世の中の流れもあいまって、性差を気にせず子育てしたいという意見も多い一方で、明らかに女の子のお友だちとは異なる息子の理解しがたい行動に、どう接したらいいのか戸惑っているママたちも多い様子…。
そこで【不安だらけ!?の男の子育児】男の子に効果絶大なパワーワードとやる気を失う”余計な一言”とは?に続き、とくに6歳までの男の子を育てるときのコツを、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えてもらいます。
もちろん、男の子全員に当てはまるわけではありませんが、母親にとって異なる性でもあり理解しづらい点も。傾向を知ることで育て方のヒントが見えてくるはずです。
今回は、幼児期に男の子に教えたい2つのことについて。6歳までに「自分で責任をとること」「我慢できるようにすること」を教えておくべきとTERUさんは言います。詳しく教えていただきましょう。
男の子の子育てにおいて、幼児期に自己責任を教えることはとても大切です。
責任を取るということは男女問わず大切なことですが、女の子は人の気持ちを感じることが上手で、教えなくてもあまり相手が嫌がることをせず、親の言いたいことを感じ取ってすべき行動をとることが比較的できやすいものです。
男の子はこれが苦手な子が多いです。たとえば「自分で使ったものは自分で片付ける」「自分の準備は自分でする」「自分でやってしまったことの後始末を自分でやる」といったことを自然に身につけることが難しい場合が多く、親が教えてあげることが大切です。
自己責任の教え方の基本は「普通に何度も教える」こと。
たとえば水をこぼしてしまったら「自分で拭こうね」と行動をうながし、使うものや方法を教えながら、自分のことは自分でやるように伝えていきます。
ここで親にとって試練となるのが、一度言ってもすぐにできるようにはならないことです。幼児期の男の子は、想像力や理解力が絶賛成長中です。
1回で身につかないのは「まじめにやってない」からではなく、シンプルに教える回数が足りないからだと考えましょう。
この時期に、自己責任を根気強く教えていけば、小学生以降の子育てがぐっと楽になるので、意識していけるといいですね!
男の子と接していると、自分ルールの存在やこだわりの強さを感じることがあります
男の子は自立を好むため、年齢が上がるにつれて自分の考えと行動スタイルを強く持つようになります。
そんな中で一番まずいのは、「我慢できない」という行動スタイルを身につけてしまうことです。
基本的に幼児期は、やりたいことをやりたいだけやらせた方がいいと私は考えています。
ですが、
たとえば、「スナック菓子は1週間に1回」「テレビは1日30分まで」など、2~3歳くらいまでには子どもと一緒にルールを決めて約束をしておきましょう。その際、なぜそのようなルールが必要なのか、理由も話しておくといいですね。
そして、一度作ったルールはなにがあっても崩してはいけません。泣き叫ばれても、床に座り込んで駄々をこねられてもです。
こういった場面では「今我慢する力を育てるチャンスだな」と考えるようにするとよいでしょう。
子どもも、駄々をこねながら自分と戦っています。
ここで親が折れてしまうことは、子どもが戦う敵を親が倒してしまうようなものです。子どもは経験値も手に入りませんし、次からも同じ態度をとれば買ってくれると思ってしまいます。
ここで我慢する力を育てれば後々大きな力になると考えて、一貫した態度をとるようにしましょう。
かといって、駄々をこねる子どもに対して厳しい姿勢を取り続ける必要はありません。
「おもちゃがほしい気持ちはわかるよ、でもお約束だもんね」と、子どもの気持ちに共感する声かけはしても構いません。大切なのは子どもに対する厳しい態度ではなく、買わないという一貫した姿勢です。
心の成長をうながすためにできることはありますか?
子どもの発達はまず「体→脳→心」の順番で成長していきます。つまり、まず体を育てることが大切なのです。特に、脳や心の発達が遅い男の子にとっては重要なポイントです。
体を育てる一番の方法は外遊びです。
自由に体を動かすことで、自分の体を徐々にコントロールできるようになり、その結果心もコントロールできるようになっていきます。
より効果を得るためには、ただ走り回るだけではなく、走り回る+ストップ!がある遊びをしていきましょう。
ストップの動きがある代表的な遊びは「だるまさんがころんだ」ですが、前進したり後退しながら「ストップ!」の合図でピタッと止まるなどの遊びも親子で一緒に遊ぶと盛り上がります。
止まる動きが加わることで自制する力がぐっと育ち、精神的な発達にもいい影響が出てきます。
今は自由に外遊びをしづらい時期でもありますので、家の中でできる運動遊びもうまく取り入れていけるといいですね。
次回は、一見問題行動とも思える行動を成長につなげていくための"親のとらえ方"をTERUさんに教えていただきます。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
やったらやりっぱなし…自分のことを自分でする、というのが男の子は苦手なのでしょうか