ほのぼのほろり…話題の絵本『♪ピンポンパンポンプー』を親子で読んでみた!子どもの傍らに置いておきたい絵本

ほのぼのほろり…話題の絵本『♪ピンポンパンポンプー』を親子で読んでみた!子どもの傍らに置いておきたい絵本
発売前から予約注文だけでもベストセラーとなった、話題の絵本『♪ピンポンパンポンプー』。さっそく絵本好き4歳男児といっしょにおやこで読んだ感想をお届けします。
目次

発売前から予約注文殺到で、11月末の発売以降爆発的に売れている話題の絵本『♪ピンポンパンポンプー』。
テレビ朝日系「中居正広のニュースな会」の番組内で出演している中居正広さん、ベストセラー作家でもある劇団ひとりさん、社会学者の古市憲寿さんがタッグを組んで、約半年にわたって企画と制作を進めてきた絵本。
3人の打ち合わせや、出版社との打ち合わせの様子が詳しく放送されていたので、読んでみたいと思われている方も多いのではないでしょうか。

『♪ピンポンパンポンプー』という不思議な響きのタイトルは、監修の中居正広さんがインスピレーションで名付けたものなんだとか。
どうしてこんなに人気なの?幼児でもちゃんと楽しめるの?そこで私、ライター山口が親子で読んでみました。

※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

発売後Amazonで入荷待ち…期待が高まる!

Amazonで購入しようとするものの入荷待ちの状態。書店では山積みになっていたものの「おひとりさま3冊まで」と購入制限がかけられていました。ちょうどクリスマスシーズンということもあり、プレゼント用に何冊もまとめ買いする方がいるのでしょうか…?
その売れっぷりに期待が高まります。

とうとう入手しました!
絵を担当したのは、ボローニャ国際絵本原画展に入選したこともあるイラストレーターの小山友子さん。早くページをめくりたくなる楽しげなデザインの表紙です。

絵本好きの4歳男子は何度もリピート読み!

絵本や幼年童話が大好きで、自らも絵本を作って楽しんでいるわが家の4歳児と一緒に読んでみました。

主人公はカピバラののんちゃんとびりーくん。大の仲良しで、いつもいっしょ。でも性格はまるで違っています。
ちょっと気が弱くて自信のないびりーくんと、そんなびりーくんをぐいぐい引っ張っていく明るくて行動派ののんちゃん。
そんなふたりが、びりーくんの誕生日に、いっしょに「のんびりーらんど」へ行こうと約束します。
ところが、約束の場所にのんちゃんは来ません。
いつまでたっても来ません。いつまでたっても……。
びりーくんは悲しくなって、のんちゃんを嫌いになろうと決心します。そこで次々と思い出されるのんちゃんの無茶な要求……

読み終わったとたん、息子は「おもしろい!もう一回!」と大喜び。
「ねずみの赤ちゃんの絵がおもしろい」「遊園地の絵がおもしろい」「お誕生日ケーキに名前が書いてあるのがおもしろい」と、絵を指さしながらじっくり眺めています。

「友だちを信じる気持ち」に焦点が当てられている

息子:この人(=びりーくん)、どうしてしょんぼりしてるの。遊園地にパパとママが行ってくれないから?
私:ちがうよ、のんちゃんが待ち合わせに来なかったからでしょ。
息子:え?子どもだけで遊園地に行けるの?
私:……
息子:プレゼントの「おもいで」って何?

「記憶」や「思い出」が物語のカギを握っているところが、目の前の体験重視の4歳児には少し難しかったかな??

絵本の告知や帯に「ケンカしても大丈夫」というフレーズがあったので、仲良しのふたりがケンカをして仲直りする物語を期待しましたが、この絵本の中で、のんちゃんとびりーくんはケンカをしていません。
約束をすっぽかされたびりーくんが、一人でのんちゃんのいやなところを思い出しているだけなのです。

じつは物語の見どころは、「ケンカ」でも「仲直り」でもないところにありました。
約束をすっぽかされたびりーくんの、のんちゃんを信じる気持ちが揺らぐところに焦点が当てられています。
頭の中でぐるぐる、いろんなことを思い出しながら出したびりーくんの結論は……?
きっと実際にケンカをしていても、びりーくんは頭の中でぐるぐる、のんちゃんの本当の意図をあれこれ考えて葛藤したにちがいありません。
一方で、のんちゃんも悩んでいたようです。
相手を思いやる気持ちをどうやって表したらいいのか、どうやったら伝わるのか。そしてそんなふたりが再会する物語の結末は、ほんわか幸せに包まれます。

びりーくんの姿に健気でほろり…子どものそばに置いておきたい絵本

ストーリーに意外性はありませんが、子どもの繊細な心の機微をとらえた作品で、一生懸命に悲しい気持ちを乗り越えようとするびりーくんの姿が健気で、ほろりとします。悲しい気持ちのときには、物事の見え方も変わるということを考えさせられました。

小山友子さんのあたたか味のあるレトロな色合いの版画の絵が、びりーくんの心の動きに、ほのぼのとした雰囲気を添えています。

今もひとりでページをめくりながら「おもしろい、おもしろい」と絵を眺めている息子。

今は内容を理解できていなくても、将来、友だちのことで腹を立てたり、悲しい思いをしたり、さびしい思いをしたときに、この絵本が勇気づけてくれたらいいなと思います。

♪ピンポンパンポンプー
中居正広(著)、劇団ひとり(著)、古市憲寿(著)
発行:マガジンハウス
価格:1,650円(税込)
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執筆者

ライター 山口 舞

大学卒業後、テレビ局に勤務。幼児番組などを担当する。退職後、書籍・雑誌の編集に携わり、実用書や英語テキスト等を担当する。現在は、4歳男子の子育てをしながら、児童書の編集、児童文学創作、ソビエト児童文学の翻訳など活動中。

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