子育て世代は野菜摂取量が減少?コロナ流行による食生活の変化を京大大学院が論文を発表

子育て世代は野菜摂取量が減少?コロナ流行による食生活の変化を京大大学院が論文を発表
株式会社リンクアンドコミュニケーションは、京都大学大学院近藤研究室(医学研究科社会疫学分野)との共同研究「コロナ流行下における食生活の変化」の論文を発表しました。
目次

ふたたびコロナウイルス感染者数が拡大し、いわゆる「第三波」がやってきてる昨今。外出・外食自粛モードが再び盛り上がりていますが、コロナ禍で私たちの食生活はどのように変化しているのでしょうか。

株式会社リンクアンドコミュニケーションは、京都大学大学院医学研究家社会疫学分野(幸寿:近藤尚己)と行動で新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急時代宣言の発令による生活様式の変化について研究。2020年12月4日、緊急自体宣言期間中の食生活の変化について学術論文を発表しました。

2020年4月〜5月、1か月の自炊回数が4.5回も増加。子育て時間が増えた人は調理の時間を削って子育てをしていた可能性が

今回、AI健康アドバイスアプリ「カロママ」の食事に関するデータおよびWeb調査を使用し、緊急自体宣言の前後(緊急事態宣言前 :2020年1月1日~4月6日 緊急事態宣言期間中:2020年4月7日~5月13日)で食事内容がどのように変化したかを追跡・分析。

その結果、緊急事態宣言後は、全体の自炊回数が1.05倍、もともと毎食自炊した品目を1品食べていた人では1か月あたり4.5回も増加することが分かりました。

また、在宅ワークをする人は、そうでない人と比べて1.02倍、1ヶ月あたりに換算すると1.9回自炊回数が増加するという傾向が見られました。

一方で、緊急事態宣言により子育て時間が5時間増えた人は、自炊回数が0.98倍(-2%)、1ヶ月あたり1.4回減少していることが判明。

緊急事態宣言による休園・休校の影響を受け子育て時間を増やさざるを得なかった人は、調理の時間を削って子育てをしている可能性があると推察されています。

また、うつ傾向がみられた人ではさらに少なく0.93倍(-7%)、1ヶ月あたり6.1回減少することが分かりました。

全体的には野菜摂取量が増加。でも子育て時間が増えた人は、1か月あたり野菜がレタス0.8個分減少

同様に平日の野菜の摂取量を比較したところ、緊急事態宣言中は、全体で1.06倍、もともと毎食野菜を70g食べていた人では、1ヶ月あたりに換算すると385g増加することが判明。

また、在宅ワークをする人は、そうでない人に比べて1.02倍、1ケ月あたりに換算すると野菜摂取量が119gも増加。ワークスタイルの変化が、野菜の摂取量の増加に関係していることが明らかになりました。

一方で子育て時間が5時間増えた人では、野菜摂取量が0.96倍(-4%)、1ヶ月あたりおよそ276g(レタス0.8個分)が減少していることが判明。「うつ傾向」がある人においては481g(レタス1.4個分)減少すること分かりました。 *レタスは1個350gとして算出しています。

新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の変化(外出自粛、在宅ワーク、子育て時間の増加)は、自炊回数だけでなく野菜の摂取量にも大きく影響を与えることが判明。コロナ禍が長期化する中で、食生活の変化にも気づいて適宜改善していくことが重要であることがわかります。

収束の兆しがなかなか見えない新型コロナウイルス感染症。この冬もおうち時間が長くなり、子育て家庭にとってはおうち時間が長くなりそうな様子。なかなかむずかしいですが、親も子もできる限り食生活にも気を配りたいですね。

■論文の概要
〇 題名
Working from Home and Dietary Changes during the COVID-19 Pandemic: A Longitudinal Study of Health App (CALO Mama) Users
COVID-19の流行期間中の生活様式が食生活に及ぼす影響:健康アプリ「カロママ」の利用者を対象とした縦断的研究

〇 著者 (全員) 佐藤 豪竜(1)、児林 聡美(2)、山口麻衣(3)、佐々木 由樹(2)、坂田 良平(2)、村山 知聡(2)、近藤 尚己(1)
(1)京都大学 大学院医学研究科社会疫学分野
(2)株式会社リンクアンドコミュニケーション
(3)東京大学 大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 健康教育・社会学分野

〇 書誌情報
Social Science Research Network (SSRN) Electronic Journalに掲載。
URL: https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3707230

※この論文は、コロナによる生活変化の影響をいち早く発信することを目的に、プレプリントサーバー(SSRN)において公表されたものであり、査読(同研究分野の別の専門家による評価)を経ていないため、留意が必要です。なお本論文は、今後、査読付きの学術誌へ掲載予定です。

参照:京大大学院 近藤研究室(医学研究科社会疫学分野)との共同研究 「コロナ流行下における食生活の変化」を論文発表

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