これは私が前の会社で、飲食店の店長をしていたときの話です。
そのお店では二か月に一度、業者に依頼して害虫駆除を行っていました。 駆除の翌日はいつもより早めに出勤して店舗全体を見回り、虫がいないか徹底的にチェックします。 飲食店として衛生管理は命ですから、客席やキッチンなど普段の倍の時間をかけて念入りに清掃を行っていました。
そんなある日のこと。 お昼のピークも終わりに差し掛かった頃、15名ほどの団体のお客様が来店されました。 私たちは大慌てで調理を行い、なんとか料理を提供し終えました。 やれやれと一息ついたそのときです。
ホールから「これ虫だろ!」というお客様の怒声と、ホールスタッフの「大変申し訳ございません。確認いたします……」という何やら不穏なやり取りが聞こえてきました。 それからすぐ、血相を変えてキッチンに「店長!料理の中に虫が入っているとクレームです!」と駆け込んでくるホールスタッフ…。
私は顔面蒼白になりながら、急いでテーブルへ向かいました。 「大変申し訳ございません!」と平謝りしつつ、恐る恐るご指摘のあった料理の中を確認します。 すると、そこにあったのは…。
「…お客様。大変恐縮ですが、こちらは『松の実』でございます」
そう、それは食材の松の実でした。 丁寧に説明すると、お客様はバツが悪そうに、でも少し不機嫌に「ほんと紛らわしい!」と捨て台詞を吐かれました。そして気まずかったのか、食事のほとんどを残して退店されました。
理不尽に逆ギレされてムッとしましたが、それ以上に「本当に虫じゃなくてよかった」と心底ホッとして脱力した出来事です。
(男性/30歳/会社員)
さまざまな人が利用する飲食店では、ちょっとしたことでトラブルに発展することもあります。 楽しいはずの外食の時間だからこそ、みんなが思いやりを持って過ごせたらいいですね。
※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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