高校生のときのことです。
当時パン屋さんでアルバイトをしていた私は、バイト終わりによく店長から「余ったパン、持って帰っていいよー」とパンを分けてもらっていました。 その日も「どうも!ありがたくいただきます!」と袋いっぱいのパンを抱えて、電車に乗りました。
車内は少し混んでいましたが、なんとか座席を見つけて座ると、隣には身なりの整った女性が腰をおろしました。 ところがその女性が、しばらくして突然涙を流し始めたのです。
思わぬ展開に、私は動揺してしまいました。 どうしよう…何かできることはないだろうかと迷った末に、つい口をついて出たのは…
「パン、売ります!あっ、無料で…」
自分でもなにを言ってるのかよくわからないまま、袋の中からパンをひとつ差し出しました。 すると女性の目に、ふたたび涙があふれました。
「悲しいことがあって、最近ぜんぜん食べられなかったの。でも、あなたの優しさに触れて、なんだか食欲がわいてきた」
そう話しながらパンを受け取ってくれた女性の姿に、私の胸にも熱いものが込み上げてきました。
そのとき手渡したのは、袋の中にあったメロンパン。 なんだか某アニメに出てくるやさしさで元気をくれるヒーローになったような気分で、心があたたかくなりました。
たったひとつのパンが、誰かの心に届くことがある。 そんな出来事に出会えて、わたしも思わず涙ぐんでしまいました。 (女性/25歳/会社員)
誰かのちょっとした気遣いや優しさは意外と心に響くものです。 そんな瞬間に気づくと、世界がちょっとだけあたたかく見える気がします。
みなさんのまわりでも、思わずホッとした“優しさの瞬間”はありますか?
※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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