絵本の読み聞かせはちょっとしたコツを意識するだけで、ぐっと子どもの心を引き付けることができるようになるのです。保育現場で培った経験をもとに、絵本の読み方のテクニックをお伝えしましょう。絵本の世界におやこで一緒に浸る、心豊かな時間を目指して。
まずは、声の表情を豊かにすることが大切です。 登場人物の気持ちを想像しながら、声色や抑揚、速度を変えるのです。
例えば、うさぎなら「ぴょんぴょん」と軽やかに、熊なら「のっしのっし」と重厚に。声の使い分けで、絵本の世界が一気に広がります。セリフ部分は特に、その人物になりきるつもりで読んでみましょう。子どもは、表情豊かな読み聞かせに自然と引き込まれていくはずです。
絵本の読み聞かせでは「間(ま)」を大切にすることも忘れずに。 ページをめくるときや、場面が変わるときには、少し間を置いてみましょう。その静かな時間が、子どもの想像力を育むのです。 「さて、次はどうなるのかな」。ワクワクしながら次のページを待つ子どもの姿が目に浮かびます。ときには、ページをめくる前に「どうなると思う︖」と子どもに問いかけるのもおすすめ。子ども自身が物語に参加している感覚を味わえるはずです。
声だけでなく、表情やジェスチャーも読み聞かせの大切な要素。 笑顔やしかめ面、身振り手振りを添えることで、絵本の世界がより立体的に伝わります。
例えば「大きな木」なら手を高く上げて「小さな花」なら指先で小さく表現。体全体で絵本を演じることを意識してみましょう。子どもの目は、ママやパパの表情をじっと見つめているもの。絵本を通して、おやこの心の交流も深まっていくのです。
子どもの心を引き付ける読み聞かせには、絵本選びも重要なポイントです。
子どもの年齢や興味関心に合わせて、適切な絵本を選ぶことが大切。乳幼児期は、シンプルな言葉と鮮やかな絵が特徴の絵本がおすすめ。少し大きくなったら、ストーリー性のある絵本を選ぶのも良いでしょう。子どもの反応を見ながら、一緒に絵本を探す過程も楽しんでいただきたいです。絵本との出会いは、子どもの心を豊かに育みます。
絵本の読み聞かせは、子どもの言語能力や想像力、感受性を育む素晴らしい機会です。 物語を通して、豊かな語彙に触れ、世界を広げていく体験ができるのです。また、絵本の中の様々な感情に触れることで、情緒面の発達も促されます。絵本の世界に浸る時間は、子どもにとってかけがえのない財産になるはず。ママやパパが読み聞かせを楽しむ姿は、子どもに絵本への愛着を育むきっかけにもなるでしょう。
絵本の読み聞かせは、声の表情や間の取り方、表情やジェスチャーを意識するだけで、ぐっと子どもの心を引き付けられるようになります。絵本選びも、子どもの年齢や興味に合わせて行うことが大切。そして何より、絵本を通して子どもの豊かな心を育む喜びを、ママやパパ自身が感じることが何より大切なのです。
保育士として、たくさんの子どもたちに絵本の読み聞かせをしてきました。真剣なまなざしで絵本の世界に入り込む子どもたち。絵本の結末に思わず笑顔になる子どもたち。そんな姿を見るたび、絵本の持つ力の大きさを実感させられます。ご家庭でも、ぜひ絵本の読み聞かせをおやこの大切な時間に。心を通わせ、想像力を広げ、言葉を紡ぐ。絵本が運ぶ、かけがえのない体験を、おやこでたくさん重ねていってくださいね。
ライター/監修:でん吉(保育士資格)
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