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性教育なんて…小学校からじゃないの?と思っているかたも多いかと思います。
でも、3歳ごろから「赤ちゃんってどこから出てくるの?」と質問されたり、「うんち!おしり!」などと公共の場で叫ばれたり…こういうとき、どうやって子どもに説明や注意をすべきか、悩むことありませんか?
一方、ちまたの性被害ニュースは被害も加害も低年齢化していて、決して他人事ではない昨今。
この『おうち性教育はじめます』では、防犯の観点からも、幼児のうちからの「おうち性教育」の必要性を提案しています。
でも一体いつ・だれが・どうやって伝えていけばいいの??と親自身も戸惑いの多い「性」。それをこの本ではほんわかタッチのマンガで非常にわかりやすく教えてくれます。
わが家でも、お風呂のときなどに3歳の長女が「おっぱい!」と触ってきます。そんなとき、「きゃーっ」なんて隠すしぐさをしていましたが…子どもはママとのふざけ合いが楽しくてキャッキャッと盛り上がるだけ。
さて、こういう場合どう対応するのが正しいのでしょうか…?
著者の村瀬幸浩氏は、3歳以上の子どもがいる家庭ではまず「プライベートパーツ」について話をしてほしいと語ります。
からだは全部その人のものですが、とくに他人(親も!)が勝手に触ったり見せたりしてはいけない部分、それがプライベートパーツです。
この4か所はその人のいのちに直接かかわる場所。
だからこそ、自分自身が大切に扱わなくてはならないし、勝手に触ったり見ようとしたりしてきた人には「嫌だ!」と言い、逃げるように教えるべきと、村瀬氏。
親子のふざけ合いでも「プライベートパーツ」を触ったり見たりするのはNGとのこと!なぜなら、拒否できずにいるといずれ犯罪被害者、場合によっては加害者になる可能性があるから…。子どもの「NO」を抑えこまないことが防犯につながり、自分や相手を尊重する心を育てると言います。
「プライベートパーツ」については生活の中で、繰り返し子どもに伝えることで、防犯・エチケット・マナーとして子どもに身につけさせていけるそう。これってすごく大事なことですよね!
読みながら、お風呂の中での親子のおふざけも、実は性教育につながる大切なシーンなんだと目からウロコでした!
「おっぱいはママの大切なところだから、触っちゃダメだよ」と次回からは娘に教えていこうと思います!!
「プライベートパーツ」の話から始まり、この本の中では親が子に大切なことを伝える内容、伝え方まで丁寧に教えてくれ、子育てそのものに役立つ情報も盛りだくさんです。
幼児のうちから、タッチング(なでる・抱きしめる・手をつなぐなど)とリスニング(言葉をさえぎらずに顔を見て耳を傾ける)をしてあげることで親の愛情が伝わり、子どもの自己肯定感が育つそう。
また、子どもに伝えるときに気を付けたい点として、
…など、具体的にアドバイスをしてくれています。
こうすることで子どもの自尊心を高めていき、他人に思いやりのある子に育てていけるそう。
親世代が性教育を丁寧に受けていないことが多く、子育てにおいて悩むことが多いのは事実。だからこそ、日々気になっていた「性」にまつわる子育ての悩みを、この本の中で解消していけます。
たとえば…
自分でからだを洗うのはいつから?
→2~3歳から練習を始めよう!
それによって、「自分の体は自分のもの」という意識が育ちます。そのとき親が子にかける声かけも大切で、「自分の体を好きになるための大切な土台をつくれる」そう。
「うんち」などの言葉を連呼するときにどう言えばいい?
→「聞いて嫌な気持ちになる人もいるから、おうちの外では言わないようにしよう」
そもそも幼児にとって、うんちやおしっこを出すことは「気持ちよくて誇らしい気持ちになること」。親と受け止め方が違うから、うんちやおしっこの話が大好きな子どもたち。そのうち言わなくなるから見守っておくだけでもいいとのこと!
ほかにも、男の子ならでは(射精など)・女の子ならでは(生理など)についてのことや、妊娠・出産についても子どもにどう伝えていくのがいいのか、具体的な伝え方とともに解説しています。
いつ子どもが興味を示して聞いてきてもきちんと向き合って話せるように、準備は早いに越したことはないんだなと読んで実感しました。
「おうち性教育」とは、子どもに正しい知識や情報を身につけさせると同時に、子どもに自分のことを大切にしてほしいという親の愛情を伝えていくことでもあるのだと、気づかされる『おうち性教育はじめます』。
ぜひ、恥ずかしがったり嫌悪感を抱くことなく、パパ・ママ一緒に学んで実践していくことをオススメします!
同性の親だからこそ伝えられること、異性の親だからこそ気を付けなくてはいけないこともたくさん気づかされますよ!幼児はもちろん、小学生以上の保護者のかたにもオススメの一冊です!
『おうち性教育はじめます』
著者:フクチマミ 村瀬幸浩
発行:KADOKAWA
定価:1,430円(税込) /Kindle版(電子書籍)1,287円(税込)
【わたし的評価】
満足度 ★★★★★
実践度 ★★★☆☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★★☆
ライター 河瀬 みこと
大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。