こんにちは!3人育児に奮闘中のママライター、タキザワです。
新幹線や機関車など、鉄道が大好きな子どもって多いですよね。わが家の3きょうだいももれなく鉄道が大好き!
現在6歳の長男は2歳の誕生日にプラレールをもらったことをきっかけに、いろんな電車の名前を覚え、今ではプラレールでオリジナルのレイアウトを作れるまでになりました。
そんな息子を見ていて、「鉄道って記憶力がよくなりそう」「プラレールは手先が器用になりそう」などとぼんやり思っていたのですが、『鉄道で伸ばす子どもの地頭力』を読んでびっくり!鉄道には筆者の想像をはるかに上回る教育効果があったんです...!
子どものころは鉄道が大好きだったけれど、いつの間にか別のものに興味が移っていった…というのはよくある話。しかし少数ながら、大人になってもずっと鉄道に関する趣味を続けているという人もいます。
著者、鉄道博士さんもその1人。就学前からプラレールでよく遊んでおり、年間200回くらい地元の高崎駅に通って、鉄道車両の形式や列車名をほとんど覚えていたといいます。鉄道の最新情報を知りたくて、なんと5歳で新聞を複数読んでいたのだとか!
そんな筋金入りの「鉄道好き」な鉄道博士さんは、県内トップ高校を卒業し、現役で大学合格・主席で卒業。その後民間企業に就職し副社長まで務めたのち、鉄道系YouTuberとして活動を始め、鉄道ネットメディア運営会社を設立しました。
そんな輝かしい経歴を持つ鉄道博士さんですが、その学習の中心は常に「鉄道」のこと。5歳で新聞や時刻表を読むようになったのも、鉄道のことをもっと知りたかったからですし、高校から始めた鉄道写真の撮影のために、大学は「高崎からもっとも近い経営学部もしくは商学部」と決めていたそうです。
「鉄道好き」を妥協せず、突き詰めたからこそのこの経歴!本書では鉄道博士さんの実体験をもとに、鉄道が学習にもたらす効果、そして子どもの「好き」を活かした学習法を徹底解説してくれています。
タイトルにもなっている「地頭力」。具体的にはどういうものなのでしょうか?「地頭がいい」というと、「生まれつき頭がいい」というイメージ。辞書で調べてみると、確かに「大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ」(デジタル大辞泉・小学館)とあります。近年ではそのほかに、「自分の頭で情報を処理し、問題を解決していく力」「論理的思考力」「コミュニケーション能力」などを指すようです。
前述したように、著者、鉄道博士さんは5歳から漢字で書かれている新聞を愛読していました。もちろん個人差はありますが、5歳といえばひらがなの読み書きもできるかどうか、というところ。「ひらがなも完璧じゃないのに、漢字なんて読めるの?」と疑心暗鬼だったんですが、鉄道博士さんは「『読み』だけなら、漢字はひらがなより簡単」と言うのです。
漢字を読むためには、記憶力(画像処理能力)が重要。なんと記憶力が人生で最も高い時期は就学前(3〜5歳)なんだとか!
多くの漢字の形はひらがなの形よりも複雑。ということは、「漢字にはひらがなよりも記憶の手掛かりが多く含まれている」ということなんです!だから記憶力が高い幼児にとって、ひらがなよりも漢字の方が覚えやすいんですね。「漢字はひらがなより難しい」というのは、大人の完全な思い込みなんだとか…。驚愕の事実です。
漢字が読めれば、新聞を始め、大人向けの雑誌・書籍などにも抵抗がなくなります。鉄道博士さんの場合、新聞の次に読むようになったのは、電車の「時刻表」。
時刻表は電車の発着時刻だけではなく、路線図、主要駅の構造、お得な切符の発売情報、在来線・新幹線・特急列車の時刻表、運賃・料金の情報など、じつに多種多様な情報が記載された『タウンページ』のような分厚い1冊。鉄道博士さんはこの時刻表を熟読し、日本の地理を覚えていったといいます。
小学生の時には、毎日学校から帰宅すると、行ってみたい場所を想定しながら、架空の旅行プランを作っていたとか!「家族で〇〇まで、このルートを使って、予算は〇円で」などと条件を設定します。ここで養われるのは、条件をクリアし、安全なルートを考えるための論理的かつ多角的な思考。小中学校時代、実際に家族旅行のプランは鉄道博士さんが作っていたそう!自分が作ったプランを実際に体験してみることで、地理をより実践的に学ぶことができます。
このほかにも海外の鉄道好きと交流することで、英語力、国際感覚の成長にもつながるなど、鉄道の教育効果はさまざま。まさか「鉄道が好き」という熱い思いが、こんなにいろいろな可能性を導き出すとは…!恐れ入りました。
とはいえ「こんなにすごい効果があるなら、わが子にも鉄道を好きになってもらわなきゃ!」なんて考える必要はまったくありません。この結果は、鉄道博士さんがもともと鉄道に強い興味を持ち、熱いモチベーションを保ち続けられたからこそ。興味の対象が「鉄道」でなくてもいいんです。
子どもそれぞれに、没頭できる「本当に好きなこと」があるはず。子どもが「本当に好きなこと」に集中し続けられるように、応援し続けてあげること。これが大人の役割というわけです。子どもはひとつのことを好きになると、それに関連する事柄を自分で調べるようになり、好きなことをやるために、どう効率よく動けばいいかということを考えるようになるんだとか。まさに「地頭力」が活性化するわけですね!
本書の最終章では、幼稚園児の母親との「『鉄道好き』をどう教育に活かすか」をテーマにした対談、そして現役塾講師との「『趣味』は勉強の邪魔なのか?」をテーマにした対談が掲載されています。こちらも大変興味深い内容で、一気に読んでしまいました!
最初から最後まで、驚きと感嘆のため息が漏れっぱなし。「鉄道好き」の子がいるママ・パパはもちろん、「子どもの『好き』を伸ばしてあげたい!」と考えているママ・パパにおすすめの1冊です!
『鉄道で伸ばす子どもの地頭力』
著者:鉄道博士
発行:天夢人
定価:単行本(ソフトカバー)1.650円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,320円(税込)
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【わたし的評価】
満足度 ★★★☆☆
実践度 ★★☆☆☆
読みやすさ ★★★☆☆
わかりやすさ★★★☆☆
ライター タキザワミユキ
何にでも興味津々なやんちゃな3兄妹を育てるママライター。留学・語学学校での勤務経験を活かし、さまざまなテーマで執筆しています。子供たちの笑顔が毎日の癒し!子供の成長はあっという間だなと実感する日々です。