路線図を見る年配女性に声を掛ける青年。案内した直後⇒「おばちゃんは座ってて、俺…」その後の行動に涙…

派手な彼の意外な素顔

都会へ向かう電車に乗っていたときのことです。

車内に少し派手な格好をした、一見するとやんちゃそうな青年がいました。その青年が、路線図をじーっと不安そうに見上げている年配の女性に「大丈夫？」と声をかけたのです。

女性は初めての都会に戸惑っているようで、乗り換えや出口の場所を何度も確かめていました。しかし、青年は嫌な顔一つしません。

路線図を指し示しながら丁寧に説明をしてあげていました。女性が不安げに何度か聞き返しても、青年は優しく繰り返して安心させてあげています。

そして一通り答えたあと、青年はこう言ったのです。

「おばちゃんは座ってて。俺も途中まで一緒だから、降りるタイミング教えますよ」

そう言って、女性をさりげなく空いている席に座らせたのです。そのあまりにもスマートで優しい配慮に、車内の空気もふっと和らいだのを感じました。

やがて女性が降りる駅に到着。「気を付けてな」と軽く手を振って見送る青年の姿を見て、なんだかとても尊いものを見た気がしました。

その青年が電車を降りるとき、私は心の中で小さな拍手を送りました。

（男性/31歳/自営業）

※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。