私の名前はみさ子、55歳。
地域有数の大企業の社員食堂で働いています。
同僚にも恵まれ、忙しいながらも楽しく働いていたのですが、最近、ある悩みを抱えていました。
「おい、B定食って言ってんだろ! 早くしろよ、本当に使えないな」
最近移動してきた社員のたくやさんと、あやかさん。
二人はなぜか私たち食堂の職員に、毎日辛く当たってくるのです。
「普通に働けないから食堂で働いてるってことか」 「言えてる。さすが、たくやくん天才」
聞くに堪えない暴言を繰り返す二人に、私はついに宣告しました。
「申し訳ございませんが、そのような言動が続くようであれば、こちらでお食事を提供することはできません」
「はあ? たかが食堂の職員にそんな権限あるわけないだろ! やれるもんならやってみろや!」
二人はそう言って去っていきましたが、私は決意していました。
「人を見下したらどうなるのか、見せてあげましょう」と。
翌日、本当に食事の提供を拒否すると、二人は他の社員の目もある中で、しぶしぶ頭を下げてきました。
「…悪かったよ。はい、これで満足か!」
「申し訳ありませんでした」
「分かってくだされば結構です。ただ、次はありませんよ」
こうして一件落着かと思われましたが、本当の悪夢はここから始まったのです。
その翌日から、食堂が何者かに荒らされるようになりました。返却口の横の机が汚され、せっかく洗ったお皿の上に残飯がぶちまけられる。
他の人の目につきにくい場所を狙った、陰湿な嫌がらせでした。
「これ、絶対この前の二人ですよ! みさ子さんに説教された腹いせに…」
同僚たちも、私も、犯人はあの二人だと確信していましたが、証拠がありません。
そんなある日、私は夫の正明に一連の出来事を相談していました。
「…それでね、実は疑ってるうちの一人、たくやさんって言うんだけど、彼、多分…」
私は、彼の顔に見覚えがあることに気づいたのです。
後日、高校時代からの親友・みどりとお茶をしている時、私はその点と点を繋げました。
「…実はその、つっかかってきた社員のたくやくんがね…」
私の話を聞いたみどりの顔色が変わりました。
そう、全てはここから始まったのです。
数週間後、社内交流会の日。
社長や役員も利用するためか、たくやさんとあやかさんは、別人のように愛想よく私たちに話しかけてきました。
「ここのご飯は本当に美味しくて、毎日働く活力になってるんですよ」
その態度に反吐が出そうになるのをこらえ、私は二人に静かに告げました。
「猫かぶってるところ悪いけど、君たち、今日で終わりね」
「はあ!? 終わりってどういうことですか!」
私が合図をすると、食堂のモニターに映像が流れ始めました。
それは、二人が食堂で嫌がらせをしている一部始終を映した、防犯カメラの映像でした。
「な、なんでこんなの撮ってるんだよ! プライバシーの侵害だろ!」
「何度注意しても続いたので、最終手段として設置したまでです。これは当然の措置だと思いますが?」
「で、でも、この映像が本物だっていう証拠はないだろ! 誰かが合成で作ったんだよ!」
「ああ、それなら…」
私が次に再生したのは、以前二人が暴言を吐いていた時の音声記録でした。
言い逃れのできない証拠を前に、二人は青ざめます。 その時、食堂の奥から一人の男性が歩いてきました。
「さっきから何の騒ぎだ。食堂の外まで声が響いていたぞ」
この男性の登場で、事態が大きく動くのでした。
イラスト:嫁子のスカッと漫画
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