
日常の些細なことがきっかけで、ついパートナーにイライラしたり、言い合いになってしまうことはどの家庭にもあることです。 そしてそのタイミングが子どもの前であることも少なくありません。
でも、子どもは大人が思う以上に夫婦ゲンカに強い衝撃を受けています。 小さな子どもであっても、怒鳴り声や険しい表情、強い言葉には敏感に反応します。 たとえ内容が分からなくても「ママとパパがケンカしている」「仲が悪くなったのかも」という不安を強く感じるのです。
とくに幼児期の子どもは、まだ「これはパパとママの問題」と切り離して考える力が未発達です。 そのため「自分のせいかもしれない」「どうしたら仲直りしてくれるのか」と思い悩むこともあります。
夫婦ゲンカを見聞きした子どもは、その場では無言だったり、何気ない様子をしていても、心の中にさまざまな感情を抱えています。 突然泣き出したり、眠れなくなったり、癇癪を起こしやすくなったりと行動に変化が現れることもあります。
また「感情のぶつけ合い=関係の基本」と認識してしまうと、子ども自身の対人関係にも影響を及ぼす可能性があります。 友だちとぶつかったとき、怒りで感情を表現したり、人を傷つける言葉を使ったりといった形で模倣することもあるのです。
つまり、夫婦ゲンカは“見せたくない場面”であると同時に、子どもにとっての人間関係のモデルにもなりうる場面。
だからこそ、大人がその後どんな対応をするかがとても重要なのです。

子どもの前でケンカをしてしまったとき、まず大切なのは「そのままにしないこと」です。 時間が経てば忘れてくれるだろう…と流すのではなく、しっかりとフォローすることで子どもの心を守ることができます。
たとえば、ケンカが落ち着いたあとに、子どもに対してやさしい声で「さっきはママとパパ、ちょっと言い合いしちゃってごめんね」と伝えてあげるだけでも、子どもは「ちゃんと話してくれた」「安心していいんだ」と気持ちが落ち着きます。
そして「ママもパパも、あなたのことは大好きだよ」というメッセージをしっかり伝えること。 自分は愛されている存在だと再確認できることで、子どもはぐっと安心します。
夫婦ゲンカ自体をすべて悪いこととする必要はありません。 人と人が一緒に生活していれば、意見がぶつかることも当然あるものです。
だからこそ、ケンカのあとの関わり方が子どもにとって大切な“人との関係の築き方”を学ぶ機会になることもあります。 たとえば、大人同士が「ごめんね」「さっきは言いすぎたね」と歩み寄る姿は、子どもにとって「仲直りのしかた」の実例です。
また、怒りの感情をどう整理するか、どうやって相手と分かり合おうとするかという姿勢も子どもに伝わっています。 「ぶつかった後に修復できる関係」を見せることが、子どもにとって一番安心できることなのです。

「また子どもの前で怒っちゃった」「こんな家庭で大丈夫かな…」と自分を責めてしまうママも多いと思います。 けれど、どんなに気をつけていても、感情の波は誰にでもあるもの。
大切なのは、感情に流された“その後”に、どう向き合うかです。
ママ自身が「うまくいかなかった日」があっても、それを認めて、子どもにやさしい言葉で向き合い直すことで、信頼関係は十分に守れます。 子どもはママの完璧さではなく、“心のつながり”を求めています。
だからこそ、自分を責めすぎず、「次にどうしよう」と考えることが、ママ自身を守ることにもなります。 そして、パパと一緒に「どうしたら子どもが安心できるかな」と話し合える関係を育てていくことが、家族全体のあたたかさにつながっていきます。
夫婦ゲンカはどんな家庭にも起こりうるものです。 子どもにとっては大きな不安のもとになりますが、大切なのはその後のフォロー。
気持ちを受け止め、愛情を伝えることで、安心感を取り戻すことができます。
ケンカそのものよりも、修復のプロセスこそが、子どもにとって大切な“人との関係”の学びの場。 ママもパパも、自分たちを責めすぎず、子どもとのつながりを大切に育てていきましょう。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
娘「前に住んでいたお家見てみたい!」妻「いいよ」しかし到着した直後⇒夫「帰...
2024.08.10
【保育士が解説】3歳児ってこんな感じ!発達の特徴やおすすめの遊び方を解説
2023.10.02
【保育士が解説】5歳児の発達と特徴|反抗期がくるって本当?接し方やおすすめ...
2023.10.02
産婦人科で…男性医師の”診察”に違和感を覚えた妊婦。医師の姉に相談した数週...
2024.08.07
強引に『叔父の産院』へ転院させた夫。だが後日⇒「私に任せて」医師の姉が行っ...
2024.08.07
出産前に転院した妻#5
2024.08.07
【ダイソー工作】たった400円で完成する「おうちプラネタリウム」が感動的!...
2021.08.06
夫の帰宅直後…「話がある、ちょっと来て」妻の態度に”違和感”!?その後→妻...
2024.08.01
子どもの「人見知り」への向き合い方|保育士が伝える、サポートのコツ
2025.10.06
出産前に転院した妻#6
2024.08.07