子どもの「人見知り」への向き合い方｜保育士が伝える、サポートのコツ

「初対面の人に会うと泣いてしまって…」そんな悩みを抱えているママやパパも多いのではないでしょうか。 人見知りは、子どもの成長段階で自然に現れるもの。 子どもの不安に寄り添いながら、ゆっくりと乗り越えていけばいいのです。

保育の現場で培ってきた経験をもとに、人見知りへの向き合い方をお伝えしましょう。

1. 人見知りの心理的な要因を理解する

人見知りの子どもへの関わり方で大切なのは、まずはその心理的な要因を理解すること。 見知らぬ人に対する恐れや不安、親から離れることへの寂しさなど、人見知りの背景には様々な感情があります。

園でも、一人ひとりの子どもの人見知りの特徴を把握し、その子なりの不安に寄り添うことを大切にしています。

ご家庭でも「どうして泣いているのかな」と子どもの気持ちを想像してみてください。 「怖かったんだね」と共感の言葉をかけることが、人見知りへの理解の第一歩。

子どもの不安に気づく感性を磨くことが、サポートの土台になります。

2. 子どもの気持ちを受け止める

人見知りの子どもは、見知らぬ人との関わりに強い不安を感じているもの。 だからこそ、まずは子どもの気持ちを受け止めることが何より大切です。

泣いているときには「大丈夫だよ、ママがいるからね」と優しく抱きしめてあげましょう。

園でも、新しい環境での不安に寄り添い、子どもの気持ちを代弁するようにしています。 「○○ちゃんは、初めての場所でちょっと心配なんだね」と言葉にすることで、子どもは自分の感情を理解してもらえたと感じるのです。

お子さんの不安に共感し、そっと見守る。 そんな姿勢が、人見知りと向き合う第一歩になります。

3. 安心感を与える関わりを心がける

人見知りの子どもには、安心感を与える関わりがとても大切です。

見知らぬ人と会うときは、ママやパパが傍にいてあげることが何より重要です。 「一緒だから大丈夫」と、子どもが頼れる存在でいてあげてください。

園でも、新しい環境では、まず保育士が子どもの心の拠り所になるよう心がけています。 優しい言葉かけ、ていねいな身のこなし、温かな表情。 そんな安心感を与える関わりが、人見知りの子どもの心を少しずつ開いていくのです。

見守る目、寄り添う言葉を忘れないでください。 子どもが一人で不安に向き合わなくていいと感じられることが何より大切です。

4. 焦らずゆっくりと社会性を育む

人見知りの克服は、焦らずゆっくりと。

子ども一人ひとりのペースに合わせて、少しずつ社会性を育んでいくことが大切です。

園では、子ども同士の関わりを大切にしながら、徐々に人との関係づくりを促しています。

ご家庭でも、公園などで他の子どもたちと一緒に遊ぶ機会を作ってみてはいかがでしょうか。 最初は不安そうでも「お友だちと一緒に遊べたね」と子どもの頑張りを認めてあげることが大切。

小さな一歩ひとつひとつを励ますことで、子どもは少しずつ自信をつけていくはず。 ゆっくりでも着実に、社会性は育まれていきます。

5. 周りの理解と協力を得る

人見知りの子どもの成長には、周りの理解と協力が欠かせません。 保護者だけでなく、祖父母やママ友、地域の方々など、子どもを取り巻く大人たちに、人見知りへの理解を求めていくことも大切です。

園でも、保護者の方々と連携しながら、子どもの特性に合わせた対応を心がけています。 周りの人たちの温かな見守りがあれば、子どもはきっと自分のペースで成長していけるはず。

みんなで子どもの人見知りに向き合う。そんな協力体制があれば心強いですね。

まとめ

子どもの人見知りは、成長の過程で現れる自然な姿です。

大切なのは、子どもの不安な気持ちに寄り添い、理解と共感を示すことです。 そして、安心感を与える関わりを通して、ゆっくりと社会性を育んであげましょう。

周りの理解と協力を得ながら、子どもの小さな一歩ひとつひとつを励ましていく。 その積み重ねが、人見知りを乗り越える力になるのです。

不安な表情から、少しずつ笑顔が見られるようになるとき。 一人で遊べるようになったとき。 友だちと手をつないだとき。

この先、一人ひとりの小さな成長の瞬間が必ずあります。おおらかに見守ってあげてください。

ライター / 監修：でん吉（保育士）