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読み聞かせの目的を問うアンケート調査の結果は、次の5つ。
日本の読み聞かせでは、1~4に対する効果は期待できるものの、5の「言語教育」に対してはあまり有効ではありません。
しかし、アメリカの親ははっきりと「絵本はことばを教える教材である」と考えており、アメリカでは「言語教育」にフォーカスして考案された読み聞かせの手法である「ダイアロジック・リーディング」が確立しているんだそう。
ハーバードで「日米の読み聞かせを比較」し研究してきた著者・加藤映子氏が、そんな子どもの思考とことばを伸ばす“新しい読み聞かせ”「ダイアロジック・リーディング」のメソッドを解説したのが『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版刊)。いよいよ11月4日に発売されます。
アメリカの家庭や幼児教育の現場の読み聞かせの様子において、頻出するのが2つの問いかけ。
「あなたはどう思う?(What do you think?)」
「なぜそう思う?(Why do you think so?)」
前者は自分の考えをことばとして出させるための問いかけであり、後者はその考えを論理的に整理し、より深掘りさせるための問いかけです。
こうした問いかけをされながら絵本を読むことが習慣になると、いずれ1人で本が読めるようになったとき、話の表層をなぞるだけではなく、「自分なりの感想」を持ちやすくなるんだとか。つまり、「考えながら情報に接すること」が癖になる。これが「自分で考える力」の礎になるのです。
そうしたダイアロジックリーディングで伸ばせる子どもの能力とは下記のとおり。
読解力:理解力、インプット力
思考力:ロジカルシンキング、想像力、クリエイティビティ
伝える力:文章力、主張する力、表現力
見る力:観察力、注意力、感受性
知識・語彙力
聞く力:傾聴力、集中力、記憶力
あふれた情報を読み解き、自分で考える力、その考えを論理だてて主張する力は、現代の子どもたちに求められる必須スキルなのです。
例えば、脈々と読み継がれ、親も子どもも大好きな「はらぺこあおむし」。このはらぺこあおむしについて、本書では具体的なやりとりの実践方法が紹介されています。
さらに、「見る力」「聞く力」「知識・語彙力」「考える力」「伝える力」それぞれを伸ばす問いかけとはどのようなものか、ダイアロジック・リーディングを成功させるコツなども紹介されており、0~10歳の読書の「質」で子どもの能力に差がつくことが実感できるのではないでしょうか。
毎日のおやこの豊かな時間、絵本の読み聞かせ。親の問いかけでさらに有意義な時間になるかもしれませんね。
書名:『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版刊)
定価:1300円+税
発行日:2020年11月4日
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