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話題の育児書を読んでみた!子育てブックレビュー

「すごい」「えらい」は禁句!?三つ子の壮絶子育てを経験した母が提唱する「最強の言葉がけメソッド」のびっくり効果とは?

「すごい」「えらい」は禁句!?三つ子の壮絶子育てを経験した母が提唱する「最強の言葉がけメソッド」のびっくり効果とは?
子どもをほめるとき、親がつい使いがちな「すごいね」「えらいね」は、じつは禁句だった!?三つ子男子の壮絶な子育ての中で、著者が見つけた魔法の言葉がけに脱帽!『魔法の「ほめ方」「叱り方」』(島谷留美著・講談社刊)のブックレビューです。 ※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。
目次

「子どものいいところを見つけたら、すぐほめてあげましょう」

子育て関連の書籍やテレビ番組などでよく見聞きする言葉ですよね。日々3人育児に奮闘する筆者タキザワも「ここぞ!」という場面でほめられるよう、子どもたちの様子に気を配っているのですが…。問題はその「ほめ方」。

つい「すごい!」「えらいね!」「上手~!」というお決まりの言葉ばかりになってしまうんです。ほめ方のバリエーションを増やせないものかと悩んでいたときに、出会ったのがこちらの『魔法の「ほめ方」「叱り方」』(島谷留美著・講談社刊)。まず本にかけられた帯から衝撃でした。

「『すごいね』『えらいね』は禁句です」
……私ずっとその言葉を使っていたんですけど!?じゃあ、一体どうやってほめるのが正解なの?

その答えはちゃんと本書に書いてありました。目からウロコの「魔法の言葉がけ」でノーストレスな子育てライフを手に入れてみませんか?

モンスター三つ子を変えた「魔法の言葉がけ」

「すごいね」「えらいね」という言葉をなぜ使ってはいけないのか。
それはこれらの言葉が結果に対する感想であり、何の根拠も持たないから。そして親=評価する人、子ども=評価される人という上下関係が前提になっているからだと、著者の島谷 留美さんは述べています。

6年勤めた総合商社を結婚退職し、島谷さんが授かった命はなんと三つ子の男の子。しかもその男の子たちは「モンスター」と呼ばれるほどのやんちゃ坊主たち。

わが家の3人きょうだいもかなりやんちゃで毎日手を焼いているのですが、島谷さんの子育てエピソードは思わず絶句してしまうほど。そんな壮絶な子育てを乗り越えるため、藁をもつかむ思いで学んだのがアメリカ発祥の心理学「親業(おやぎょう)」でした。

この「親業」によって、島谷さんの子育ては大きく変わったといいます。2017年に「親業」をベースに、自信の子育て経験から編み出した独自の言葉がけプログラムを開発。子育てに悩むママたちに向けた個別カウンセリングが評判を呼び、ブログは2019年5月に14.7万アクセスを記録、アメブロの子育てジャンル1位を獲得するほどの人気ぶりとなりました。

そんな島谷さんの言葉がけメソッドを一番身近で享受したモンスター三つ子たち。学校の問題児だった彼らですが、この言葉がけの結果、島谷さんが「勉強しなさい」と一言も言うことなく、自ら進む道を選択し、立派な社会人となりました。

そんなとんでもない効果を発揮したメソッドを余すところなくつづったのが、本書なのです。

子どもを伸ばす、最強の「わたしメッセージ」

私たち親が子どもをほめるとき、「子どもが頑張ったことを認めてあげたい」「ほめることで子どもの力を伸ばしてあげたい」など、いろいろな思いがありますよね。しかし子どもを伸ばしてあげたいなら、「すごいね」「えらいね」という言葉はやっぱり禁句なのです。

前述のように、これらは上下関係が前提になっている言葉。上の立場にいる親や先生たちから評価されることが、子どもが頑張るモチベーションになってしまう可能性があるのだそう。

そんな子どもは将来社会に出て、ほめてくれる人がいなくなったとき、一気にモチベーションをなくしてしまうのです。「子どもを伸ばす」ということは、「社会で自立できる人に育てる」ということ。では、どんなほめ言葉が子どものやる気を引き出し、力を伸ばすのかというと、「わたしメッセージ」が大きな鍵となります。

