私の名前は嫁子、35歳の会社員。
私には昔から、カスミという可愛くてわがままな幼馴染がいた。
私はいつもカスミのおまけ扱いで、彼女に逆らえないまま高校生になった。
そこで、高屋くんという彼氏ができたが、これが悲劇の始まりだった。
ある日、私はカスミと高屋くんに呼び出された。
「嫁子ちゃん、俺と別れてくれ。君よりカスミの方が好きになっちゃったんだ」
「高屋君、もう私のものなの。邪魔者はさっさと身を引いてね」
突然のことに呆然とする私に、カスミは勝ち誇ったように笑う。
しかし、私は彼女に一つだけ事実を伝えた。
「じゃあこれからは、高屋くん家の花嫁修業は、全部カスミがやってね」
「え? 花嫁修業?」
高屋くんの実家はとても厳しいことで有名で、将来の嫁には厳しい修行を課していたのだ。
それを聞いたカスミは途端に顔色を変え、高屋くんを私に返そうとしてきた。
「今更そんなこと言っても遅いのよ。責任持って恋人になりなさい」
私はそう言い放ち、二人との縁を完全に切った。
その後、私が立ち去った後、高屋くんはカスミに
「今のやり取り、録音させてもらった。これ以上、嫁子ちゃんに関わるな」
と釘を刺してくれていたらしい。
それから十数年後。
35歳になったカスミは、恋人に振られ、お金も住む場所もない、落ちぶれた生活を送っていた。
そんな時、偶然にも成功者然とした高屋くんと再会する。
「高屋くん、久しぶり。私のこと覚えてる?」
「お前、カスミか…。自分が何やったのか覚えてないのか?」
「私にはまだ武器があるのよ。嫁子ちゃんの恥ずかしい写真、まだ私持ってるの」
そう、カスミは私の偽物の恥ずかしいコラージュ写真を盾に、高屋くんに結婚を迫ってきたのだ。
「分かったよ。結婚するから、嫁子には手を出すな」
高屋くんは、私のためにその要求を呑んだように見えた。
カスミは、面倒な結婚式の準備をすべて高屋くんに丸投げし、私を招待することまで要求した。
私の悔しがる姿を見るために。
結婚式当日。
私は準備中のカスミの前に、普段着で現れた。
「あれ、嫁子じゃん。元彼の結婚式に来るとか、マジウケる。あんたの席、ないから」
見下して笑うカスミに、私は静かに、そしてはっきりと告げた。
「大丈夫。神父は私だから」
「はあ!? あんた何言ってんの!?」
「高屋君と結婚するのは、私なの。今ここで改心して帰るなら、恥はかかせないで済ませてあげる」
「あんた、現実が受け入れられなくて妄想に走ってるんでしょ!?」
カスミは私を可哀想な女だと笑い、私はその場を立ち去った。
しかし、これは全て、壮大な復讐劇の始まりに過ぎなかった。
数時間後、チャペルでの結婚式。
カスミは、列席者の中に白いドレスを着た私の姿を見つけ、怒りに震えていた。
やがて、誓いの言葉の時間になる。
「あなたは、ここにいるカスミを、生涯の妻とすることを誓いますか?」
高屋くんは、ゆっくりと口を開いた。
「いいえ。俺は永遠の愛を誓いません。俺が愛しているのは、そこにいる嫁子です」
高屋くんに呼びかけられ、私は祭壇に上がる。
「嫁子、愛してるよ。今度こそ絶対に幸せにする。永遠の愛を、君に誓うよ」
「私も愛してるわ。今までのあなたの本心を知らずにいて、ごめんなさい」
私たちが愛を誓い合う姿に、カスミが絶叫した。
「どういうこと! 今日は私の結婚式でしょ! スタッフ! この女をつまみ出して!」
しかし、スタッフは苦笑するばかり。
そう、この結婚式の段取りを全て丸投げしたカスミは知らない。
この展開は、最初から全て決まっていたのだから。
「私のことをはめたの!?」
「一方的に捨てたお前が、嫁子の弱みを盾にして俺に嫁子を捨てさせたのが間違いだろ」
「な、なんであっさりそれが言えるの!?」
「お前が使った嫁子の恥ずかしい写真は、ただの捏造されたコラージュだったんだからな」
高屋くんは、全てお見通しだった。
カスミが偽物の写真を盾に脅してきた時から、この復讐計画を立てていたのだ。
そして、衝撃の事実が明かされる。
「私は、あなたがたかやくんに再会した時にはもう、彼と結婚秒読み段階だったのよ」
「え…」
大学卒業後、偶然再会した私たちは、高校時代の誤解を解き、少しずつ仲を深め、婚約していたのだ。
全てが罠だったと知ったカスミは、列席していた自分の家族や親戚に助けを求めたが、彼らの視線は冷たかった。
事前に全てを知らされていた彼らは、カスミの本性をその目で確かめに来ていたのだ。
「なんで! どうして私のことを信じてくれないの!」
「可愛い見た目で無条件に信じてもらえるのは、子供の頃だけなのよ」
さらに、カスミが結婚資金のために高屋くんの家のものを勝手に売っていたことまで暴露され、彼女は会場から逃げ去っていった。
その後、カスミは警察に逮捕されたという。
私たちは改めて結婚式を挙げ、永遠の愛を誓い合った。
長年の因縁が断ち切れたことを、二人で静かに喜び合ったのだった。
[pagelink link=https://oyako-heya.jp/articles/7610title=次の話] 出典:嫁子のスカッと漫画
イラスト:嫁子のスカッと漫画
※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。 ※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。 ※この物語はフィクションです。 (おやこのへや編集部)
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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