新婚の頃、私は料理があまり得意ではありませんでした。 毎日のように一生懸命作ってはいたのですが、どうしても味が安定しなかったのです。
ある日、具だくさんの味噌汁を作って夫に出したときのことです。 一口飲んだ夫から「なんでこんなにおいしくないの? 人間が食べるものじゃない。食べられるわけないだろう」と言われてしまい、私は悲しくて泣いてしまいました。
そんな私の姿を見ても、夫は「こんなにまずい味噌汁を食べさせられる自分の方が泣きたいわ」と言い放ち、なんと台所のシンクの中に味噌汁をぶちまけたのです。
もうびっくりして、怖くて、涙が止まりませんでした。 「ああ、結婚したことを間違えたかもしれない」と心の底から後悔したのを覚えています。
結局、最後まで夫が謝ることはありませんでした。 それどころか、なぜか私が「まずい味噌汁を作ってごめんなさい。明日からは気をつけます」と謝る始末。
それからはそんな夫の姿を見たくなくて、必死に料理を作っていました。 ほぼトラウマに近い思い出だったので、脳が勝手に拒否反応を起こしていたのでしょう。
1年ほど経ったころには、その出来事をほとんど忘れていました。 しかしちょうどそのころ、夫が高熱で寝込んだのです。
そこでお粥を作ろうとキッチンに立ったとき、ふと新婚の頃に起きたあの出来事を思い出してしまいました。 そこからはもう、自分が自分じゃないようでした。
おもむろにスーパーへ行き、レトルトのお粥を購入。 それを夫のベッド脇にポンと置いて、そのまま実家へ帰りました。
夜になって改めて「とんでもないことをした」と思い、そっと帰宅しましたが、不思議と夫は何も言うことはありませんでした。 夫にも思うところがあったのか、それとも高熱で何も言えなかっただけなのか…。 今でもその理由はわかりません。
(女性/55歳/主婦)
手間をかけて作った料理に返ってくる“何気ないひと言”は、ときに想像以上に心を傷つけます。 家族だからこそ、言葉の温度にもう少し敏感でいたいもの。
すれ違いが大きなトラブルにならないよう、日頃から丁寧なコミュニケーションを心がけたいですね。
※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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