子育て中、「またイライラして怒ってしまった」と後悔した経験がある親御さんは多いのではないでしょうか?イライラの捉え方を見直し、自分に合った方法でアンガーマネジメントを実践すれば、子どもと向き合う時間が少し楽になるかもしれません。
前回の記事夏休み、子どもへのイライラ増えていませんか?子育てに生かせる「怒りのコントロール術」では、アンガーマネジメントで代表的な「6秒ルール」を紹介しました。
アンガーマネジメントの方法はまだあります。すべてを行う必要はなく、その中から1つ自分が取り入れやすいものを見つければ大丈夫です。今からすぐ試せる方法を紹介します。
アメリカのアンガーマネジメントで最初に学ぶのがこの方法だといわれています。
怒りを感じたら、部屋を出るなどして物理的に怒りの対象との距離をとりましょう。逃げるのは卑怯なことでもなんでもありません。
例えば、子どもと口喧嘩になってしまったときには「ちょっとトイレに行ってくるね」などと言って少しの間席を外し、怒りの対象である子どもと向き合わない時間をあえて作ります。
そうすることで、怒りのピークをやり過ごすことができる効果の高い方法です。
まずはすぐにできるこの方法を試してみるのはいいですね!
怒りが収まらないときは、目の前にある"怒りとは関係のないもの"に意識を集めてみましょう。
こちらもアンガーマネジメントの有名なテクニックの1つ「グラウンディング」という方法で、これをすることで怒りの感情を強制的に他へ向けることができます。
例えば、子どもが怒らせるようなことをしたときに、自分が手に持っているペンや目の前にある花を観察してみましょう。
「ピンクに赤いラインが入っているなぁ」とか「花びらは8枚あるなぁ」など、細かいところに意識を向け考えてみると、怒りが収まっていきます。
6秒ルールと同様に、怒りの感情に任せて衝動的な言動をしないように冷静さを取り戻すまでの時間稼ぎをすることができます。
イラッとする場面に遭遇したら、自分自身を落ち着かせるフレーズを口にしたり頭の中で呟いたりすることで気持ちを落ち着かせる方法です。
これは、「コーピング・マントラ」と呼ばれる手法で、人から言われて落ち着く言葉を自分自身に対して呪文のように唱えるのです。
ポイントは、あらかじめ使うフレーズを決めておくこと。事前に言葉を決めておけば、すぐに呪文を始められます。
ちなみにあるお母さんは、アンガーマネジメントを実践して「1か月怒らなかったら大好きなスイーツパラダイスに行く!」と決めていたので、「スイパラスイパラ」と呪文を唱えていたそうですよ。
怒りに自分が嫌だと考える名前をつけてみましょう。
例えば「イライラ鬼ババァ」のように名前をつけておくと、イライラしたときに「イライラ鬼ババァが出てきた!」と想起できます。
そしてそのネーミングのショッキングさから怒りを抑えることができるという方法です。これは、自分が言われて嫌な名前や嫌いな言葉をつけることがポイントです。
最後に紹介するのは、体を動かす方法です。
人は怒りを感じたとき、別のことに集中して取り組めれば、怒りを忘れていくものです。怒りがわいたらこの作業をすると決めておき、集中して取り組みます。没頭することで怒りを忘れましょう。
例えばひたすら折り紙を折る、掃除をする、ランニングをするなど…何でもOK!とくに体を動かして大きなエネルギーを発散する行為はストレス解消にも効果があるのでいいですね。
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意識をそらす、体を動かしてイライラを和らげるなど、さまざまな方法がありました。
あなたなら、怒りにどんな名前を付けますか?どれだけ嫌な名前を思いつくか、家族で話してみるのもいいかもしれません(笑)
全てを網羅する必要はありません。まずはいくつか試してみて、イライラしたときにとっさにできること、怒りをコントロールできそうな自分に合った方法を見つけていけるといいですね。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
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ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。