家庭教育アドバイザーのTERUさん解説のもと、子どもの朝の準備を早く楽にする方法を考えるシリーズ第2弾。 前回の記事では子どもの朝の準備が早くなる6つの一般的な方法を紹介しました。
今回はそれでもなかなか効果がでない、朝の準備に悩んでいるおやこ向けに、TERUさんおすすめのとっておきの方法を紹介します。
子どもの準備を早くしようと何か工夫や声かけを実践しようとすると、いつもより余計に時間がかかったり子どもを待つために他のやらなくてはいけないことが進まなかったりしますよね。
そして結局時間に追われてバタバタ…そんな「時間の壁」をおやこで乗り越えるために私がおすすめする方法が「準備できた報告」です。
「準備できた報告」は、朝やることが一つ終わるごとにおやこで報告し合うという方法です。
これには大きく2ステップあり、まず最初のステップとしておやこで朝やることを確認し合います。このときのポイントと、確認し合うことで生まれるメリットを紹介します。
朝の準備を始める前におやこでやることを確認し合うのですが、子どものやることだけを確認してはいけません。
まず先に、親がこれからやることを伝えます。
たとえば「今日は〇時におうちを出るから、〇時〇分までに準備を終わらせようね!お母さんは今から〇〇君(弟)にごはんを食べさせて、歯磨きをして、お着替えをして、カバンの準備をするね」という具合です。
次に、子どもに「〇〇ちゃんはおうちを出るまでに何をするのかな?」と聞き、子どもがやることを確認しましょう。子どもが自分で言えれば言ってもらって、難しければ親が教えてあげながら一緒に確認していきます。
そしてお互いのやることを確認したら「お母さん、自分がやることが一つ終わったら〇〇ちゃんに報告するね!だから〇〇ちゃんも、自分の準備が一つ終わったらお母さんに報告してね」と伝えます。
ここまでが準備を始める前に行う“やることの確認”です。
やることを親が先に伝えることで、子どもには“やらされている感”がなくなり、二人でやる意識が芽生えます。そして、大人と同じことをやるんだという自尊心が準備へのモチベーションにつながるのです。
また、「〇時〇分までに」と明確に時間を伝えると子どもが時間を意識しやすくなります。親がつい言ってしまいがちな「早くやりなさい」という表現は非常に曖昧です。
いきなり時計を見て行動できなくても、時計に意識を向け、子どもが自分で時間管理ができるようになるための種まきをしておきましょう。
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「準備できた報告」の最初のステップで大切なのは、おやこで一緒に取り組む姿勢です。いずれ自分で時間を見ながら朝の準備ができるようになってもらうためにも、子ども扱いせずにやることや時間を一緒に確認しましょう。
次の記事では「準備できた報告」の2番目のステップである、実際に朝の準備をするうえでのポイントや子どものモチベーションを上げる方法を解説します。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
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ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
朝は子どもに準備をさせつつ自分の準備をする、その両立が難関です。