子どもに「違い」を教える前に、まず、私たち親自身がその違いを受け入れる必要があります。
「あのおうちは、お菓子が多くてしつけがなっていない」「あのおうちは厳しすぎる」。
そう心の中で、他所の家庭をジャッジしてしまいがちです。
しかし、子育ての価値観は家庭の数だけ存在します。どれが正解ということはありません。 その前提に立ち「色々な家族の、色々なルールがあるんだな」と、親自身がその多様性をフラットに受け止めること。
それが、子どもに伝えるときの全ての土台になります。
子どもに伝えるべき、最も大切なルール。
それは「お邪魔したおうちのルールを尊重すること」です。
「ここは〇〇くんのおうちだよ。私たちのおうちにお約束があるように、〇〇くんのおうちにも、大切なお約束があるんだ。ここにいるときは、そこのルールを守るのが遊びに来た人のきまりなんだよ」。
このように、ルールを「正しいか、間違っているか」ではなく「その場所を尊重するかどうか」という視点で伝えます。 これは、子どもがこれから社会で生きていく上でとても重要な感覚です。
トラブルが起きた「後」で叱るのではなく、遊びに行く前に、おやこで一つだけシンプルな約束をしておくことをお勧めします。
「今日は、〇〇くんのおうちにお邪魔するね。きっと楽しいよね。一つだけ、ママとのお約束。それは、何かをしてもらったら『ありがとう』もし、いけないことをしたら『ごめんなさい』を、ちゃんと言うことだよ」。
たくさんのルールを一度に伝えても、子どもは混乱してしまいます。 まずは、感謝と謝罪という、人間関係の基本だけをしっかりと約束しましょう。
子どもが、よそのおうちを体験した後。 必ずこの質問がやってきます。
「どうして〇〇くんのおうちはジュースを飲んでいいのに、うちはダメなの?」
このときに、他の家庭を批判してはいけません。「〇〇くんのおうちは、その考え方で素敵だね。でも、私たちのおうちは『飲み物はお茶かお水』って決めているんだ。どのおうちにも、そのおうちだけの大切なルールがあるからね」
「うちはうち、よそはよそ」。その毅然とした他者への尊重を忘れない親の軸が、子どもに、自分たちの家庭への誇りと他者への敬意を同時に教えます。
幼いうちに自分とは違う家庭のルールや文化に触れることは、子どもにとって非常に豊かな経験となります。 世の中には、自分と同じ考え方の人ばかりではない。色々な価値観があるのだ、ということを肌で知るからです。
その「違い」を知ることは、子どもの視野を広げ、多様な価値観を受け入れる、しなやかで懐の深い心を育てます。 お友だちの家での時間は、子どもの世界を広げる素晴らしい社会科見学なのです。
家庭ごとのルールの違いは、子どもの混乱や親のストレスの原因になりがちです。 でもそれは、我が子の社会性を育む、またとない学びの機会でもあります。
大切なのは、二つのこと。 一つは、よそのおうちにお邪魔したときは、その場所のルールを尊重する、ゲストとしてのマナーを身につけること。
もう一つは、他の家がどうであれ「我が家は、こうありたい」という、おやこで納得した軸をしっかりと持つことです。
その二つの軸が、お子さんをしなやかで、芯の通った大人へと導いてくれるはずです。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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