子どもにとって親は、何があっても自分を守ってくれる絶対的な安全基地です。 この安全基地の土台が家でしっかりと作られているからこそ、子どもは安心して外の世界へ飛び出し、他の大人(先生)を信頼し、愛着を築くことができると考えられます。
もし親からの愛情に不安を感じていれば、親から離れることを極端に怖がり、保育園で先生や友だちと楽しく遊ぶ余裕は持てない傾向があります。 先生に懐いている姿は、家庭の愛情が十分に満たされている証拠です。

親は、ごはんを食べさせ、お風呂に入れ、寝かしつけるという「日常の命を守る」役割を担っています。 一方で保育園の先生は、全力で鬼ごっこをしてくれたり、面白い製作を教えてくれたりする「遊びのプロ」です。
大好きな動画の歌を一緒に歌ってくれたり、新しい世界を見せてくれたりする先生は、子どもにとって非日常のワクワクをくれる存在だと言えます。 役割がまったく違うため、どちらが好きかという比較の対象にはならないのです。
幼児期の子どもは、自分の複雑な感情を正確な言葉で表現する語彙力をまだ持っていません。 「ママより好き」という言葉は、親を否定しているのではなく「先生と遊ぶのがすごく楽しかった!」という今の最大限の喜びを伝えるために、一番身近で大好きな「ママ(パパ)」を引き合いに出しているだけだと言われています。
言葉を文字通りに受け取って傷つく必要はなく「それくらい今日は楽しかったんだな」と変換して受け止めるのがおすすめです。
先生に嫉妬してしまうのは、決して心が狭いからではなく、親自身が毎日全力で子どもを愛し、大切に育てているからこその自然な感情です。 「自分が一番でありたい」と思うのは、それだけおやこの絆が深い証拠でもあります。
しかし、子どもは成長するにつれて、家庭という小さな社会から、少しずつ外の広い世界へと人間関係を広げていく必要があります。 親以外の大人を大好きになれるのは、社会性が順調に育っている素晴らしいステップだと捉えてみてください。
先生の存在を「子どもの愛を奪うライバル」ではなく「一緒に子どもを愛し、成長を見守ってくれる心強いチームメイト」だと視点を変えてみるのが効果的です。
子どもにとって、無条件で自分を可愛がり、守ってくれる大人がたくさんいる環境は、自己肯定感を育む上でこれ以上ないほど恵まれた環境です。
「先生大好き!」と笑顔で通える保育園に出会えたことは、親にとっても子どもにとっても、非常に幸運なことなのかもしれません。
「先生が好き」という言葉の裏には「ママ(パパ)が大好きで安心できるから、外の世界も大好きになれたよ」というメッセージが隠れているようです。
嫉妬して落ち込んだときは「私の育て方が大正解だったんだな」と胸を張ってみてください。 子どもがたくさんの人に愛され、そして人を愛する力を持った優しい子に育っていることを、ぜひ一緒にお祝いしてあげてくださいね。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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