前回の記事「すごい」「よくできたね」では不十分だった!子どもを本当に伸ばす【6つのほめ方】では、ほめることは子どものモチベーションにつながること、そして、たくさんよい声かけができる6つの効果的なほめ方を教えてもらいました。
今回教えてもらうのは、よくないほめ方について。子どもにしっかり寄り添って、適切な声かけをすることが大切です。
親はほめているつもりでも、子どもに伝わらない、むしろ逆効果になってしまう声かけもあります。次の3つのことは気を付けてください。
親が結果ばかりをほめていると、子どもも「結果がすべて」「よい結果を出さないと親に認めてもらえないんだ」と思ってしまいます。
たとえば、何かがうまくできたことを「すごいね!」とほめつづけていると、できなかったときに、親も子もその結果を認められなくなってしまうことも。
結果がどうであれ、それに向けてがんばっているプロセスを見てほめてあげることを心がけてください。
「すごい!」「えらいね!」など、具体的でない言葉で、回数多くほめられることが当たり前になると、子どもは、ほめられることがいつしか目的にすり変わって、ほめてもらえないとやらなくなってしまうことが。
親の見ていないときには、あからさまに手を抜いてやらなくなったり…。
とりあえずの「すごい!」「えらいね」連発はやめ、本当に認めてあげたいという言動について、具体的に伝えるように心がけましょう。
そして、特に注意して欲しいことは、ほめるときに「親の感情を過度にのせないこと」。
「子どもをほめて伸ばす」という言葉が頭にあると、純粋に子どものことを認めてあげたいという気持ちではなく、つい"ほめることで何かさせよう"という親の下心がのってしまうことがあります。
たしかにほめることは「またやろう!」と子どものモチベーションにつながります。でも、「がんばれていないことを、がんばらせるためにほめる」のはNGです。
具体的には、子ども自身が「がんばれていないな」と感じているのに、「すごい!がんばってるね!次はできる!」など、親が反応しすぎていたり、失敗してもさほど落ち込んでないのに、「大丈夫!がんばっているから次はできる!」など、けしかけすぎていたり…。
このように、子どもの感情を飛び越えて親が過剰に反応している場面をよく見かけることがあります。
本心からではないとわかる"演技がかったほめ方"になってしまったり、空気を取りつくろうような大げさなほめ方をしていないかどうか、親は自身をぜひ振り返ってみてください。
親の魂胆が透けて見えると、それは子どもにも伝わります。
大切なのは子どもがどう感じているかなので、その寄り添いなくしては「ほめ」は成立しないのです。
***
ほめて子どもを動かそうとする…知らず知らずのうちにやってしまっていることかも!
「ほめなければ」という気持ちが強くなりすぎると、間違った方向にいってしまうこともあります。ほめることが目的ではなく、大切なのは子どもにどう伝わるかを忘れずに。
力まずによい声かけができるようにしていけるといいですね。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku
ライター 赤司 陽子
大学卒業後、製薬会社での勤務を経て、大手教育関連企業に転職。約10年間幼児教育・小学生教育事業に携わる。その後夫の海外赴任に随行し、アメリカで出産・育児を経験。多様な価値観に触れる。帰国後、フリーのプランナー・エディター・ライターとして活動中。現在、5歳女子・3歳男子の年子育児に奮闘中。
よくないほめ方について教えてください