「子どもの写真を SNS に投稿していい？」と迷うあなたへ｜保育士視点で考えるリスクと配慮点

「うちの子、今日も可愛かったな。写真をSNSに載せてみようかな…」スマホ片手に、そんな風に悩んだことはありませんか。子どもの写真を SNSでシェアすることは、現代の子育てではよく見る光景です。でも一方で、リスクも指摘されているのが事実です。保育の現場からみた、子どもの写真投稿の注意点をご紹介しましょう。

SNS投稿のメリット

まずは、子どもの写真をSNSに投稿するメリットから見ていきましょう。

1. 成長の記録になる

子どもの日々の成長を写真として残せるのは大きなメリット。 SNSは、そんな成長の記録を家族や友人と共有する場としても活用できます。

「あのときはこんなに小さかったんだね」「こんなことができるようになったんだ！」そんな会話が、家族の絆を深めるきっかけになるかもしれません。

2. 子育ての情報交換ができる

SNSで子どもの写真を共有することは、子育ての情報交換の場にもなります。 同じ年頃の子どもを持つママたちと、成長の様子を共有し合うことで子育てのヒントが得られるかもしれません。

「うちの子もこんなことするようになったの」「その遊び方、参考になるわ」そんなママ同士の会話が、子育ての励みになることもあるでしょう。

SNS投稿のリスク

一方で、子どもの写真を SNSに投稿することにはリスクも伴います。

1. プライバシーの問題

子どもの写真には、プライバシーに関わる情報が多く含まれています。 顔はもちろん、写り込んだ家の中の様子や、写真に付けたコメントから、子どもの生活パターンが推測されてしまうこともあります。

「学校に行ってる間は家に誰もいない」といった情報は、悪意ある人に悪用されるリスクがあるのです。

2. 肖像権の問題

子どもにも自分の写真をコントロールする権利があります。 それが「肖像権」です。

子どもの写真を無断で投稿することは、子どもの肖像権を侵害してしまう可能性があるのです。 特に、子どもが嫌がっているのに写真を撮ることは避けたいもの。

子どもの気持ちを尊重することが何より大切です。

3. ネット上での拡散リスク

一度ネットに公開した情報は完全には削除できません。 たとえ投稿を削除しても、誰かがコピーしていればいつまでもネット上に残り続けてしまうのです。

子どもの写真が悪用されるリスクを考えると、安易な投稿は控えましょう。 一度投稿する前に、十分に考える必要があります。

SNS 投稿時の配慮点

では、子どもの写真をSNSに投稿するときはどんな点に配慮すべきでしょうか。

1. プライバシー設定をしっかりと

SNSの投稿は、プライバシー設定を確認することから始めましょう。 公開範囲を「友だちのみ」に設定するなど、閲覧できる人を限定することが大切です。

また、子どもの個人情報につながるような写真は避けましょう。 必要箇所にはスタンプを貼るなど、工夫の仕方はいろいろあります。

2. 子どもの意思を尊重する

写真を撮るときも、投稿するときも、子どもの意思を尊重することが何より大切です。 「この写真、載せてもいい？」と一声かけてあげましょう。 子どもの気持ちを無視した投稿は、絶対に避けましょう。

子どもの「いいよ」が得られてから投稿するのがベストです。

3. 投稿内容をよく吟味する

投稿する写真はよく吟味することが大事です。 子どもが恥ずかしがるような写真や、将来子ども自身が後悔しそうな写真は避けたいもの。

また、写真につけるコメントにも注意が必要。 子どもの個人情報につながるような内容は控えめに。

投稿内容は常に子どもの将来を見据えて考えましょう。

まとめ

子どもの写真を SNSに投稿するときに大切なのは、リスクを理解した上で適切な配慮をすることです。 プライバシー設定や、子どもの意思尊重、内容の吟味など、一つ一つ確認しながら投稿を検討しましょう。

そして、何よりも大事なのは子どもとのリアルな時間を大切にすること。 SNS投稿に気を取られるあまり、子どもとの触れ合いが疎かにならないようにしましょう。

子どもの笑顔を、SNSではなく、リアルな目で見つめられる時間を大切にしていきましょう。

ライター / 監修：でん吉（保育士）