仲裁せず最後までやりきらせる?低い声で「どうしたの?」が効く!?【きょうだいゲンカを子どもの成長につなげる方法】
家庭教育アドバイザーのTERUさん解説のもと、子どものケンカを成長につなげる方法を学ぶシリーズ第2弾。前回の記事では、子どものケンカに対する親の基本スタンスとして見守る大切さを解説しました。
今回は、見守りの際に親がとるべき立場と、ケンカを子どもの成長につなげる声かけのポイントを解説します。
「お兄ちゃんがおもちゃとった!」とか「妹が私のお人形にお水こぼした!」といった「相手が悪い」という主張に対して、親が「それはいけないね!お兄ちゃんだめでしょ!」のようにどちらが悪いかのジャッジをしてしまった経験はありませんか? 実はこれがケンカをヒートアップさせてしまう原因の一つです。
もし本当に兄が悪いことをしていたとしても、大好きなママ・パパに「あなたが悪い」と言われたら悔しい気持ちになります。 そしてその悔しさが、またきょうだいをいじめてしまう要因になるのです。
子どもは親に言われなくても自分が悪いことをしたと分かっているものです。ですから、親が余計なジャッジをする必要はありません。
ではどうすればいいのかというと、子どもの「相手が悪い」という主張に対して、親がすべきは共感です。
例えば子どもが「お兄ちゃんがおもちゃとった!」と言ってきたら、「そっか、おもちゃをとられて嫌だったんだね」と子どもの気持ちに共感する言葉をかけてあげましょう。 それに対して兄が「弟が先におもちゃをとったんだ」と逆の主張をしてきたら、また「そっか、先におもちゃをとられて嫌だったからやり返しちゃったんだね」と共感の言葉だけを伝えます。
親は、基本は自分たちで解決するように促して見守りながら、子どもの主張に対してはジャッジせずに共感する。 これを繰り返していくと、子どもは次第に自分たちだけでその場を収めることができるようになっていきます。
親がどちらか一方の味方になるからケンカがヒートアップしてしまうものです。親はどちらが悪いかをジャッジするのではなく、そして被害者の味方になるのでもなく、中立な立場でお互いの主張に共感するのが大切です。
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ケンカを見守るときは、ジャッジせずに共感する。ケンカで興奮している子どもの言葉に釣られてついジャッジしてしまいがちなので、意識して言葉を選んでいきたいですね。次の記事では、声かけのほかに大切な親の態度と、ケンカがヒートアップしてしまったときの対応について解説します。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
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ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
ケンカ中に、子どもが「相手が悪い」と主張してくることがよくあります。