3人育児に奮闘中のママライター、タキザワです。
多くのママ・パパが悩んでいるであろう、子どもの勉強への姿勢。子どもの勉強がなかなか進まず、つい怒ってしまうという人も多いのではないでしょうか。
筆者の長男もついつい遊びが優先になってしまって勉強のドリルが思うように進まず…。「勉強しないと、今日のゲームはなしだよ!」とつい脅すような言葉がでてしまい、自己嫌悪する日々を送っていました。
「どうしたら自分からやってくれるようになるんだろう…」と悶々としていたところに出会ったのがこちら、『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』(杉山奈津子著・講談社ビーシー刊)です!
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「子どもを伸ばすポジティブな言葉かけ」を紹介している本書。言ってしまいがちなネガティブな言葉を例に挙げ、どうポジティブに変換すればいいのかを、かわいいイラストや漫画とともにわかりやすく解説しています。
著者である杉山奈津子さんは高校時代、偏差値が29しかありませんでしたが、独学で東大に合格したという驚くべき経歴を持つ「東大ママ」!その成功の根底にあるのは、両親の前向きな言葉だったといいます。
杉山さんが「東大を受ける」と言ったとき、周囲の誰もが「あなたには難しい」と否定しましたが、両親だけは「あなたなら、頑張ればできると思う」と言ってくれたそう。その後どんな困難に直面しても、「自分なら頑張れる」と思い結果を残してこれたのは、つねに前向きな言葉をくれた両親のおかげだと杉山さんはいいます。
「親のポジティブな言葉かけこそが、子どもを伸ばす最高の手段」という考えは、自らの経験を軸としているのですね。
「ちゃんと勉強しなさい!」「集中して!」子どもにそう声をかけたら、余計にやらなくなってしまった…ということはありませんか?
筆者も子どもについ言ってしまいがちなのですが、このような命令口調では、逆にやる気をなくしてしまうのだそう!これは人間に生まれつき備わっている「心理的リアクタンス」という「自分の行動は自分で選びたい」という本能が働くからなんだそうです。
「今からしようと思っていたのに、ママに言われたからやる気なくした」というよく聞く言葉こそ、心理的リアクタンスの表れ。親としてはついイラッとしてしまうひと言ですが、脳の働きによるものだったんですね!
子どもだって遊んでいても、頭の片隅で「勉強しなきゃ」と気にしてはいます。そこで「遊んでないで、勉強しなさい!」と命令されると、子どもは行動を強制されたと思い、やる気をなくしてしまうんだとか。
そこで杉山さんがおすすめする、子どものやる気を保ちながら勉強を促す声かけ。それは「選択肢を出して、子ども自身に選ばせる」という方法!自分の意思でやることを選べば「意思を尊重されている」という気持ちになるので、心理的リアクタンスは働かないというのです。
さっそく、勉強になかなか積極的になれない長男に試してみました。その日も帰宅するなり、おやつを食べてソファーでごろごろする長男。一向に始めようとする気配がないので、筆者から「今日はワーク、どのページやる?ひらがな?計算?」と聞いてみました。すると「うーん…計算!」と言って、机に座ったではないですか!
正直なところ、ひらがなの練習の方が進んでないのでそちらをやってほしかったのですが、自分からやろうとしてくれてるならOK!その後も「何ページやる?4ページ?5ページ?」と長男に聞きながら、進めていきました。
いつもはワークを嫌々する長男に筆者もイライラしてしまい、険悪な雰囲気になってしまうのですが、この日はお互い笑顔のまま完了!自分で選んでやっているからか、いつもより集中できていたように思います。杉山式声かけの効果抜群です!
杉山さんは、親が「怒る」と「しかる」の違いを意識することがとても大切だといいます。
たとえば、子どもがうっかりコップの水をこぼしてしまったとします。この時「何してるの!」と声を荒げるのが「怒る」ということ。対して感情的にならず、冷静に「手が当たっちゃったんだね。次から気をつけようね」と助言することが「しかる」「注意する」ということです。
子どもがなかなか言うことを聞いてくれないとき、思わず「いい加減にして!」「これ以上、怒らせないで!」と言ってしまうことはありませんか?筆者も我慢できなくなると言ってしまうことがあるのですが、杉山さん曰くこの言葉は言い換えれば、親である自分に「これ以上、迷惑をかけないで」という自分本位な言い方なんだとか…。
怒鳴られてその場で言うことを聞くこともありますが、それは恐怖で子どもを抑えつけただけ。子どもは怯えて中断しただけなのでまた繰り返すかもしれませんし、そのたびにこんな風に怒られていたのでは、親への恐怖心が募るばかりで自己肯定感は下がる一方だと杉山さんはいいます。
そもそも怒ることの目的は、子どもに「ママ・パパはこうしてほしいと思っているんだよ」と理解してもらうこと。怒りを子どもにぶつけていては、気持ちは伝わらないし、子どもを傷つけてしまうし、いいことなんて何もないんですよね。
そこで有効なのは「アンガーマネジメント」という、怒りとうまく付き合うための心理トレーニング。突発的な怒りの感情をコントロールできるようになれば、子どもに対しても理性的な言葉で対応できるようになり、親子ともどもストレスが減るのだそう!
方法としては、怒りそうになったら頭の中で数字を数えたり、冷静になるための言葉を決めておくなどがありますが、子どもに対しては、「あと1回それをやったら怒るよ」という忠告するだけで、十分な抑止力になるといいます。
親である自分の言葉が、どれだけ子どもに影響を与えるか思い知らされる、こちらの1冊。ふと口から出た言葉が、子どもの心に深く刺さっているのかもと怖くなりました。しかし、だからこそのこの『「子どもを伸ばす言葉」事典』!「しかり方」のほかに、より効果的な「ほめ方」「反応」「うながし方」など、さっそく試したい「声かけ」の方法が満載!
この本で学んだポジティブな声かけを使って、子どもも、親である自分ものびのび成長できる子育てを目指したいと思いました。
『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』
著者:杉山 奈津子
発行:講談社ビーシー
定価:単行本(ソフトカバー)1,760円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,650円(税込)
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【わたし的評価】
満足度 ★★★★☆
実践度 ★★★★★
読みやすさ ★★★★☆
わかりやすさ★★★★☆
ライター タキザワミユキ
何にでも興味津々なやんちゃな3兄妹を育てるママライター。留学・語学学校での勤務経験を活かし、さまざまなテーマで執筆しています。子供たちの笑顔が毎日の癒し!子供の成長はあっという間だなと実感する日々です。
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