改札前で…男性「切符を無くして…」駅員「買い直して」直後⇒外国人「ハーイ！」まさかの展開に男性涙…

異国の恩人

今から30年ほど昔、ICカードなんて便利なものがまだなかった頃の話です。 都内のとある駅で、仕事先に向かっていた私は青ざめていました。

改札を出ようとしたところで、切符がないことに気づいたのです。 ポケットも鞄もひっくり返して探しましたが、どこにもありません。

約束の時間も迫っており、私は藁にもすがる思いで駅員さんに「すみません、切符を落としてしまったみたいで…」と事情を説明しました。 もしかすると通してもらえるかもしれない…。そんな甘い考えは一瞬で打ち砕かれました。

駅員さんは「あー、紛失は買い直しになりますね。もう一度運賃を払ってください」と一言。

肩を落としつつもルールだから仕方ないと諦め、切符を買い直そうとしたその直後でした。

「ハーイ！！」

突然、背後から突き抜けるような明るい声が聞こえたのです。 驚いて振り返ると、そこには息を切らせた外国人の青年が立っていました。 そして私を見るなり、笑いながら「オトシマシタヨ！！」とカタコトながら日本語でしっかりと伝えてくれました。

それは、紛れもなく私が落とした切符でした。 どうやら走って追いかけてきてくれたようなのです。

さっきの駅員さんの対応で心が折れかけていた私。 情けない話ですが、その温かさに思わず涙が溢れました。

国境を越えたあの笑顔と「ハーイ！」という明るい声は、今でも忘れられない宝物です。

（男性/57歳/会社員）

※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。