子どもの発達とおもちゃに関する著書もある城東よつばこども園園長の瀧薫先生に、「良いおもちゃ」の選び方を聞く連載。
少しずつルールを理解できるようになる、3歳以降の子どもとおやこで遊ぶのにおすすめなのが、ボードゲームだという瀧先生。ボードゲームをプレイすることで、非認知能力やレジリエンス(困難な状況でも折れない心)を育てる効果があるんだそう。
とは言え、大人と比べると子どもは手先の器用さや記憶力が劣るため「大人とボードゲームで遊んでも、子どもは楽しくないのでは?」と感じることもあるかもしれません。そこで今回はおやこで楽しめるゲームの選び方を伺いました。
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子どもたちは日常生活や遊びを通して、「社会にはルールがある」ということを学んでいきます。ゲームは子どもたちにルールを守ることの大切さを教える第一歩として有効です。
例えば、ルールを無視して自分の気持ちばかり主張しているとお友だちとケンカになってしまい、楽しく遊べないことに気づきます。子どもはゲームやケンカを通して、ルールを守ることの大切さに自ら気づき、社会性を身につけていくのです。
またゲームに真剣に取り組む中で根気や集中力も身につくでしょう。ゲームによっては、推理力や数の力、瞬発力などを刺激するものもありますね。子どもが少し大きくなると年下のお友だちも一緒に楽しめるように、自分たちでルールを作るなど工夫する力も出てきます。
そして何よりも、ゲームを通じて家族やお友だちと一緒に充実した時間を過ごすという楽しい経験は、子どもにとって一生の財産となるでしょう。
子どもは年齢と共にできることが増えていくため、ゲームを選ぶ時は年齢や発達に合ったゲームを選ぶことが大切です。そこで、ここからは年齢別におすすめのゲームをご紹介!
10分ほどで楽しめるお手軽なゲームも多いので、寝る前のおやこの時間に楽しむのにもぴったりですよ。
子どもは、3歳ごろから少しずつお友だちと関わる姿が見られるようになり、ケンカをしながらも順番やルールを守ることを意識し始めます。
またこのころになると「長い・短い」「大きい・小さい」といった対比概念に加えて「中くらい」という概念を理解し始めるようになります。
と言っても、まだ手先の器用さや記憶力を競うようなゲームは難しいでしょう。能力や努力に左右されない、偶然性を楽しむようなゲームがおすすめです。
猫とねずみに分かれ、猫になった人はさいころをふって、出た色のネズミをネコ(カップ)が捕まえるシンプルなルールです。
ドイツのハバ社のゲームで、「良いおもちゃ」の証である「spiel gut」にも認定されています。瞬発力が必要なので、子どもから大人まで盛り上がります。
シンプルな棒倒しのゲームです。サイコロで出た色のスティックをリングから抜いていきます。リングがテーブルについてしまった人がゲームオーバー!
よく見ると、スティックの太さが色によって違うのも面白みがありますよ。偶然性が高く、10分程度で勝敗がつくのでおやこで楽しむのにぴったり!
4歳ごろになると、より感情が豊かになると同時に、競争心も出てくるためお友だちとのケンカが多くなる時期でもあるでしょう。
例えば、神経衰弱のようなゲームではちょっとズルをして覗いてしまい、お友だちに指摘される…など、ケンカを繰り返しながら少しずつ自分の気持ちを抑えたり我慢をしたりできるようになります。
このころの子どもは記憶力が少しずつ発達してくる時期でもあります。偶然性で勝てるゲームだけでなく戦略を立てたり記憶力を使ったりするゲームに少しずつチャレンジしてみてもいいかもしれません。
「ハリガリジュニア」は、「ハリガリ」という5歳頃から楽しめる傑作ゲームを3~4歳頃の子どもでもできるようにルールを単純化したものです。場に順番にカードを出していき、同じ顔のピエロが出たら、早い者勝ちでベルを鳴らします。
大人も思わずお手つきしてしまったりと、ドキドキが楽しめるゲーム。プレイ時間も短いので、忙しいママ・パパにもおすすめです。
カラス対プレイヤーというおもしろい形式のゲームです。サイコロを振って果物を集めていきますが、カラスの目が出たら、カラスに取られてしまいます。
協力プレイが必要なので、勝ち負けにこだわりが強い子でも、仲間同士や家族同士で楽しく遊ぶことができます。
「ないもの探し」をするゲームです。場の真ん中に置かれた4つの動物が描かれたカードを見て、そこにいない動物・そこにない色を探します。
よ~く見ないと、大人でも間違えてしまうので、色や形の認識トレーニングになります。ドイツのアミーゴ社の傑作ゲームです。
5~6歳ごろになると、先の見通しを立てながら目標に向けてお友だちと協力する姿が見られるようになります。
自分の役割を果たし、ルールを守ることが大切であることを実感するのもこの時期です。思考力が深まってくるため、計算や戦略が必要なゲームもできるようになりますが、負けたときに悔しいと思う気持ちも強くなるでしょう。
ゲームに勝ったり負けたりする経験を繰り返しながら、さらに戦略を練ったり気持ちに余裕を持って遊ぶことができるレジリエンスを身につけていきます。
4歳でおすすめした「ハリガリジュニア」の本家がこちら。カードに描かれた果物の数が合計5つになったら、テーブル上のベルを鳴らす足し算ゲームです。素早い計算と注意力が必要で、盛り上がること間違いなし。長く遊べるゲームです。
〇×ゲームの進化版といったゲームです。縦横斜めのいずれか1列に同じ色のコマを置けた人が勝ちですが、コマの大小があって相手のコマに自分のコマを上からかぶせて、隠してしまうことができます。先を見通す力や、戦略が必要なのでより深い思考力を育てます。
猫に追いかけられながら、チーズをゲットするというすごろく型のゲームです。遠くに行くほど大きなチーズをゲットできますが、あんまり無理をすると猫に食べられてしまいます…。
先の見通しを立てながら作戦を練る必要があり、この年齢だからこそ楽しめるゲームです。
子どもとゲームで遊ぶとき、子どもが負けるのがかわいそうだったり、泣くと面倒だからといって手加減をしたり、負けてあげる人もいるでしょう。でも前述の通り、ゲームを通して子どもは「思うようにならない」ということを学びます。
また「負けて悔しい」という思いから、試行錯誤をして勝てたときの喜びはひとしおです。
手加減されて勝ったときと、大人も真剣に対戦して勝てたときの喜びはまったく違うもの。ぜひ真剣に向き合ってあげてくださいね。
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年末年始、子どもと久しぶりにゆっくり過ごせるという人もいるかもしれません。おやこで楽しい時間を過ごしながら、子どものさまざまな能力を伸ばすことができるゲーム。クリスマスや誕生日プレゼントにもおすすめです。
社会福祉法人子どものアトリエ理事長 城東よつばこども園 園長 大阪芸術大学短期大学部講師 瀧 薫
「保育と絵本」「保育とおもちゃ」などの著書があり、3児のお子さんのママでもあります。
ライター 内山沙希
口が達者になってきた3歳女の子ママ。ライター歴9年目。転勤族の妻としても日々奮闘しています。現在はキャリア・育児系を中心に記事を執筆中。毎日がんばるママが笑顔になれるようなお役立ち情報を発信します。
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