『子どもの言葉がなかなか出ない…』と悩む親へ、子どもの話す力をグングン育てる保育士の関わり方

『子どもの言葉がなかなか出ない…』と悩む親へ、子どもの話す力をグングン育てる保育士の関わり方
周りの子がスラスラと話し始める中で、まだ「マンマ」「ブーブ」といった単語しか出てこないわが子。 育児書やネットの情報と見比べては「うちの子は発達が遅れているのではないか」と不安になり、夜な夜な検索を繰り返してしまう親御さんは少なくありません。 しかし、言葉の発達には個人差があり、目に見えないところで着実に準備が進んでいるものです。 今回は、言葉のコップに水が溜まるメカニズムを理解し、焦る心を穏やかに整えるための視点を解説します。
目次

1. 溢れ出すまでには一定の蓄積が必要である

子どもの言葉の発達は、よくコップと水に例えられます。 親御さんが話しかける言葉の一つひとつが、お子さんの心にある「言葉のコップ」に溜まっていく一滴の水です。

コップの大きさや形は一人ひとり異なり、一滴ずつ溜まるスピードも違います。 外側に言葉として溢れ出すためには、まずコップを水でいっぱいに満たさなければなりません。

今はまだ何も話していないように見えても、お子さんの内側では言葉という名の水が着実に溜まっている最中です。

2. 話す力よりも先に理解する力が育つ

言葉が出る前の段階で最も重要なのは、こちらの言うことを理解しているかどうかです。 「お外に行くよ」「お靴を持ってきて」という呼びかけに反応して動けるのであれば、言葉を受け取る受容言語の力はしっかりと育っています。

出す準備は整いつつあり、あとはそれを発信する勇気やタイミングを待っている状態です。 話せないことを嘆くのではなく、こちらの意図を汲み取ってくれる理解力の成長を、まずは全力で喜んであげてください。

3. 指差しや表情も立派なコミュニケーションである

言葉はコミュニケーションの一つの手段に過ぎません。 欲しいものを指差す、嬉しいときに満面の笑みを浮かべる、嫌なときに首を振る。

これらはすべて、言葉に頼らない立派な意思表示です。 非言語のやり取りが豊かであればあるほど、言葉の土台は強固になります。

おやこで目が合い、心が通じ合っている実感があるなら、焦る必要は全くありません。 言葉というツールが加わる日を、今の豊かな表情を楽しみながら待ってあげてください。

4. 言わせてみようとするプレッシャーを外す

「これなあに?」「りんごって言ってみて」と、言葉を無理に引き出そうとする働きかけは、お子さんにとって大きなプレッシャーになります。 話すことが「正解を求められるテスト」になってしまうと、お子さんは失敗を恐れて口を閉ざしてしまいます。

代わりに、親御さんが実況中継をするように、お子さんの動きを言葉にしてあげてください。 「赤いバスが通ったね」「おいしいね」と、楽しそうに言葉を投げかけ続けることが、コップの水を増やす一番の近道です。

5. 比較の物差しを捨てて昨日の我が子を見る

平均や他人の子と比較することは、親御さんの不安を煽るだけで何の解決にもなりません。 比べるべき相手は、一ヶ月前、あるいは昨日の我が子です。

以前よりも動画の音楽に反応するようになった、指差しの回数が増えた、そんな小さな変化を見逃さないでください。 お子さんにはお子さんだけの、誰にも邪魔されない成長の黄金期があります。

親御さんがどっしりと構えて信じていることが、お子さんにとって何よりの安心感となります。

まとめ

言葉が遅いのではと焦るときは、お子さんが心の中で一生懸命に言葉の種を育てている大切な時期です。 いつかコップの水が溢れ出し、堰を切ったようにおしゃべりが始まる日は必ずやってきます。

そのとき、親御さんの温かな言葉がたっぷりと溜まったコップからは、きっとすてきな言葉がたくさん溢れてくるはずです。 今は沈黙の時間さえも、深い絆を育むための大切なプロセスだと捉えてみてください。

焦らず、急かさず、お子さんのペースで言葉が芽吹く瞬間を、楽しみにしていてくださいね。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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