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TERUさん直伝!子どもの上手な叱り方&ほめ方

「すごい」「よくできたね」では不十分だった!子どもを本当に伸ばす【6つのほめ方】

「すごい」「よくできたね」では不十分だった!子どもを本当に伸ばす【6つのほめ方】
【教育専門家が解説】子どもの「ほめ方」について家庭教育アドバイザーのTERUさんに取材。親が意識したい上手なほめ方、避けるべきほめ方を解説します。
目次

子どもの成長を見守っていく上で大切な「ほめる」こと。「子どもはほめて伸ばせ」という声がある一方で「ほめすぎもよくない」という声もあるなど、さまざまな意見を耳にする中、自分のほめ方は間違っていないか、迷うこともあるのではないでしょうか。
家庭教育アドバイザーのTERUさんは、「子どもをほめなければいけない」と回数に縛られるのではなく、ほめることでもたらす「本質」をきちんと知って、子どもに声かけをしていくことが大切だといいます。

ほめることのメリットは「子どものモチベーションを上げられること」

やっぱり「ほめる」ことは子育てでは欠かせないことですよね

おやこのくふう編集部 編集部

ほめることは、子どものモチベーションに直結すると私は考えています。
モチベーションとは動機づけのこと。子どもが次につながるモチベーションを持てること、つまり「またやろう」とやる気や意欲を持てることが、ほめることの最大のメリットです。

また、こんなメリットもあります。

  • "プロセスが結果に結びつくこと"を子どもに教えることができる
  • 何が良かったのかを具体的に示してやることで、子どもが次に活かすことができる
  • ”自分の行動が周りによい影響を与えた”と子どもが知ることができる
  • 親がこれらのことを頭においておくと、おのずと子どもによい声かけをすることができます。
    …というと、どのくらいほめればいいのか、どうやってほめればいいのか、とつい難しく考えてしまうのが親心。でも、「ほめる」という行為にしばられすぎる必要はありません。

    子どもをほめる機会が増える!6つのほめ方

    どうすれば子どもによい声かけをたくさんすることができるのでしょうか

    おやこのくふう編集部 編集部

    子どもの行動には、親がよい声かけをできるチャンスがあふれています。子どもをほめる機会がぐっと増える6つの方法を紹介します。

    1.「ありがとう」と感謝を伝えるのも立派なほめ言葉!

    たとえばお手伝いをしたときなど「えらいね!」「よくできたね!」とほめがちですが、シンプルに「ありがとう」「すごく助かった」と感謝を伝える言葉に変えてみましょう。
    喜んでいることが伝われば、「自分の行為が役に立った」といううれしい気持ちから「またやろう」と、次につながっていきます。

    2.結果ではなく"プロセス"をほめる!

    よい結果が出たことをほめるのでなく、「たくさん練習してきたからだね」など、何をしたから結果が出たかをちゃんと説明してほめてあげましょう。

    3.周りに与えたよい影響を言葉にして伝える!

    挨拶ができるようになった
    順番を守れるようになった
    お友だちと仲良く遊べるようになった
    ・・・
    どれもできるようになると、思わず「すごい!」という言葉でほめてしまいがちですが、それで終わらせてしまうのはもったいないです。
    「大きな声で挨拶してくれて、先生うれしそうだったね」など、推測でもいいので、"その行動がもたらした影響"を言葉にして伝えてみてください。 自分の行動でまわりにいい影響があったというのは、子どもにとってとてもうれしいこと。「またやってみよう」という気持ちにつながります。

    4.失敗したときは「挑戦」を認めてあげる

    失敗してしまったときは、子どもに寄り添って、挑戦できたことを認める言葉をかけてあげて下さい。「うまくいかなくてくやしかったね。難しいことを何度も繰り返しやろうとがんばったね」など。
    ここで注意したいのは、子どもが納得していないことを親が過剰に「頑張った!えらい!」などと、一方的にほめないようにすること。子どもは「自分の気持ちをわかってくれていないのかも?」と思ってしまうので、親の心情を混ぜないことが大切です。

    5.よかったことを具体的に言葉にして伝える

    「すごい!えらい!」だけでは子どもに伝わらないこともあります。
    たとえば縄跳びが上手になってきたとき。その様子を見て、何がうまくできるようになっているかを教えてあげて下さい。
    「手を回すのがうまくなったね」
    「タイミングよく跳べるようになってきたね」
    など、子どもは"何が良くなったか"が分かると、その再現性が上がり、繰り返すことができます

    6.「間接的にほめる」を意識してみる

    ほめるべきことがあったのに、タイミングよく声かけできなかったときは、他の人からほめてもらうというやり方もあります。 お父さんから「お母さんが喜んでいたよ」と伝えてもらうだけでも、子どものうれしい気持ちは大きくふくらみ、やる気につながります。

    ちなみに、スポーツの強豪校と言われる学校は、この「間接ほめ」を意図的に使っていることが多いと聞きます。監督はあえて選手を直接ほめませんが、コーチやマネージャー、チームメイトには良いところを伝えて、それが本人に伝わるようにしているんだとか。

    この「間接ほめ」を受けると、「自分は受け入れられている」「自分のことを他の人に伝えてくれている」と感じられて、直接ほめ言葉をかけられるよりも、よりモチベーションがアップすることもあります

    まずは感謝を伝えること、具体的に伝えることから始めてみる

    紹介した6つの方法を、どれもやらなければいけないというわけではなりません。
    ひとつでも実践できると、子どもにプラスの影響が出てくると思いますので、状況に応じて取り入れてみてください。
    実践しやすいのは、1の「ありがとうと伝えること」、5の「具体的にほめること」。どちらも「子どものいいところを見つけて言葉にしてあげる」行為なので、自己肯定感をアップさせることにつながりますし、子育てには大切な要素だと思います。


    ***


    たくさんほめれば良いと言うわけではなく、大切なのはその伝え方。
    ほめ言葉というと、つい「すごい!」「えらい!」を使ってしまいがちですが、叱るときと同じで、子どもには具体的に伝えないとわからないことも多いんですね。
    6つの方法を知っているだけで、子どもに対する声かけが変わりそうです。ぜひ実践してみてください。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 赤司 陽子

大学卒業後、製薬会社での勤務を経て、大手教育関連企業に転職。約10年間幼児教育・小学生教育事業に携わる。その後夫の海外赴任に随行し、アメリカで出産・育児を経験。多様な価値観に触れる。帰国後、フリーのプランナー・エディター・ライターとして活動中。現在、5歳女子・3歳男子の年子育児に奮闘中。

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