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子どもの食のお悩みQ&A

みんな悩んでた!「うちの子、食べるのが遅い…」小学校入学前に不安を解決しておくために親が知っておくと安心な3つのこと

みんな悩んでた!「うちの子、食べるのが遅い…」小学校入学前に不安を解決しておくために親が知っておくと安心な3つのこと
【保育園の栄養士が解説】意外と多い「子どもが食べるのに時間がかかる」というお悩み。小学校では給食時間が限られていることもあり、就学前に焦っているおやこもいるのでは?食事が遅い原因や対策を元保育園勤務の栄養士・砂糖さおりさんに聞きました。
目次

食の悩みアンケートの中でも3位にランクインしているように、子どもの食事のスピードに不安を感じている親御さんも多いようです。

特に小学校入学を控えたタイミングであれば、学校給食がきちんと食べられるかどうかも気になりますよね。 今回は子どもが食事に時間がかかってしまうことに対して考えられる原因と対策について、解説していきます。

ポイント1:唾液量やあごの力にも個人差がある

まず子どもには消化機能や咀嚼機能に個人差があり、それが食べるスピードにも影響していることがあることを保護者の方は知っておくとよいでしょう。

子どもの唾液量は成人と変わらないといわれますが、どうしても個人差があります。そのほかにも歯の発達やあごの力など、成長のスピードの個人差が、食べるスピードへ与える影響も少なからずあります。

口の中でよく噛むことは、消化の大切なファーストステップです。よく噛めるまで見守ってあげたいところですが、どうしても急いでいる場合は細かくしたりよく加熱したりして食べやすくしてあげるのがおすすめです。

例えばほうれん草など繊維があるものは、お浸しではなく刻んでオムレツに入れてあげたり、お味噌汁に入れてクタっとするまで煮てあげたり。汁物であれば水に溶けてしまう栄養素も一緒に摂れるので、栄養面を心配しているときにはおすすめですよ。

ポイント2:食事にあまり興味がないなら盛り上げる体験を

一生懸命食べようとしているというよりは、最初の10分くらい少し口をつけて、あとはダラダラ食べないという子もいるでしょう。 目の前の食べ物で注意を引けない場合、子どもがあまり食事に対して関心を持っていないので食べるのに飽きてしまい、食が進まないのかもしれません。

子どもは多くのものに興味関心があるので、「まだ食事に興味が向いていない」と考えて、なるべくたくさんの食体験をさせてあげたいところです。

おやつでは「食事で補いきれない栄養を摂る」という観点で、なるべく子供に良いものを選ぶ親御さんも多いと思いますが、たまには食感で選んでみるのはいかがでしょうか?

マシュマロの「むぎゅっ」とした感触や、シャーベットの「シャリシャリ」とした食感は、なかなか3度の食事では体験しにくいものです。食べることに対する新しい刺激が、子どもの食べる意欲を上手に引き出してくれるかもしれません。

またいろいろな食材を食べさせてあげることは、子どもの味覚の幅を広げていく上でとても大切です。 しかし、わかってはいても、料理のレパートリーを増やすことは簡単なことではありませんよね。

そこでおすすめなのが味付けは変えずに食材を変えることです。特に「きんぴら」は、どのような食材を使っても美味しくできます。 「ピーマンとにんじんとツナ」「パプリカとちくわ」など組み合わせの種類も多く、かぼちゃやさつまいもは食材の味で甘く仕上げることが可能。

またいつものサラダ油を変えて、オリーブオイルで洋風に仕上げたり、バターでコクを出して変化を出すという選択肢も。 油だけ変えて味付けは変えなければ、新しい料理に対するハードルもぐっと下がるのではないでしょうか?

ポイント3:変化をつけてあげたり、盛り付け量を少なくしてみる

子どもが食事に集中できる時間は10~20分と言われています。その時間を目安に、食事にのりやふりかけチーズ、しらすなどを加えて味の変化をつけてあげるのもおすすめです。

また盛り付け量を少なくすることで、「食べ終わった達成感」を感じてもらうことも効果的。保育園の給食でも、食が進まない子は自分の食べられる量だけ自分でよそってもらうことがあります。そして食べ終わったら「今日は時間通りに食べられたね!」とたくさん褒めてあげてくださいね。

家でも思い切って、小さなおにぎり1つと卵焼き一切れ、ブロッコリー1房をうんと小さなお皿に盛り付けて出してみて、完食してもらうのはいかがでしょうか?
成功体験の積み重ねにより、食べることに対して自信が湧き、自然とスピードも上がっていくかもしれません。

入学前に少しずつ練習するのもおすすめ

小学校の給食の時間は、配膳なども入るため、食べる時間自体は20~25分ほどになります。食べるのが遅くて心配…という場合、小学校に上がる前に練習してみるのもよいでしょう。

時計を置いて、「長い針がここにくるまでに食べようね」と話すのに加え、食事のあとの行動を約束してあげます。
小学校の場合、給食のあとは昼休みか掃除になるところが多いので、「このあとお外でボールで遊ぼうね」や「ごはんのあとは外の落ち葉拾いを手伝ってね」と約束しておきます。
そして時間が近づいてきたら「そろそろだね」と声をかけてあげれば、子どもも時間を守ることに納得して食べ進めることも。

***

子どもにたくさん食べて健康に育ってほしいと思うほど、食べるスピードが遅くてなかなか食べてくれないと焦ってしまいますよね。 色々と工夫してもうまくいかない…と悩むことが多いかもしれませんが、その一つ一つが子どもにとって大切な食体験へ確実につながっています。

味覚形成や食事の思い出は、子どもへの一生の贈り物にもなります。子どもの個性に合わせて、じっくりと取り組んでいきたいですね。

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執筆者

栄養士 砂糖さおり

栄養士として保育園や病院で働いた経験を活かしてライターとして活動しています。 保育園で子どもたちとご飯を食べるのが最高の癒しでした♪ 栄養、食材、子育てママ・パパさん向けコラムを中心に執筆中。

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