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「非認知能力って?」どこよりもわかりやすく解説!

「落ち着きがない」=「好奇心がいっぱい」。わが子の非認知能力を伸ばすのは親のとらえ方次第

「落ち着きがない」=「好奇心がいっぱい」。わが子の非認知能力を伸ばすのは親のとらえ方次第
「非認知能力」とは、これからの時代を生き抜くために欠かせない、幼児期から意識して伸ばしていきたい力。教育方法学の専門家・岡山大学の中山芳一先生に、非認知能力とは何か、非認知能力の伸ばし方を、連載で教えていただきます。
目次

子どもの非認知能力を伸ばすための親の関わり方を、岡山大学の中山芳一先生にやさしく教えていただくこの連載。
これまで、子どもの非認知能力を伸ばすには、まずステキな姿をしっかりキャッチする(見取る)ことが必要で、そのために親は心の「レンズ」を持ちたいということ。また、親自身がどんなことに価値を置いているのか、それが非認知能力に関することであるかを今一度振り返っておくことが大切だとわかりました。

結果だけでなく、非認知能力である心や姿勢に価値をおきたい

前回はわが子のステキな場面を発見するためには、親の側がどのようなことに価値を置いているのかが大事だとお伝えしました。
非認知能力は、よく「心」や「姿勢」といった内面の力として置き換えられることがあります。
つまり、わが子が何かを取り組んでいるときに、それができたかどうか(結果)だけに価値を置くのではなく、そのときの「心持ち」や「取り組む姿勢」に価値を置くことができるとよいですね。

それができれば……おめでとうございます!
「非認知能力レンズ」を見事に持つことができました!

そこで、今回はこのレンズをさらに磨きましょうというお話です。

いま、みなさんはわが子が非認知能力を発揮しているステキな場面に遭遇したとします。これは、みなさんがすでにレンズを持っているからこそ遭遇できたわけですね。

「へこたれずに続けているわが子」
「やる気いっぱいでテンション上がり気味のわが子」
「お友だちに『かぁしぃて!』と言って物を借りているわが子」
…いろんなわが子の姿を見取ることができそうです。

しかし、実はこの先があるんです!

例えば、虫眼鏡で物を見るとき、ピントを当てるとさらに見えやすくなったり、より細かく見ているうちにやけにキレイに見えてきたり…といった経験はありませんか? 
実は、こうした経験と同じようなことが起きるのが、レンズに磨きをかけた状態なのです。

今回は、非認知能力レンズに磨きをかけた2つの状態を紹介しておきましょう。

子どもが"何気なくやっていること"をほめられるように

一つ目は、わが子がまったくといっていいほど自覚していなかったステキな場面であっても、親が見取っている状態です。

例えば、子どもがお絵描きをしていたとしますね。

まず、一般的な親たちは、「上手に描けているねぇ~」とほめます。
上手に絵を描くことに価値を置いた親が、そこをほめるわけです。とてもシンプルですね。

次に、非認知能力レンズを持った親たちは、「すっごく楽しそうに絵を描いてるねぇ~」とか「とても一生懸命に描いてるねぇ~」などとほめます。
上手に絵を描くこと以上に、その最中のわが子の心や姿勢(つまり、非認知能力)を見取っているわけです。この違いはとてもわかりやすいですね。

それでは、さらにレンズに磨きをかけた親はというと…。
例えば、「色鉛筆をきれいに並べているね~」「描き終わった後の紙を上手に片付けられているね~」といったことまで見取ってほめてあげられるのです。
これらは、実は子どもからすれば何気なくやっていることが多いんです。しかし、その何気なくやっていることさえ「ステキ!」とほめてあげられること…、何よりそんなところまで見取ってあげられていることが、まさにレンズに磨きをかけた親なんです! 

こんなことまでほめてくれて、喜んでくれる親のそばで、きっとわが子は「もっとそれをやってみよう!」と思うことができるでしょうね。

わが子の姿をプラスのとらえ方で受け止める

二つ目は、一つ目のように気づきにくい姿を見取るのではなく、わが子の姿をしなやかに見取っている状態です。

例えば、私が子どもの頃もそうでしたが「落ち着きのない子ども」っていますよね。
しかし、この子を「落ち着きのない」と見取るのか、「好奇心がいっぱい」と見取るのかによって、正反対の意味になります。

それでは、「物静かでおとなしい子ども」はどうでしょう?
それこそ「落ち着きのある子ども」として見取ることができそうです。

レンズを持って見取った姿を、どのような意味のある姿として見取るのかは、私たちの主観なのです。
だからこそ、マイナスにとらえがちな姿を固定させずしなやかに、プラスへとらえることだってできます。
専門用語で「リフレーミング」といわれる認識の方法です。

このような2つの状態にまでレンズを磨いてわが子を見取ってみませんか?
きっと、わが子のとらえ方が思いっきり豊かに変わっていきますよ!!

「やさしくわかる非認知能力」今回までのポイントまとめ

  • 子どもの非認知能力を伸ばすには、子どもが非認知能力を発揮しているステキな場面をキャッチしてほめてあげよう
  • 子どものステキな場面を発見するには、親は心の中に「非認知能力レンズ」を意識してもつことが大切
  • 親は子どものどんな姿に価値を置くかを自身ではっきりさせておくことが必要
  • 子どもが何気なくやっていることをしっかり見取ってほめよう
  • マイナスにとらえがちな子どもの姿も、しなやかな視点でプラスにとらえよう
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執筆者

岡山大学准教授 中山 芳一

1976年岡山県生まれ。岡山大学 全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のためのキャリア教育に取り組むとともに、幼児から小中高学生の各世代の子どもたちが非認知的能力やメタ認知能力を向上できるように尽力している。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありき」の研究をモットーにしている。『家庭、学校、職場で生かせる!自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(ともに東京書籍)ほか著書多数。最新刊は監修をつとめた『非認知能力を伸ばすおうちモンテッソーリ77のメニュー』(東京書籍)。

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