「きたない」の言い過ぎに注意!過度な清潔が子どもの成長を妨げるとき

「きたない」の言い過ぎに注意!過度な清潔が子どもの成長を妨げるとき
元・小学校教員の、かなです。家や子どもがさわるものを清潔にしておきたいと思いますよね。子どもの心配をするあまりに、子どもに「きたないよ」と言い過ぎるとデメリットもあることをご存じでしょうか。
目次

きたないものってどんなもの?

子どもがさわりそうになったものを「きたないからさわっちゃだめ」と止めたことはありませんか?道に落ちているマスクや野鳥の羽など、さわった手が直接感染症などにつながるおそれのあるものはさわらないように気をつけたいですよね。 土や虫などはどうでしょう? 最近は泥遊びを禁止されている子がいるとも聞きます。 事情がない限り、手を洗えば問題ないものはきたないものには入らないのではないでしょうか。

自己肯定感が下がる

「きたない」という言葉を、子どもが自分を否定されているように受け止めていることがあります。 親御さんは無意識かもしれませんが、子どもは叱られているように感じています。 自分が興味をもってさわろうとしたところを叱られているので、自分がだめなんだと感じてしまうのです。 子どもの好奇心に待ったをかけることも、子どもの自己肯定感を下げてしまうことも避けたいですよね。

友だちに厳しくなってしまう

自分がさわったら怒られる物を友だちがさわっていたら、友だちに対して「きたない」という言葉を使ってしまいます。 自分としては親御さんから言われていることを言っているだけなのですが、言われた友だちは傷つきます。 教室の汚れたところを一生懸命お掃除する友だちがいる横で、汚れにふれたくないから何もしなかったらどうでしょう。 印象はよくないですよね。 自ら潔癖症だと言われていたママのお子さんが、友だちの物や服にふれることも「きたない」と嫌がっていたのを見ました。 お子さんの生きやすさに影響を与えているようで、とても心配になりました。

「きたない」には根拠をもって

子どもは物をさわっていろいろなことを学んでいきます。 実物は動画で学習するよりも、はるかに知恵をつけてくれます。 手を正しく洗えばたいていの菌は落ちるので、汚れるものでもどんどんさわらせてあげましょう。 見えない菌をやみくもにこわがるのではなく、「きれい」と「きたない」を科学的な根拠をもって判断できるようになってほしいですね。

おわりに

担任している子が他の子を見て顔をゆがめ「きったない」と罵るのを見て、残念に思った経験をもとに書きました。 自分の手を汚して、虫のお世話をしてあげている子や教室のお掃除をしてくれている子は、優しい心や公徳心が育っています。 その価値よりもきたなさに目がいってしまう子は、まわりの大人の影響だとしてもかわいそうだなと感じます。 普段の何気ない言葉や行動が子どもの人格をつくることを、心にとめておきたいですね。

ライター/監修:かなせんせい(小学校教諭専修免許状、幼稚園教諭第一種免許状、中学校教諭第一種免許状(理科)、高等学校教諭第一種免許状(理科)、図書館司書教諭)

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監修者

・小学校教諭専修免許状/幼稚園・中学校(理科)・高等学校(理科)教諭第一種免許状/図書館司書教諭免許状資格 かなせんせい

小学校に15年勤務し、教員として子どもや親御さんとかかわってきました。教え方や自分の子育ての経験を保護者に伝えたときに喜んでもらえた経験から、退職してからもライターとして活動しています。

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