新幹線で…父「トイレ行ってくる」私「うん」だが戻って来た瞬間⇒「おいコラ！」乗客を怒鳴りつけて―！？

無口な父の一喝

これは私がまだ幼かった頃、家族で新幹線に乗って帰省したときの話です。当時生後数ヶ月の弟を連れた母と、私、そして父の4人旅でした。

あと数駅で到着というタイミングで、父が「ちょっとトイレ行ってくる」と席を立ち、私が「うん」と見送った直後のことです。突然弟が泣き出してしまい、大きな泣き声が響いてしまったのです。

すると、近くにいた顔の赤い男性が突然母に「うるさいんだよ！降りろ！管理もできねぇのか！」と怒鳴り散らしてきました。母は青ざめて「すみません」と必死にあやしていましたが、男性の罵声は止まりません。私もあまりの剣幕に恐怖で震えていました。

そのときです。トイレから戻ってきた父が、状況を見るなり鬼のような形相で男性の間に入り込みました。

「おいコラ！！！」「このくらいの子どもが泣くのは当たり前だろ！」

普段は無口で温厚な父の、車内に響き渡るような怒号。見たことのない父の迫力に、すぐに連れの人が「すまん、飲み過ぎてて…」と男性を引きずって行きました。

シンとする車内に父はすぐさま我に返ると、周囲の乗客に向かって「うるさくして申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げ、静かに着席しました。

降車時、酔いが覚めた男性が「言い過ぎました…」と謝りに来ましたが… 家族を守るために本気で怒り、周囲への配慮も忘れない父。その背中は、今でも忘れられないほど大きく見えました。

（女性/42代/主婦）

電車やバス、新幹線など、たくさんの人が行き交う公共の場所。誰もが使う場所だからこそ、ちょっとしたマナーや気遣いが必要ですよね。

みんなが気持ちよく利用できるよう、日頃から思いやりの心を持って過ごしたいものです。

※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。