「勉強したらおもちゃを買う」はアリ?子どもを動かすためのご褒美の考え方

「勉強したらおもちゃを買う」はアリ?子どもを動かすためのご褒美の考え方
勉強をがんばったらご褒美…はOKなの?ご褒美に依存しすぎない「子どもを動かすためのご褒美」について、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えていただきます。
目次

勉強や習い事、お手伝い、そのほか生活の中でやるべきこと…
子どもに何かをやらせたいとき、そのモチベーションをあげるために「〇〇をやったら✕✕していいよ」「〇〇をがんばったら✕✕を買ってあげる」など、ご褒美を使っているママやパパは多いのではないでしょうか。

でも、ご褒美が当たり前になってしまうと、子どもが「ご褒美がないとやらない」「ご褒美がいらないからやらない」…なんて反応をすることも。そうなると親としてはご褒美の是非を考えてしまいますよね。

そんな悩ましい「子どもを動かすためのご褒美」について、家庭教育アドバイザーのTERUさんに、どう考えたらよいのかを教えてもらいました。

子どもへの「ご褒美の必要性」を改めて考える

子どものモチベーションを上げるために「ご褒美」を使っている家庭は多いと思います。そもそも子どもの行動の対価として「ご褒美を与える」のはよいことなのでしょうか

おやこのくふう編集部 編集部

ご褒美にはいろいろな考え方があります。子どもの年齢にもよりますし、何をご褒美にするのか、何に対するご褒美なのか、どのくらいの頻度で与えるのかなど、いろんな要素が組み合わさった「その子へのご褒美のあげ方」でその影響は変わってきます。そのため、一概に「ご褒美はいい・悪い」を語ることはできません。

親が子どもにご褒美を設定することがもっとも多いと思われる「勉強」について考えてみましょう。

基本的な考え方として、本来勉強はご褒美がなくてもできるのが一番です。ご褒美があるからやるのではなく、勉強の楽しさを感じて自ら進んで取り組める、または習慣として勉強するのが当たり前であることが理想です。

ですから、いきなり「勉強をさせたいからご褒美をあげよう」と考えるのではなく、理想の状態にするためにどんなサポートができるのかを考えてみましょう。

わが子が学びを楽しいと感じられるためには、どんな声かけや環境作りがよいのでしょうか。

たとえば、勉強の本質を好きになるために日常の中で遊びながら勉強の要素にふれる。あるいは、競争で燃えるタイプの子に周りと競争できる環境を用意する、慎重なタイプの子にレベルに合ったスモールステップを用意して、できるようになる楽しさを感じさせるといった方法もあります。

このように、まずはその子に合った方法で勉強のモチベーションを上げるサポートをしてみてください。

その結果、ご褒美がなくても勉強するようになれば、あえてご褒美を利用する必要はありません。本当はご褒美が必要ないのにもかかわらず余計なご褒美のしくみを作ってしまうと、今あるモチベーションを下げてしまうことになるかもしれません。ご褒美をどうあげるかを考える前に、ご褒美の必要性を改めて考えることが大切です。

子どもが「毎日当たり前にしていること」をご褒美にする

ご褒美が必要な場合は、何をご褒美にするのがよいのでしょうか

おやこのくふう編集部 編集部

子どもへのご褒美には言葉かけのような精神的なご褒美もありますが、今回は気になっている親御さんが多いであろう「物理的なご褒美」で考えてみましょう。

おそらく多いのは、新しいおもちゃやゲームを買ってもらうこと。特別にテレビやゲームが見られることや、どこかへ連れて行ってもらうこともありそうですね。

このような"モノ"や"コト"が手に入るご褒美は子どもが喜びますし、勉強へのモチベーションになるかもしれませんが、効果的な半面「ご褒美がないとやらなくなるのではないか?」「そのうちご褒美の効果が薄れてしまうのではないか?」という不安もあります。

そこで、子どもが依存しにくく持続性のあるご褒美として、子どもにとって新たに何かが手に入ることではなく、すでに"当たり前にしていること"をご褒美にすることをおすすめします。

子どもが毎日楽しそうにやっていることや、楽しみにしていること、好きなことは何でしょうか。
それはおやつかもしれませんし、絵本を読んでもらうこと、あるいは1日30分のYouTubeやゲームかもしれません。これらをご褒美にできないかと考えてみるのです。

子どもがすでに毎日していることは、子どもがこれからも毎日するであろうことです。それをご褒美にできれば、爆発的な効果はなくても継続的に勉強へのモチベーションを保つことが可能になります。

TERUさんご本人が解説!子どもへの良いご褒美のあげ方

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ご褒美というと、どうしても新しい物を買い与えたり特別なことを許したりするイメージが強いもの。親がその思い込みをいったんやめてみては?というTERUさんからのアドバイスでした。

とはいえ「それで本当に効果があるの?」という疑問も。次の記事では、子どもにとって当たり前のことをご褒美にするための工夫や、これまで与えていたご褒美を切り替えるときのポイントを紹介します。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 西方 香澄

徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。

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