「わたしメッセージ」とは、子どもの言動に「"私"がどんな影響を受けて」「どんな感情を抱いたのか」を伝えるテクニックのこと。

たとえば、子どもが学校からのプリントを、ママ・パパが見やすいようにテーブルの上に出しておいたとします。たいていの人はこんな風に子どもをほめるのではないでしょうか。

「プリントをテーブルに出して(あなたは)えらいね」

一見ちゃんと子どもをほめているように見えるセリフですが、このような「あなた」(=子ども)が主語になっている「あなたメッセージ」では、子どもには思いが伝わりにくいのだそう…。このセリフを「わたしメッセージ」に変換すると、こうなります。

「学校からのプリントがテーブルに出してあると、必要なことの確認がすぐにできて安心だな。ありがとう」

このようにママ・パパからの「わたしメッセージ」を聞くことで、子どもは自分の言動がママ・パパを助けたり、喜ばせたことを知り、やる気が刺激されるのです。

ちなみにこの「やる気メッセージ」は子どもを叱るときにも大変効果的!

筆者の長男は幼稚園から帰ってくると、荷物を玄関に投げるように置いて、「おやつー!!」と叫びながらリビングに行ってしまいます。いつもそこで筆者が「もう!荷物は(リビングの)机に置いてって言ってるでしょ!」と叫ぶのですが、長男にはまったく届いておらず…。どうにかならないかと、本書にならって「わたしメッセージ」を使った叱り方に変えてみました。

「玄関に荷物が置かれたままだと、ママが片づけなきゃいけなくて大変なんだよ。妹ちゃんの荷物もあるし」

手を洗って少し落ち着いた長男にそう声をかけると、なんと「あー、そうだよね」と言って、自分でリビングに持って行ってくれたんです!渋々という感じもなく、素直に長男が動いてくれたことに感動…!「魔法の言葉がけ」の効果を実感しました。

子育てに「ずぼら」になろう

本書では「わたしメッセージ」の効果的な使い方、またイライラせずに物事が順調に進むための言葉がけについて、さらに詳しく解説されています。

しかし島谷さんの最強のメソッドは、子どもへの「言葉がけ」だけではないんです。それはずばり「ずぼら力」を培うこと。

「ずぼら」というと家事を手抜きするといったイメージですが、島谷さんのいう「ずぼら力」とは、「子どもが困らないように、ちゃんとしなきゃ」という考えから離れ、子どもが何かしても「ま、いっか」と受け止める。そして子ども自身の問題は子どもが自ら解決するよう信じて見守る、ということなんです。

島谷さんの「ずぼら」エピソードには、前述の「子どもに『勉強しなさい』と言わない」のほかに、「ランドセルの中身をチェックしない」「通知表、成績表を見ない」「朝寝坊しても起こしに行かない」など、「え、いいの!?」というなかなか衝撃的な内容が並びます。

しかしそんな「ま、いっか母ちゃん」の「魔法の言葉がけ」とともに育った三つ子たちは、自分で将来の夢を選択し、そのために自ら努力して、今立派に夢を叶えているのです。

規格外の子育てをしてきた島谷さんだからこそ、提唱できる魔法のメソッド。その内容は驚くべきものですが、日々子育てに奮闘するママ・パパに寄り添って励ましてくれる温かいメッセージにあふれています。子どもとのやり取りに疲れてしまったママ・パパ、ぜひ一度手に取ってみませんか?

『子どもに伝わる魔法の「ほめ方」「叱り方」 モンスター三つ子男子の母ちゃんが見つけた』
著者:島谷 留美
発行:講談社
定価:単行本(ソフトカバー)1,540円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,069円(税込)
amazon購入はこちら

【わたし的評価】
満足度   ★★★★★
実践度   ★★★★☆
読みやすさ ★★★☆☆
わかりやすさ★★★★☆

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執筆者

ライター タキザワミユキ

何にでも興味津々なやんちゃな3兄妹を育てるママライター。留学・語学学校での勤務経験を活かし、さまざまなテーマで執筆しています。子供たちの笑顔が毎日の癒し!子供の成長はあっという間だなと実感する日々です。

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