「幼少期にできるだけ色んな体験をさせてあげたい」「子どもの可能性を引き出してあげたい」「将来、役に立つスキルを身につけさせてあげたい」子どもを愛する親だからこその願いですよね。
幼児期になると、習い事を始める子も多いのではないでしょうか。 周りのお友だちが英語を習い始めて、英単語が言えるようになっていたり、ピアノを始めて弾けるようになっていたりすると、「あれ!?うちの子と同じ年齢なのに!うちも何か始めた方が良いかしら?」と、焦る気持ちもでてきますよね。
自分の力で生きていく力が求められるようになっています。 だからこそ、幼少期からたくさん習い事をさせようと思う人がいるのでしょう。
もし、その子が好きなこと、楽しめそうなこと、やりたいことがあるのならその習い事を始めるのも良いかもしれません。 でも、「幼いうちにたくさんの習い事をすること」が、「自分で生きていく力」とイコールになるのでしょうか?
昔は、先生が前に立ち、同じ時間にみんなで同じことをする「一斉保育」と呼ばれる保育が主流でした。 今は、子どもの「主体性」が大事にされる時代。 子どもが自ら選んで遊ぶ。 やりたいことに没頭することで、好奇心や集中力、探究心など様々な力が育まれます。
実は、子どもの主体性には「余白時間」が必要です。 余白時間とは、物理的な時間の余白もですし、心の余白のことも言います。
保育園や学校、学童、帰ってきたら習い事。 土日も習い事。 と、休む間もなく忙しく過ごす子どもも増えていますね。
予定のない隙間時間、家で何もしていない姿を見ると、「こんなにダラダラしていて、うちの子大丈夫かしら?習い事でもさせた方が良いのかな?」と不安にもなるでしょう。 予定がつまっていた方が、充実している気がしますよね。
でも、その何もない余白時間こそ、子どもは主体的になれるのです。 何もせず、ゆっくり休むも良し。 好きなことをするでも良し。 余白時間があることで、主体性が育まれます。
子どもが好きなことや、やりたいと意欲的な習い事はさせてあげても良いと思います。 でも心と身体が疲れている場合や、そもそもやりたくない習い事は、無理に習う必要はないと思います。
長い人生の土台を作る大事な幼少期。 大人の想いでたくさんの予定を詰め込みすぎず、 子どもの一人時間や、家族との時間を通して、心も身体もリラックスできる「余白時間」が持てると良いですね。
ライター/監修:yururi(・幼稚園教諭二種免許・保育士資格・絵本専門士)