クラスにはライオンのように勇敢な子もいれば、カメのようにマイペースな子もいます。 これを無理やり「みんな真面目でいい子になりなさい」としつけるのはナンセンスです。
一個人として輝ける場所を作るのが保育です。 違う人が同じ教室の中にいるからこそ「君は足が速いね」「君は器用だね」と互いの良さを発見できます。
みんな同じを目指す集団では、自分という個性が見えなくなってしまうのです。
個性が強ければ当然ぶつかります。 主張の正面衝突は日常茶飯事です。
でもこの「思い通りにならない」という摩擦こそが心を丸く磨き上げます。 自分と違う考えを持つ人間がすぐ隣にいるという環境。それは面倒ですが最高の砥石です。
みんなが同じ意見ならケンカは起きませんが成長もありません。 「なんでわかってくれないの」と悩み抜くプロセスが他者を理解する想像力を育てます。

走るのが苦手な子が絵を描くのが得意だったり、片づけが嫌いな子が小さい子の面倒見がよかったりします。
一人の人間は不完全ですがクラス全体で一つの完全な円になればいいのです。 できないことがあるからこそ誰かに助けてもらえる。できることがあるからこそ誰かを助けられる。
この凸凹が噛み合ったときクラスには一体感が生まれます。 全員がオールマイティである必要はどこにもありません。
私たち保育士の仕事は子どもたちを整列させることではありません。 それぞれの異なる音色をいかしてあげることです。
大きな太鼓の音も小さな鈴の音も全部必要です。 時には不協和音も鳴りますがそれもまた味になります。
「みんなと一緒じゃなくていい」 このメッセージが肌感覚で伝わっているクラスの子どもたちは強いです。
友だちと違う意見を言うことを恐れません。 そして友だちの奇抜なアイデアを面白がって受け入れます。
自分も認められているし相手も認められている。 この絶対的な安心感が根底にあるクラスは、どんな困難が起きても最後は笑って乗り越えていきます。
多様性という土壌で育った根っこは簡単には抜けません。
クラスは社会の縮図です。 世の中に出ればもっと多様な人たちがいます。
今のうちに「違うこと」の面白さを知った子は将来どんな場所にいっても自分らしく生きていけます。
「あの子変わってるね」は最高の褒め言葉。 混ざり合わないからこそ美しい模様ができるはずです。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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