こんにちは、元・栄養士ライターの砂糖さおりです!
気温や湿度が上がるにつれて、お弁当作りで気になるのは食中毒のリスク。最近、スープジャーなどの一定の温度を保つ保温弁当箱もたくさん種類があり、これに入れておけば大丈夫?と考える方もいるかもしれません。でも保温弁当箱でもそのリスクは変わらずあります。
少しでも安全にお弁当を作るために、押さえておくべきポイントは何でしょうか?
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保温弁当箱を使っていても、食中毒になる危険性はあります。保温弁当箱は、その料理の温かさ、冷たさをキープできるお弁当箱であり、殺菌を目的とした高温処理ができるものではないという点に注意が必要です。
そのため、お弁当作りの基本をきちんと意識して使わなければ、たとえ保温弁当箱といえども食中毒を引き起こすリスクは変わらず潜んでいます。
なぜお弁当の中身は傷んでしまうのでしょうか。
以下のような作り方のお弁当は、食中毒菌が付着したまま、もしくは付着させてしまう可能性があるので注意が必要です。
食中毒は、食中毒菌が繁殖した食べ物を人間が口にすることで引き起こされます。食中毒菌は元々食材にいるものもあれば、調理の工程で食べ物に付着することも考えられます。
鶏肉や卵に存在しているサルモネラ属菌は、食中毒菌の一例です。この菌は75℃以上で60秒以上加熱すると死滅すると言われていますが、加熱不足の状態で食べてしまうと腹痛や発熱を伴う食中毒を引き起こす厄介な菌です。
また調理中付着させてしまう菌として、人間の手の傷部分などに生息する黄色ブドウ球菌などが考えられます。この菌が作る毒素は長時間の加熱にも耐えると言われていて、何よりも付着させないことが大切です。
これらのように食中毒菌と一口に言ってもさまざまな菌が存在しますが、その多くは20〜40℃の温度帯でもっとも増えやすくなります。まずは食材に菌を残さない、つけない状態を作りましょう。そしてお弁当を保管する温度は、菌が増えやすい20〜40℃の温度帯を避けることが重要です。
参照:
株式会社 東邦微生物病研究所 「細菌増殖と温度管理について」
農林水産省では、お弁当作りによる食中毒の予防策として、「つけない」「ふやさない」「やっつける」を提唱しています。
こちらを踏まえ、安全なお弁当作りのためのチェックポイントを確認していきましょう。
調理前にはもちろん、肉・魚・卵を触った後にもよく手を洗いましょう。手を洗うポイントは、手のひらだけでなく爪や指と指の間、手首の部分まで、石鹸をよく泡立てて洗うことです。
手や指に傷がある場合は、そこに菌が潜んでいる可能性があります。調理時は調理用の手袋を用いて手を覆うようにしましょう。
お弁当箱や調理器具は、十分に洗浄しましょう。特にパッキンなどがついているものは外して洗い、溝などに水分が残らないようによく乾かします。泡が噴射されるタイプの洗剤は、細かい溝まで入っていきやすいので、適宜利用できるとよいでしょう。
盲点になりやすいのは盛り付けカップです。シリコン素材で使い回せるタイプの容器は重宝しますが、梅雨や夏場などは使い捨てのものを使うことが推奨されています。
おかずは中心部までしっかり加熱する必要があります。卵料理も半熟ではなく、しっかり加熱した固焼きで調理するようにしましょう。同じように、火を通さなくても食べられるハムやかまぼこなども、極力加熱してお弁当に入れるのがおすすめです。
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菌は水分を糧として繁殖します。果物などは洗ったらよく水気を拭き取り、できれば別容器で持っていくのが安心です。
そしておかず同士の塩分で水分が出てしまわないように、おかずは一品ずつカップで分けて詰めるようにしましょう。
保温弁当箱ではそのおかずの温度をキープしてしまうため、必ず20〜40℃の菌が繁殖しやすい温度は避けて盛り付けなくてはなりません。
汁物は出来立ての熱々の状態で、少なくとも65℃以上を目安に保温します。それ以外のおかずは十分に冷ました状態で盛り付けます。梅雨や夏場は特に意識し、5℃以下での保温が望ましいとされています。
参照:
株式会社 東邦微生物病研究所 「細菌増殖と温度管理について」
お弁当作りで注意するべき点を確認したところで、そもそも入れない方がよい食材・おかずについてもチェックしておきましょう。
食中毒菌は「栄養」「水分」「温度」の3条件が揃うと爆発的に増えると言われています。そのため、食材で気をつけたいのは水気の部分です。生野菜はできるだけ避けましょう。やってしまいがちなのは仕切りとしてレタスなどを使うこと。おかずはカップなどで一品ずつ仕切りましょう。
おかずを考える時に注意したいのは、汁気が多いレシピを避けることです。お浸しなどは汁気が多いため、お弁当には不向きです。揚げ物や焼き物などそもそも汁気が少ない調理法を中心に献立を考えます。
お弁当の中身は当日調理が基本ですが、それでも作り置きのおかずや前の日の残りを入れる際には、再度加熱するようにしましょう。
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【幼児は食中毒リスク高!】いたみにくいお弁当を作るには?いますぐ知りたい「7つのお弁当衛生ルール」
保温弁当を使う場合、できるだけ保温力の高いお弁当箱を使いたいところです。スープジャーやランチジャー、さまざまなタイプがあるので、お弁当箱選びの参考にしてください。
真空二重構造で保温性を確保しつつも、軽量でコンパクトなこちらのお弁当箱。中容器にはパッキンが付いているので、汁気の多いものでも安心して入れられます。
ディズニーやすみっコぐらしなど、絵柄が選べるのも子どもにとってはうれしいですね。
魔法瓶のメーカーとして知られる象印。そんな象印から出ているこちらのスープジャーは保温にも保冷にもすぐれ、おかずの幅をぐぐっと広げてくれます。
300mlとコンパクトなサイズで、子どもが食べるにも、持ち運ぶにも扱いやすいですね。
ごはん容器、おかず容器、スープ容器の3つがセットになっています。おかず容器だけは常温をキープするようになっているので、保冷剤などを上手に使いながら利用できるとよいでしょう。3つを重ねて持ち運べるのでコンパクトです。
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湿度と気温が上がるにつれて気になる食中毒。弁当箱が置かれる条件により発生状況も変わるので、100%ゼロにするのは難しいかもしれませんが、できる限りの予防策を講じて未然に防いでいきましょう。
楽しい食事の時間にも、季節によっては危険が潜んでいます。子どもはもちろん大人も注意を払いながら過ごしていきたいですね。
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栄養士 砂糖さおり
栄養士として保育園や病院で働いた経験を活かしてライターとして活動しています。 保育園で子どもたちとご飯を食べるのが最高の癒しでした♪ 栄養、食材、子育てママ・パパさん向けコラムを中心に執筆中。
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