長引くコロナ禍、そしてこの夏休み。子どもと向き合う時間が増え、イライラしてしまうことが増えたと感じてはいませんか。
些細なことで声を荒げてしまう自分に自己嫌悪を感じたり、子どもの悲しそうな顔を見て後悔したり…。
自分に合った怒りをコントロールする方法を知っていると、そのストレスが少し軽くなるかもしれません。
まず親御さんに伝えておきたいのは、子どもの行動にイライラしてしまう自分を責めないでほしいということです。
怒りやイライラはネガティブに捉えられがちですが、それらは子どものことを真剣に思っているから起こる感情です。イライラしてしまうのは、子どものことを大切に思っている証であり、親として大事なものを持っているということ。
もちろん上手に怒りをコントロールして怒らないようにできている人もいますから、怒らない親御さんが子どもを大切に思っていないということではありません。
「イライラを減らしたい」「子どもを怒る回数を減らしたい」という親御さんは、まず自分が子どもを大切に思う気持ちを認めることから始めてほしいと思います。
「アンガーマネジメント」という言葉がよく聞かれるようになりましたね
「アンガーマネジメント」とは、怒りを上手くコントロールすることをいいます。
それは怒りを完全に悪いことだと捉えるのではなく、怒りと上手に付き合うための心理トレーニングです。元は1970年代のアメリカで、DV(家庭内暴力)や軽犯罪者の矯正プログラムとして生まれました。
現在はそれが一般化し、企業の研修などでも多く取り入れられています。それは「子育て」における親と子の関係でも生かすことができます。
では具体的に、怒りを抑えるにはどんな方法があるのでしょうか
まず代表的なコントロールの仕方をご紹介します。
怒りのピークは"最初の6秒間"にあるといわれています。
この6秒間を耐え、怒りに反射せず冷静になれば、感情のままに大きな怒りを相手にぶつけることを回避できます。怒りはたいてい、反射的に感情的な言葉を発してしまって、相手を興奮させてしまい、ヒートアップしていくものです。
最初の段階で冷静になり、怒りの程度を抑えられれば、ヒートアップして子どもに感情的にあたることを防ぐことができるでしょう。怒りを感じたら、まず1から6をゆっくり数えてみてください。
6秒数えるほかにも、怒りのピークをやり過ごすために
ちなみに、私は怒りを感じたとき、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の主題歌であるスガシカオさんの「Progress」を頭の中で歌うようにしています。
私はこの番組が大好きで、この曲を思い浮かべると熱い思いで自分の人生を進んでいる素晴らしい人たちが浮かんできて「自分もこんなことで怒っていちゃダメだ」と思えて怒りが収まっていくのがわかるのです。
このようにとっさにとれる"自分なりの方法"を見つけるのも手です。どんな方法でもよいので、まずは6秒間待てるようにしてみましょう。
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怒りをコントロールするためには「ちょっと待つ」。心の余裕を意識して持つことが大切。イライラのピークをうまくやり過ごせる自分なりの方法を予め見つけておくと、いざその場面でうまく生かせそうですね。
次回から、さらに詳しくTERUさんにイライラのコントロール法を教えていただきます。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
つい子どもにイライラしてしまい、自己嫌悪に陥る人も多いと思います