて、親が困っていても自分のことは自分でしっかり準備をすることもありますし、もし何かを忘れたり間違っていたとしてもいちいち気にせず、次は気をつけようと思えたらそれでいいんです。 何かわからないことがあればどんどん先生に聞きましょう。

***

今回は小一に上がる前までにやっておけばいいことをご紹介しました。 第一子を育てていると、「自分が子どもの時はどうしてたっけ?」とつい回想しながら判断するシーンも多くなりがち。小栗さんによると、そういった時に「自分の時はできてたけどなぁ」と多くの親が思うのだそう。

でも大抵の場合、大人は自分ができていなかったことを覚えていないだけなんだとか。 自分の時はできたのに!なんて思わずに、失敗したときのこともよくよく思い出しながら、子どもと接するようにしたいですね。

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お話を伺った方

認定NPO法人あっとほーむ代表 小栗ショウコ

働く女性支援のため1998年からお迎え付き夜間保育を開始し放課後児童クラブも併設。子育て支援者育成事業など活動は多岐に携わる。内閣府、県、市、企業からの表彰歴、メディア取材多数。

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