おやこで歌う時間が、語彙や感性をはぐくむきっかけに?「秋の童謡」が持つ力とは

おやこで歌う時間が、語彙や感性をはぐくむきっかけに?「秋の童謡」が持つ力とは
とんぼのめがね、まっかな秋、どんぐりころころ…秋には親しみやすい名曲がたくさんあります。季節を感じる歌をおやこで一緒に歌う時間は、心を豊かにするだけでなく、子どもの発達にも大きな効果があります。今回は「歌うこと」がもたらす嬉しい成長効果と、おやこで楽しめる秋の歌をご紹介します。
目次

歌を歌うと五感が育つ

歌を歌うとき、子どもは耳でメロディを聴き、目で口の動きを見て、口や喉を使って声を出します。 リズムに合わせて体を揺らしたり、手拍子を打ったりすることで、自然と「五感」をフルに使う活動になります。

特に幼児期は、音を聞き分ける力(聴覚)や、リズムに合わせて体を動かす力(運動感覚)がぐんと伸びる時期。音楽遊びを通して感覚を磨くことは、情緒の安定にもつながります。 友だちや家族と一緒に歌うことで、気持ちを通い合わせることができ、コミュニケーション能力の向上も期待できるでしょう。

また、歌詞に登場する「虫」「木の実」「空の色」など、季節の自然に触れる言葉を通して、子どもは秋という季節のイメージを豊かに広げていきます。 「どんな色かな?」「どんな匂いがするかな?」と、歌をきっかけに五感で秋を感じられるのです。

歌を歌って発語や語彙能力アップ

歌詞には、日常会話ではあまり使わない言葉や表現が多く登場します。

たとえば「夕焼け小焼け」「まっかな秋」「沈む夕日」など、情緒ある日本語が自然に身につくのが歌の良さです。

まだ発語が少ない子どもも、歌のリズムや繰り返しの言葉に合わせて口を動かすことで、言葉への興味が生まれます。 「どんぐりころころ」「大きな栗の木の下で」といった親しみやすいフレーズは、口ずさみながら語彙を増やす絶好のチャンスです。

また、歌の中で息を吸って吐く動作を繰り返すことで、発声や呼吸のコントロール力も育ちます。 歌うことは、言葉を発するための口や舌の動きの練習となり、自然と発音や発語への近道になるので乳幼児期の幅広いお子さんにおすすめです。

一緒に歌おう秋の歌

おすすめは、おやこで一緒に歌える優しいメロディの曲です。 さらに、親御さんが小さい頃に好きだった歌を一緒に歌うのも良いでしょう。

お父さんやお母さんの秋のお気に入りの歌は、おやこの共通理解を深め、心を通わせる素敵な一曲になるでしょう。 私自身「小さい秋」の少し寂しい、切ないメロディーと雰囲気が大好きでした。

小さいころ歌っていたお気に入りの歌は心に残りますよね。 お子さんと一緒に、ぜひお気に入りの一曲を見つけて欲しいなと思います。

『どんぐりころころ』

手遊びを交えて歌えば、小さな子も楽しく参加できます。

『まっかな秋』

落ち葉や夕焼けなど、秋の情景を想像しながら歌うと、想像力が豊かになります。

『とんぼのめがね』

とんぼへの興味関心と、秋の空の美しさや、移り変わりに気づくきっかけとなります。

歌うときは、上手に歌うことよりも「楽しく一緒に声を出すこと」を大切にしましょう。 子どもはおうちの人の声が大好きで、安心感を覚えます。

日常の中でも、散歩しながら「♪どんぐりころころ」と口ずさんだり、夕焼けを見ながら「♪あかとんぼ」と歌ったりするだけで、季節感を味わう時間になるでしょう。

最後に

秋の歌を歌うことは、おやこの絆を深めながら、五感や言葉の発達を促します。 忙しいときほど、少しだけ「歌の時間」を取り入れてみましょう。

歌を通じて呼吸を整えることで、親も気分転換になり、子どもの表情も明るくなり、言葉がぐんと豊かになります。

紅葉が色づく季節に、おやこで口ずさむ歌声が家の中に心温かな秋を運んでくれることでしょう。

監修/ライター:オオイシ(幼稚園教諭二種・保育士)

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執筆者

幼稚園教諭二種・保育士・ベビーマッサージインストラクター・チャイルドカウンセラー・家族療法カウンセラー オオイシ

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