「叱り方が分からない」と悩むママ・パパへ|保育士が実践する、肯定的な関わり方

「叱り方が分からない」と悩むママ・パパへ|保育士が実践する、肯定的な関わり方
「叱らなきゃいけないのは分かっているけれど、どう叱ればいいのか…」「子どもを叱ると、自分まで嫌な気持ちになってしまって…」。子どもの叱り方に悩んでいるママやパパ、多いのではないでしょうか。子どもを育てるために、叱ることは必要不可欠ですが、大切なのは肯定的な関わり方を心がけることです。保育の現場で実践している「叱るより伸ばす」子育てのヒントをお伝えしましょう。一緒に子どもの良いところを見つける子育てを目指していきましょう。
目次

1. 「叱る」より「認める」を多く

子どもを叱るとき、ついネガティブな言葉が多くなってしまいがちです。 でも、子どもの自尊心を育むためには「叱る」より「認める」を多くすることが大切。

良いところをたくさん見つけて、具体的に褒めてあげましょう。 「お片付けを頑張ったね」「お友だちに優しくできたね」。 そんな風に、子どものがんばりを言葉にすることを心がけてみてください。

園でも、子どもの良い行動を見逃さず、しっかりと褒めることを大切にしています。 叱るときも「△△はとてもよかったけど、○○はとても残念だったな。」と、プラスの言葉を前後に添えるよう意識しています。

子どもの良いところに目を向ける習慣が、肯定的な子育ての第一歩になります。

2. 行動を叱る、子ども自身は認める

叱るときは、子どもの行動を叱るのであって、子ども自身を否定してはいけません。

「あなたの描く絵はとっても素敵。でも、絵を壁に描くのはやってはいけないことだよ。」 そんな風に、行動とその子自身を切り離して伝えることが大切です。

園でも、子どもの行動について話すときは「○○ちゃんは悪くないけれど、その行動は良くなかったね」と、行動を具体的に伝えるようにしています。 そうすることで、子どもは自分の行動を振り返り、どうすればよかったのかを考えるようになります。

行動を叱りつつ、その子の良さは認める。 そんな叱り方を心がけることが、子どもの自己肯定感を高めることにつながるのです。

3. 子どもの気持ちを受け止める

叱るときは、子どもの気持ちに寄り添うことも忘れずに。

「どうしてそんなことしたのかな」と、子どもの行動の理由を聞いてみましょう。 子どもなりの事情があるはず。 それを受け止めた上で「○○は危ないからダメなんだよ」と、行動の理由を丁寧に伝えてあげましょう。

園でも、子どもの気持ちを代弁し「○○ちゃんは悔しかったんだね。でも、叩いたらお友だちは痛いよね」と、気持ちに共感しつつ行動を正すようにしています。

子どもの心に寄り添いながら、優しくブレーキをかける。 そんな関わり方が、子どもの心を開くカギになります。

4. 一緒に解決策を考える

子どもを叱った後は「じゃあどうすればよかったのかな」と、一緒に解決策を考えてみるのも効果的です。

「我慢できなかったときは、先生に言えばいいんだよ」「貸してほしいときは、『貸して』って言おうね」 そんな風に、子どもができる具体的な方法を一緒に探してみましょう。 子ども自身で考えることで、次はどうすればいいのかが分かり、行動に移しやすくなります。

園でも、子どもと一緒に問題解決を図ることを大切にしています。 困ったときは、子どもの知恵を借りながら、みんなで解決策を見つけていく。 そうすることで、子どもの自己解決力も育っていくのです。

5. 親自身がお手本となる

何より忘れてはいけないのは、親自身が手本となることの大切さ。

子どもは、親の行動をよく観察しているもの。感情的に怒鳴ったり、言葉で傷つけたりしていては、子どもに良い影響は与えられません。 まずは親自身が、肯定的な言葉がけや行動を心がけることが実は何よりも大切です。

園でも、保育士が子どもにとってのお手本となるよう、言葉遣いや態度には十分に気をつけています。 穏やかに話す、優しい表情を心がける。 そんな何気ない姿勢が、子どもに大きな影響を与えているのだと実感しています。

親として、一人の人間として、子どもに見せたい姿を、まず自分が実践する。 それが、肯定的な子育ての原点です。

まとめ

大切なのは、叱るより認めることを多くし、子ども自身は認めたうえで「行動」だけを叱ること。 そして、子どもの気持ちを受け止め、一緒に解決策を考えること。 何より、親自身が手本となること。その積み重ねが、子どもの自尊心を育み、よりよい行動を促していきます。

ダメだったことを反省し、新しいやり方に挑戦する。 その繰り返しの中で、子どもたちは少しずつ自分で考え、行動できるようになっていきます。 その姿を見るたび、叱ることの難しさと、認めることの大切さを実感します。

ご家庭でも、どうか子どもの良いところを見つける子育てを心がけてみてください。 ダメなところより、良いところの方が何倍もある。 そう信じて、これからも一人ひとりの可能性に寄り添っていきましょう。

ライター / 監修者:でん吉

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執筆者

保育士 でん吉

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